leonardo24

西洋美術関連ブログ 思索の断片
―Thoughts, Chiefly Vague

「神のごときミケランジェロさん」(みのる)

2014-04-26 21:50:12 | 番外編

こういう誇り高い独立心を、ミケランジェロがいかに誠実に守ろうとしたか。晩年に手がけた最後の大作に対する報酬を断った、という事実が、それをもっともよくものがたっている。その仕事は、かつての敵ブラマンテの作品を完成させることだった。あのサン・ピエトロ大聖堂の中央クーポラである。老巨匠は、キリスト教の総本山であるこの大聖堂の仕事を、神のさらなる栄光のための奉仕だと見なし、それが世俗の金儲けに汚されてはならないと考えた。まわりを取り巻く2本1組の円柱の列に支えられるかのように、その堂々とした姿を空にくっきりと浮かび上がらせ、ローマの町を見下ろすクーポラ。それこそは、当時の人々によって「神のごとき」と形容された、この非凡な芸術家の精神を記念するにふさわしい。
―――ゴンブリッチ 『美術の物語』 (239頁)

希代の芸術家の生き様を扱ったマンガが、いま、webで連載中だ。
言わずと知れた盛期ルネサンスの巨匠、ミケランジェロ。
画家ではなく、彫刻家としての自負を強くもっていた芸術家は、ときには教皇相手にも怯まなかったほど、誇り高い精神の持ち主だった。

いまのところ、第三話まで公開されている。
毎月一回、月末の更新だ。

ユーモラスな筆致を、気軽に楽しむことができる。

参考までに、昨年刊行されたミケランジェロの特集本を紹介しておこう。
タイトルはマンガとほぼ同じ、『神のごときミケランジェロ』だ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿