明けない夜はない

膣ガンステージ、肝臓に遠隔転移あり。只今経過観察中。そんな私の心の叫びと、乗り越えて来た事、あれこれ。

2006年4月の出来事

2006-09-06 15:22:52 | 病気の経緯と治療とか
主治医N先生の言ってた、5クールが終わり、治療は次のステップへ。

ずっと、抗がん剤しか治療を、していなかった私は、
次のステップと言っても、中々心の準備が出来なかった。
手術か、放射線。
その選択に、主治医は、私のQOLの事を考え、放射線を勧めた。
そして、かなり神妙な面持ちで、合併症の話しや、副作用など、
事細かに、私と夫に説明してくれた。

そして、放射線科の先生から、一通の同意書。
こんな事が、書かれていた

患者クランベリー様の放射線治療、実施について、以下の通り説明致しました。

①現在の病状と治療の必要性について
 現在の病状(膣癌)
 治療の必要性(局所制御向上の為)

②治療の方法
 リニアック(外照射用放射線治療装置)を用いて、高エネルギーX線、又は、
 電子線を、体外から治療部位に照射します。
 治療回数・期間:1日1回週5回(土日、祝日を除く)
 計30~33回の照射の予定。
  (注:回数等は、治療経過によっては、変更される事があります)

③治療に伴う合併症と危険性、および緊急時の処置について
 頻度的には、非常にまれなものも、含めて、以下のような、合併症の可能性が
 ありますが、現在の疾患に必要な治療です。緊急時の処置は勿論万全を期して、
 施行しますので、ご了解下さい。
 1)治療期間中~終了後数週間の合併症
 (倦怠感・食欲低下・吐気・皮膚炎・粘膜炎・(陰部)脱毛・膀胱炎・下痢等)
 2)治療終了後数ヶ月後以降の合併症
 (不妊・外陰~膣潰瘍・膀胱-膣ろう・直腸-膣ろう・下肢浮腫・骨折等)

 

放射線を当てると言う事自体は、痛くもかゆくも無いし、
臓器も、残る。
その事だけを、考えたら、少し嬉しかった。

でも。

これから始まる放射線治療で、確実に私は、妊娠の希望を、
奪い取られてしまった。
それまでも、長期に渡る、抗がん剤投与で、生理は止まっていたけど、
まだ、それだけなら、妊娠の望みはあった。
が、しかし、放射線照射する事で、その望みも絶望的な物に。
そしてもちろん、それ以外の、弊害もある。

主治医、放射線科医を前に、私は号泣してしまった
でも、やるしかない。命を繋ぐ為には。
同意書にサインを、求められた。

自分が母になれない。
子供好きな夫を、父親にさせてやれない。
両親に、孫を抱かせてやれない。

「夫よ、ごめん。子供大好きだったのにね。私こんな事なっちゃって、
 もう、産めなくなっちゃったよ。」

「母さん、ごめん。あんなに楽しみにしてたのに、孫産めなくなっちゃった。
 孫の世話したいって、ずっと言ってたのに、お婆ちゃんに、してあげられなくて
 本当に、ごめん」

早く、孫が見たいなぁー!と言う両親に対し、

「うるさいなぁ。子供なんて、今は欲しく無い。もっと、自分のやりたい事して、
 遊びたいんだよ。いつか、授かる時が来るまで、要らない!」

そんな事ばかり言ってたから、神様が私に、罰を与えたんだね。

とても、無念だ。
そして、私は自分を否定し続けた。どうしようも無いくらいに。

果たして夫は、こんな私に、ずっと目を向け続けてくれるのだろうか?
こんな娘を、両親は、認めてくれるのだろうか?

そう、自問自答しながら、この頃は、ずっと過ごしていた。

次へ続く