明けない夜はない

膣ガンステージ、肝臓に遠隔転移あり。只今経過観察中。そんな私の心の叫びと、乗り越えて来た事、あれこれ。

2006年6月(やっと退院)⑥

2006-09-27 15:20:52 | 病気の経緯と治療とか
毎朝、起きて通ってる放射線治療。
それも、終盤に差し掛かろうとしていた。

33回の照射予定のうち、25回は、リニアックと言って、大きな範囲を、
太い線で外から当てる方法。(お腹方面からと、お尻方面から)
そして、残りの8回はブーストと言って、患部に小さな範囲で、外から、
横向きに、細い線で当てる方法。
放射線治療が始まった頃の、話はここ

リニアックを25回当てた頃には、火傷がピークで、外陰部、肛門付近まで、
皮がめくれて、熱を持ってるような、感覚。
排泄、排尿するのが、かなり困難な状態に。
それに加え、両足太ももの付け根が、酷いケロイドの、火傷になり、歩くのも痛い。
皮が、広範囲に渡ってめくれて来て、痛いの、なんのって
パジャマのズボンを履くのも、摩れて痛い状況。
こんな時、スカートのパジャマがあれば・・・。と、考えてみたり
マタニティードレスでも、着れば良かったんだけど。(えっ?)

薬剤部からもらった、お薬2種類。
火傷の熱を鎮める塗り薬と、ステロイド入りの、軟膏。
軟膏は、粘着タイプで、油分が入ってるから、ちょっと塗ると気持ち悪い
いつも、交代で巡回してくる看護師さんが、

「火傷の部分、自分じゃ塗り難いだろうから、私達塗りますので、
 気軽に言って下さいね」

そう、気遣って言ってくれたけど、ちょっと恥ずかしくて。

塗っても、塗っても、すぐには治らなかったけど、毎日3回塗ってねと、言われ、
塗る場所が面倒なんだけど、約束を守って、トイレで1人塗った。

リニアックで肛門付近に、直接当たっていた、放射線。
ブーストになり、横手から当たる事もあって、肛門付近の火傷は、
徐々に薄い皮を張り、治って来ていた。
でも、両足太もも付け根の火傷は、ヒートアップして来ていて、
寝ても、立っても、座っても、痛い状態。皮はべろーんってめくれるし、
痛くて、熱いし、もう、勘弁してって感じ。
でも、もうひと頑張り。
8回のブーストが終わったら、放射線照射は、終了
そして、退院予定

放射線33回目の朝、最後の照射に出掛けた。
そして、最後の照射が終わった時、
2ヶ月もの間、お世話になった、放射線のスタッフに一礼して、
高エネルギー室を後にした。
嬉しい反面、ちょっと淋しかった
でも、あんなに長かった放射線、やっと終えたよ
10合目、達成したよ

放射線治療の、詳しい事は、こちらを参考にして頂ければ、
よく解ってもらえると、思います。

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放射線照射中に、主治医Nは、抗がん剤治療を2クール行う予定にしてたけど、
やっぱし、骨髄抑制が出て、時間的に無理。
入院中には、結果1クールしか、投与出来ず終いに、なった。

放射線照射も終わり、後はCT検査と、内診で、退院出来るか判断。
退院予定日(自分で数えて、勝手に決めてた日)まで、あと2日
早く、家に戻りたい

自分で勝手に決めた予定日の、前日、CT検査が予約され、「造影剤同意書」
に、サインを
検査室は、1F。6Fの病棟から、少し離れてる。

CT自体、寝てるだけで、検査は終わるんだけど、その際に注入する、「造影剤」
これが、とっても嫌い。
もう、何度も受けてるから、慣れても良いもんだが、慣れない。あの感覚。
造影剤を注入後、お尻の付け根の方へ来る、あのカーッってした、熱い感じ。
やがて、血管を巡り、体全体が、熱くなる。

検査は終わり、「造影剤を受けた方へ」と書いた、注意書きをもらい、
病室へ戻る。その注意書きには、

「なるべく、水分を多目に摂って、造影剤を体外へ出して下さい」

と、書いてあった。
あー、火傷してるから、何度もトイレには、行きたく無いんだよなー・・・。
そう思いながらも、いつもより多目の水分を摂り、痛いのを我慢しながら、
体外へ、造影剤を出す作業を、した。

そして、目覚めた6月最後の金曜日。私の、勝手に決めてた退院予定日。
ワクワクしながら、主治医Nに、聞いてみた。

「この前、放射線終わって、CT検査終われば、N先生、退院しても良いって、
 言ってたでしょ?明日、明後日は、休診だし、今日退院しても良い?」

その問いに、すんなり、

「OK!良いよ。」

って、言ってくれると思ったら。
何やら、渋い顔付き。

「ちょっと、クランベリーさんの事、医療チームで話さないといけなくてね、
 悪いんだけど、もうちょっと、ここに居てくれないかな?で、月曜日に病院へ
 戻る時、話があるから、旦那様も一緒に来てくれる?」

と、言われ、一気にテンション
なに?まだ私、入院して治療しなきゃ、ならない理由があるのかな?
ちょっと、不安。
そして、なんだか、何かを隠してるみたいな、予感

そう言われ、渋々まだ入院生活、続く事に。
と言っても、明日、明後日は土日。月曜日に、又病室へ戻る約束で、外泊OK。

そして、病室に戻った月曜日、火傷が痛くて、歩くのも困難
トイレに行く度、ズボンや下着の上げ下げが、摩れて痛い。
そんな中、呼び出しが掛かった。

「退院を決める、最後の内診をするので、処置室へ来てね」

そう言われ、火傷が痛いので、両足太もも付け根をかばいながら、処置室へ。
痛くて、ちょっとそこまで、歩くのもやっと。
それなのに、内診なんて、出来ないーそう、心で思ってた。

私は、入院した時、N教授に診てもらったので、退院を決める判断をするのも、
N教授の内診。ちょっと、怖い。又、ギャラリーが出来るのかな?

丁度、そこに、担当医M女医が居たので、

「むっちゃ、火傷が痛くて、内診台に上れないかも、知れへんの」

そう言うと、M女医はその旨を、N教授に伝えてくれて、N教授が私に、

「火傷が酷いんやって?そしたら、内診台には、上らなくても良いし、
 ベッドに横になって、患部を見せてくれるかな?私は責任者だから、
 ちゃんと、診ておきたいんだよ。そして、退院OKのサインを出すからね」

そう言われ、火傷で酷く、醜くなってるのを、N教授に診てもらい、

「よく、ここまで頑張ったね。今は火傷痛いけど、日にち薬で、皮が張って来て、
 良くなるからね。当初(11月)に比べたら、雲泥の差やで!お疲れ様!退院OK」

そう言われ、晴れて退院出来る事に。
でも、これから、主治医N+担当M女医+担当看護師Yとの、ムンテラが予定されてた。
だから、退院は、翌日に先延ばし。まずは、ムンテラ。

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あらかじめ、夫と一緒にと、言われていたので、少し緊張
部屋に入ると、主治医N、M女医、看護師Yが、待っていた。

病状の話しが始まり、頷く私達夫婦。
こないだ撮ったCTの画像と、11月に入院した頃に撮ったCT画像を見比べて、
説明してくれた。

放射線は、すぐに効果が見れないので、これから、定期的に検査を重ね、
予後を、診ていくと言う方針に。

こないだやった、「パッチン検査」の結果は、もちろん大丈夫。
治療したのに、今黒だったら、困るけど。

あれだけ痛みを持って、ここの病院の門を叩いた去年の11月。
今、癌の痛みは一切無い。
劇薬+麻薬と言われ、服用していた「オキシコンチン・モルヒネ」とも、
もう、おさらば。
火傷は、むっちゃ痛いけど、私ここまで、乗り越えた。
私は、調子に乗って、主治医Nに、

「退院して、お酒って飲んで良いですか?」

と聞いたら、

「良いんじゃない?退院祝いくらい、飲んだらええやんよく、8ヶ月間、
 頑張って、治療してくれたね!お疲れ様」

そう、笑って言ってくれた。
退院祝いくらいなら、飲んでも良いのか!嬉しい
一気にテンション

でも、その後、少し顔をしかめながら、主治医Nは話を続けた。

「でも、もう少し、癌の予防と全身治療の為に、抗がん剤治療を、続けたいんだけ
 ど・・・。予定してるのは、3クール、答えは、すぐに出せなくても良いから、
 考えておいて、くれないかな・・・。次の外来で、答え聞かせて」

えー?まだ、私治療が続くの?予防ってなに?なんで、又抗がん剤?
そう思ったけど、入院中に、1クールしか投与出来なかった事を、思い出し、
仕方無いと、心に言い聞かせた。

その夜、「お疲れ様でした」と称して、担当看護師Yちゃんと、担当医M女医が、
私宛と、家族宛に、賞状を作ってくれた。
その気持ちに、とっても感動した。
まだ、少し治療は、続くにせよ、8ヶ月間、走って来た私は、泣けて来た。


でも、私は、この3クールに、本当の理由があるのもこの頃は知らずに


退院の朝、同室のYさんと、Iさん、祝福してくれた。
Iさんは、いっぱい泣いてくれて、

「私、クランベリーさんが居なくなったら、毎日1人で泣いてしまうよ!
 残っててって、言えないけど、居なくなるのは、淋しい!」

そう言って、私宛に、手紙をくれた。
そこには、まだまだ、病気を受け入れられない、恐怖の気持ちがいっぱい。
私も、最初、こんな気持ちだったな。そう思いながら、家に戻ったら、
いっぱい返信を書こうと、決めた。

Yさんは、割りにあっさり、見送ってくれて、

「又、外来や、治療で会うかも知れないもんね!そん時は、話そうね!
 元気で、頑張るんだよ~!」

そう言って、背中を押してくれた。

IさんYさん、どうもありがとう
医療チームの皆さん、どうもありがとう
主治医N、担当医M女医、担当看護師Yちゃん、どうもありがとう
私、退院します

次へ続く

長文、最後まで、読んで下さり、ありがとうございました