物欲大王

忘れないために。

奥田英朗「家日和」

2007年05月20日 16時43分21秒 | 読書、書評
直木賞作家の最新作。
今回はお家がテーマ。
心温まる6つの短編を収録。
「家」という箱の中にはこんなに物語が詰まっていたんだなあ。

「サニーデイ」折り畳みテーブルを出品したのをきっかけに、ネットオークションにハマった主婦の物語。「非常に良い」の評価を得るためにどんどん深みにはまっていく。出品する商品が無くなると夫のギターに手を出してしまう。

「ここが青山」遅刻して出社してみると会社が倒産。無職の身となってしまう。翌日から妻が復職。
手持ちぶさたになった夫は不慣れながらも家事を担当。だんだんその魅力に取り付かれてしまう。

「家においでよ」妻が出ていった。殺風景な部屋。妻が自分の家具を持ち出してしまったからだ。
部屋があまりにも寂しいのでカーペットとカーテンを買うことにした。
久しぶりの一人暮らし。理想の部屋作りにハマっていく。

「グレープフルーツ・モンスター」内職で生活を助ける主婦。営業担当のサラリーマンに恋をしてしまう。最近の趣味は営業担当との夢物語。

「夫とカーテン」突然仕事を辞め、「カーテン屋を開く」と言い出した夫。呆れながらも開店準備に付き合うイラストレーターの妻。「冒険して書いたイラスト」が編集者に大絶賛。その秘密とは?

「妻と玄米御飯」ロハスにハマった妻を持つ小説家の話。なかなか小説のプロットが出てこない彼は、ついに妻がハマっているロハスを茶化す小説を描く。だが、その原稿を妻に読まれてしまう。

どれも著者の自叙伝かな?と思われるほど良く描かれていた作品。
「ここが青山」でのセリフ「社長がハゲ頭を粉飾した頃からおれは危ないとおもってたんだよ」
は名言。つか大ウケ!

評価5★★★★★(5段階)

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