イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

卑屈な心の闇に閉じ籠もるライル

2009年02月22日 05時10分05秒 | アニメ
 イノベイターらしいと薄々は知りながらも愛するアニュー・リターナーにまで愚痴るライル。初代ロックオン・ストラトスである双児の兄ニール・ディランディに対する言動に距離を感じていましたが、コンプレックスを抱き家族を含めた周囲が、先々で出会う人間が全て自分と兄を比較していると自意識過剰にも程がある卑屈な性根ゆえにジュニアスクールの寄宿舎という殻に逃げ込み、兄ニールばかりか家族全員と殆ど会おうともせずに過ごしていました。

 14歳の時に両親と妹エイミーを失ってもなお唯一の肉親であるニールを避け、4年前のソレスタルビーイングと国連軍との最終決戦を目前にしたサーシェスとの死闘でニールは自殺同然に返り討ちに遭い戦争根絶の志半ばに無念の死を遂げ、ライルは天涯孤独となってしまいました。それでも兄さんには及ばない、俺は兄さんじゃないと被害妄想の愚痴は止まらなかった。ニールに淡い恋心を抱き、ついライルにその面影を重ねてしまったフェルトのファースト・キスを奪って謝罪すらしない厚顔無恥な振る舞いは続きます。

 フェルトの唇を奪ったのは彼女に自分はニールじゃないと気づかせるためというのは口実で、周囲にニールを押し付けられていると被害妄想を抱き比較してなどいないのにニールと比較しているのを嫌がったからです。そのせいで両親と妹を失った少年の日の喪失だけではなくて唯一の肉親だった兄ニールの死さえ本当に理解できず、哀しんでさえいないのです。