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映画を見た時の感想を入れときます

2023/11/25 「スライ:スタローンの物語」

2023-11-25 00:00:03 | 日記
「スライ:スタローンの物語」(2023年米)

シルベスター・スタローン 俳優。愛称スライ
フランク・スタローン スライの弟
タリア・シャイア 共演俳優
アーノルド・シュワルツェネッガー ライバル俳優
クエンティン・タランティーノ 映画マニアの映画監督

起:スタローンは俳優を志す。
承:「ロッキー」がヒットする。
転:「ランボー」や「ロッキー」の続編を作る。
結:俳優は希望を売るのが仕事だ。

 スライことシルベスター・スタローンは、
1946年にNYのヘルズ・キッチンで産まれた。
 母はナイトクラブでタバコを売っていた。それが一家の収入源だ。
母は派手で主張が強く、両親は喧嘩ばかりしていた。
両親は仕事で忙しく、スライは愛されていなかった。
 映画を繰り返し見たスライは、努力して悪に勝つヒーローになりたいと感じた。
稼ぎのない父親はメリーランドへ引っ越し、母親は出て行った。
スライは問題ばかりで退学を繰り返し、
問題児ばかりの学校で演技に関心を持つようになった。
 スライは舞台で「セールスマンの死」に出演。
それを見た教授に才能があると言われ、役者になる事を勧められた。
ニューヨークへ行き、役者の仕事を探す事に。
だが活舌が悪いとか、たれ目とか言われて端役しか得られず、裏方もやらされた。
自分のやりたい役の脚本を書き、ダメならやめようと考えた。
それは数年間続き、15本の脚本が出来た。
 1971年に無声映画「ホース」を作り、保安官を演じた。
「ブルックリンの青春」に出演し、脚本を書き換えて自分の好きな様に演じた。
スライはクズの役だが、味があった。
評判はいまいちだったが、ギャラを得て、ハリウッドへ移動した。

 スライはプロデューサーに「ロッキー」のアイデアを売り込む。
「ミーン・ストリート」を参考に、主人公を取り立て屋にした。
暴力的なシーンが多いとタイピストが批判した為、恋人を加える事に。
「波止場」も参考にし、混ぜ合わせて手を加え、主人公を格闘家にした。
3日間で書き上げ、何度も書き直した。
主役として、ライアン・オニール、バート・レイノルズの名前が出たが、
スライは自分の役だと主張した。
 アポロ役には適任の役者が見付かった。当初の役者が降板し、交替したのだ。
タリア役が決まったのは最後だが、スライは彼女を気に入った。
 「ロッキー」の最初の批評はひどかった。
試写会では、3/4が途中で退席した。
だが、ロッキーがアポロを倒すと、観客は本当の試合のように興奮した。
それからスライの人生はひっくり返り、プライベートはなくなった。
 「ロッキー」はアカデミー賞作品賞を受賞。
スライは役者、脚本家として称賛され、否定する者はいなくなった。

 「ロッキー」の公開後、父親が脚本を持ってきた。
父親はスライをライバル視していたのだ。
息子を描いた「ソニー」と言う物語だが、スライは却下した。
 観客はスライの次作品を求めた。
「フィスト」でスライはロッキーのイメージから脱しようとし、
作品は批評家に否定された。
「パラダイス・アレイ」はシリアスではない格闘映画となり、酷評を受けた。
 スライは「ロッキー2」に挑戦する事にした。
前作の監督ジョンはロッキーの没落を描こうとしたが、スライと意見が合わずに降板。
スライが監督になり、自身の人生が反映されるようにした。
結婚生活に苦悩する家族の物語だ。
「ロッキー2」は大ヒットし、スライは業界のトップに躍り出た
 だがスライは、物語に新鮮さがなくなったと感じていた。
「ロッキー3」では格闘家が恐れを抱き、そこから勇気が生まれる物語とした。
ミスターTやハルク・ホーガンを起用し、サバイバーの主題歌を付けた。
 「ランボー」の原作は、殺人狂の物語だった。
スライにとって、純粋なアクション映画を描くのはこれが初めてだ。
警官を殺すシーンをなくしたのはスライのアイデアだ。
原作でランボーは最後に殺される事になっていたが、
スライは帰還兵にそれを見せたくないと反対した。
スライは長年ランボーを演じ、キャラが独り立ちした
世間はスライに過剰さや超人的な活躍を求めるようになった。
 スライのライバルは、アーノルド・シュワルツェネッガーだ。
アーノルドもスライと競った事を認める。
どちらのナイフが大きく、銃が大きく、筋肉が大きいかで争った。
追いついても、スライはさらに上を行っていたとアーノルドは話す。
 「ロッキー3」と「ロッキー4」のロッキーは、スライとかけ離れていた。
ロッキーと言う枠組みの中で、最強のスライを見せようとした。
その結果、ドルフに殴られて死にかけ、ICUで目覚めた時には死んだかと思った。
 「ロッキー5」ではロッキーの生い立ちやルーツを描いた。
振出しに戻ってやり直せるかを考え、息子セイジを出演させた。
だが私情が入り過ぎ、観客には受けなかった。

 役者としての枠を広げようとするスライは、コメディに挑戦した。
「刑事ジョー ママにお手上げ」の企画にはアーノルドも関心を示したが、
スライが手に入れた。
だが、いい作品とは言えなかった。
 スライは、初心に戻る為には他の役者との交流が必要だと感じていた。
「コップランド」で内気で卑屈な、自身とは反対の役柄を演じ、
ロバート・デニーロと共演した。
デニーロの本気を引き出す為、スライはアドリブでイラつかせた。
その結果デニーロが応じてスライは満足したが、作品は正当な評価を得られなかった。
 「ロッキー6」は前作から19年ぶりの作品となった。
スライは、前作のままロッキーを終わらせたくなかったのだ。
プロデューサーは否定的だったが、スライは家族の死を乗り越える所を描きたかった。
妻の死で人生が欠けてしまったロッキーが描かれた。
スライの息子セイジが2012年に死去したのだ。
 「エクスペンダブルス」では、アクション俳優を集めて1つの作品に出演させた。
この作品には、過去のスターの今を観たい観客が集まった。
 スライは、子供時代が最悪だったと感じる。ロッキーのような父親がほしかった。
スライは、死ぬ数週間前に父親に会った。
父親は、人を愛して許せるようになれと話した。
娘たちを愛したくても、今からでは時間が圧倒的に少ないとスライは感じる。
 ロッキーとランボーは人生を含んでおり、スライはどちらにも共感している。
最新作でランボーは死ぬ事になっていたが、完成時には生きているように変更した。
彼らはいつまでも神秘的な存在であり、続けられる。
スライは希望を売るのが仕事であり、悲しい結末はごめんだと感じたのだ。

 と言う訳で、シルベスター・スタローンの人生を描いたドキュメンタリー。
全編、スタローンの語りが入っている事もあり、基本的に彼目線で
第三者目線の描かれ方ではない所が注意点。
アーノルド・シュワルツェネッガー、タリア・シャイア、
クエンティン・タランティーノ(映画マニアとして)のコメントもあるが
時間的には短めで、もっと多くの関係者を出しても良さそうな気がする。
「ロッキー」「ランボー」に時間を割いているのは当然としても
その他の作品の説明はあっさりした感じ。
例えば「クリフハンガー」なんて一言も出てこない。
出演作品それぞれに1コメントとかあるとよかったかな。

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