「キャプテン・フィリップス」(2013年米)を見た。
ボーンシリーズの他、ユナイテッド93を監督したポール・グリーングラス監督作品。
ボーンはもちろん、ユナイテッドでは実際にあった911のテロを、
これまた緊迫感あふれた演出で見せた。
前作グリーンゾーンは、フィクションにしては派手さが足らずいまいちだったが、
今回は実際にあったソマリアの海賊による事件を描いており、
ユナイテッドの出来を期待させられる。
主役の船長はトム・ハンクスで、
またアカデミー賞なんて話もあるくらいだから、見るしかない。
フィリップス 貨物船船長(トム・ハンクス)
ムセ 一味のリーダー
ビラル 一味の少年
ナジェとエルミ 一味
フィリップス船長は妻と車で移動。彼は貨物船船長で、今回も長い不在となるのだ。
一方、ソマリアの海岸では、
今日の仕事があるぞと男が言うと、参加したい連中が集まってくる。
まるで日雇い労働者を集めているようだが、実は海賊のメンバーを集めているのだ。
どうやら、ここでは日常的な光景と言う事らしい。
その様子を撮影するのは、グリーングラスお得意の揺れるカメラ。
最後までこれだったらキツいな(眼が疲れる)と思ったが、
気になったのはこのシーンだけ。
船長は貨物船に到着。今回は、アフリカの角と言われるソマリアを回るルート。
海賊が多い地区とあって、船長は警戒。海賊よけの柵に鍵がかかってないと指摘。
出航すると、ただちに海賊に襲われた想定の演習をしたりする。
そんな中、船長は貨物船に近づく2隻のボートがいる事に気付く。
スピードを上げたり、コースを変えても着いてくるので、海賊である事は間違いない。
海上保安庁みたいな所へ連絡。
受け付けられるが、たぶん漁船ですよと言う始末で、頼りにならない。
やむなく、海賊が傍受している事を承知で、海軍と通信するフリをする。
海賊が近づいており、武器はあるので撃退可能だが、念のため来てほしいと依頼。
それを軍が受けたと言う設定だ。これが効果あって1隻が退散。
もう1隻はあきらめないが、
貨物船がリミッターを外して全速を出したため、逃げられる。
一安心した船員たちに、よくやったとほめる船長。
だが組合関係の船員は、連中はまた来る、海賊と戦う給料はもらっていないと、
安全なルートで行く事を主張。
船長は、貨物の到着を遅らせる事はしたくない、
いやなら降りろと言ったため、結局船員たちは従う事に。
翌日、海賊のボートが再び現れる。
今度はエンジンを2つつけているので、昨日より速いと言う事らしい。
接近したボートに対し、放水したり蛇行したりするが、
一ヶ所ホースが違う方向を向いていたため、そこから接近。
発煙筒を撃ち込んだりするが効果なく、はしごをかけて4人の海賊が乗り込んでくる。
この事態に、船長は船内に放送。
海賊が乗り込んできたが、連中は船内の構造を知らないという強みがある。
照明を消して、隠れていろと指示。
事態が解決した場合は「食事の時間だ」と言う。それ以外の呼び掛けには答えるなと。
海賊は柵の鍵を銃で壊して簡単に侵入。ブリッジに乗り込んでくる。
船長がアイルランド系である事から、アイリッシュと呼び、
銃を突き付けたりして、身代金を要求すると言う。
船長は金庫にある3万ドルを渡すと言うが、海賊は300万ドルを要求。
以前、ギリシャの船を乗っ取り、100万ドル近く手に入れたと言うのだ。
彼らが漁師だと知った船長は、国で漁をしろと言うが、
大国が魚をさらってしまい、俺たちの魚は残っていないと言う海賊。
他にも船員がいるはずと、船内を探すと言い出す。
船長は時間稼ぎをしようと別の場所に誘導するが、
海賊はずばりエンジンルームを見たいと言う。
やむなく、エンジンルームは暑いから、水を取ってから行こうと、何とか時間を稼ぐ。
その会話を無線で聞いたエンジンルームの連中は、このままでは見つかると、
あわてて配電盤みたいな所へ行ってエンジンルームの電源を切り、真っ暗にする。
その際、船員は船長らにニアミス。
船長に着いてきた海賊の1人(少年)が裸足である事に気付く。
急いで戻った船員は仲間に知らせ、入り口付近に割れたガラスをばらまく事に。
作戦は成功し、少年はガラスをふんずけて負傷。
船長は真っ暗の室内には誰もいないと言うが、
もう1人の海賊(リーダー)は納得せず、探そうとする。
だが、少年は深手だったようで、騒いだものだから、
船長がブリッジへ連れていって治療する事に。
1人はエンジンルームに残るが、潜んでいた船員たちも、
1人なら何とかなると考えて取り押さえる。
無線でブリッジの海賊に連絡し、
人質となっている船長と、海賊のリーダーを交換する事に。
船員らの抵抗に動揺する海賊に対し、船長は3万ドルを渡すから、国へ帰れと言う。
乗ってきたボートは壊れただろうから、救命艇を譲ると言う。
海賊たちはこの話に乗る事にするが、
簡単に立ち去る訳ではなく、船長に案内しろと言う。
救命艇(カプセルみたいな船)に乗り込んだ船長は、操縦方法を教え、
貨物船に戻ろうとするが、海賊は救命艇を離脱させてしまった。
救命艇は航行するが、船長とはぐれまいと貨物船は追跡。やがて米海軍が到着する。
シールズとかが救命艇を捕捉したため、貨物船には立ち去らせる。
米軍は交渉を求めるが、海賊は再び高額な身代金を要求。
ソマリア人の通訳はすぐには無理だと言い、様子を見る事に。
救命艇の中は換気が悪く、暑い状態。
海賊たちは内輪もめしたり、船長に八つ当りしたり。
船長は少年の足を心配し、治療するが、思わしくない。
思い立った船長は、小便がしたいと言って外へ出ると、
海に飛び込み泳いで逃げようとする。
だが、軍もすぐには気づかず、結局海賊に捕まってしまう。
軍は、ソマリアの長老を呼んだので、
身代金の交渉のため、リーダーに戦艦まで来るよう要求。
海賊内部で罠だともめるが、リーダーは大金をせしめてくると乗り込む事に。
救命艇は曳航され、軍は救命艇に水などを差し入れ。
船長に服が濡れたろうと、赤いTシャツに着替えるよう指示。
普通のTシャツだと、海賊は船長に渡すが、これは明らかに軍が目印にするためだ。
救命艇にはマイクがつけられ、中の会話は筒抜に。
軍は船長に、家族に言いたい事はないか聞くと、
解決したらいつもの15番の座席に乗って帰る等と言う。
実は船長が座ってる席が15番なのだ。
これで船長の位置も把握し、軍は海賊を射殺する用意。
3人のスナイパーがそれぞれ海賊を狙う。
確実に捕捉すると、モニターが緑になるが、捕捉できないと赤に。
全員緑になるまで行動を起こすなと言う上官。
戦艦に到着したリーダーは、長老に会いたいと言うが、
なぜか足止めさせられ、状況がわからない。
軍が海賊を射殺する気だと考えた船長は、
少年に両手を挙げれば撃たれない等と話すが、少年には何の事か理解できない様子。
残る海賊はまたも内輪もめ。長老なんか来てない、だまされたんだと言い出す。
高まる緊張感の中、船長は近くにあった紙に遺言を書き始める。
危険だからよせと言う少年。
気づいた残る海賊が船長を立たせて、何してやがるとどなる。
一同激しく動いたため、3人とも赤の状態に。
緊張感が極まり、もう耐えられないと叫ぶ船長。その声は戦艦も捕らえていた。
救命艇内がやや落ち着き、3人が緑の状態に。
指令が出て、たちまち3人は射殺され、船長は彼らの血を浴びて血だらけに。
戦艦にいるリーダーは逮捕されるが、まだ事情がわかってない様子。
船長は戦艦に収容され、検診を受ける事に。だが、まだ放心状態だ。
看護士は体のあちこちを触るが、たいしたケガはしていない様だ。
体についた血を見て、これはあなたの血ですか?と聞くと、
違うと思うと答えつつ、緊張感がとけた船長は泣き叫ぶのであった。
その後、フィリップスは1年ほどで船長職に復帰し、
逮捕されたリーダーは30年の刑で収監された。
と言うわけで、この物語は、大きく3つのフェイズに分かれていた。
1は貨物船を乗っ取らせまいとする船長の奮戦。
2は貨物船を乗っ取った一味と船員の攻防。
3は救命艇に乗った一味と海軍の攻防。および人質にされた船長の奮戦。
見る前に予想していたのは1と2。3がウェイトを占めるはちょっと想定外だった。
ソマリア沖を航行するのは、海賊との戦いだと考えていた船長は、
海賊防止用の柵を確認したり、訓練したり警戒に余念がない。
ありがちな、ちょっと油断していた、と言う話ではないようだ。
一味はソマリアの漁師で、今日の漁に出る者を集める感覚で、海賊を募る。
グリーングラスお得意の揺れるカメラで、この後大変な事になりそうと予感させる。
最初2隻のボートで迫るが、船長が軍が近くにいるような演技をしたため1隻は退散。
だが、残り1隻の連中は諦めず、最終的に追いついてしまう。
一味(4人)はまずブリッジを制圧。
船長は3万ドル渡して退散させようとするが、
それでは足らないと引き下がらない一味と船員の攻防があり、一味の少年が負傷。
混乱する中、3万ドルを受け取り、救命艇で帰国すると言う、
船長のアイデアに乗ったかに思えた。
ところが、一味はここで船長を人質に取り、救命艇で貨物船を離れてしまう。
海賊にとってこれは最悪の決断で、ただちに米海軍が救命艇を包囲。
もはや誰の目にも、一味が射殺されるのは明らか。
そこにある選択肢は、船長も死ぬか否かだ。
一味もそれはわかっていて(認めたがらないが)、
自棄になれば船長を道連れにする可能性もある。
そんな中でも船長は、一味に同情的になっていて、
負傷した少年だけでも救えないか考える。
そんな船長の気持ちも知らず、一味は船長を脅し続けて、緊張感は最高に。
最終的に、一味は射殺され、船長は無事救出。
米海軍にとって最良の結果となるが、
船長にとっては必ずしも最良とは言えないものだった。
なるほど、この第3フェイズこそ、
本作の描きたかった部分であると言うのは理解できる。
ただし、ボーンシリーズみたいな攻防は2フェイズまでなので、
そういうのを期待していた向きには、ちょっと物足りない結末かも。
ボーンシリーズの他、ユナイテッド93を監督したポール・グリーングラス監督作品。
ボーンはもちろん、ユナイテッドでは実際にあった911のテロを、
これまた緊迫感あふれた演出で見せた。
前作グリーンゾーンは、フィクションにしては派手さが足らずいまいちだったが、
今回は実際にあったソマリアの海賊による事件を描いており、
ユナイテッドの出来を期待させられる。
主役の船長はトム・ハンクスで、
またアカデミー賞なんて話もあるくらいだから、見るしかない。
フィリップス 貨物船船長(トム・ハンクス)
ムセ 一味のリーダー
ビラル 一味の少年
ナジェとエルミ 一味
フィリップス船長は妻と車で移動。彼は貨物船船長で、今回も長い不在となるのだ。
一方、ソマリアの海岸では、
今日の仕事があるぞと男が言うと、参加したい連中が集まってくる。
まるで日雇い労働者を集めているようだが、実は海賊のメンバーを集めているのだ。
どうやら、ここでは日常的な光景と言う事らしい。
その様子を撮影するのは、グリーングラスお得意の揺れるカメラ。
最後までこれだったらキツいな(眼が疲れる)と思ったが、
気になったのはこのシーンだけ。
船長は貨物船に到着。今回は、アフリカの角と言われるソマリアを回るルート。
海賊が多い地区とあって、船長は警戒。海賊よけの柵に鍵がかかってないと指摘。
出航すると、ただちに海賊に襲われた想定の演習をしたりする。
そんな中、船長は貨物船に近づく2隻のボートがいる事に気付く。
スピードを上げたり、コースを変えても着いてくるので、海賊である事は間違いない。
海上保安庁みたいな所へ連絡。
受け付けられるが、たぶん漁船ですよと言う始末で、頼りにならない。
やむなく、海賊が傍受している事を承知で、海軍と通信するフリをする。
海賊が近づいており、武器はあるので撃退可能だが、念のため来てほしいと依頼。
それを軍が受けたと言う設定だ。これが効果あって1隻が退散。
もう1隻はあきらめないが、
貨物船がリミッターを外して全速を出したため、逃げられる。
一安心した船員たちに、よくやったとほめる船長。
だが組合関係の船員は、連中はまた来る、海賊と戦う給料はもらっていないと、
安全なルートで行く事を主張。
船長は、貨物の到着を遅らせる事はしたくない、
いやなら降りろと言ったため、結局船員たちは従う事に。
翌日、海賊のボートが再び現れる。
今度はエンジンを2つつけているので、昨日より速いと言う事らしい。
接近したボートに対し、放水したり蛇行したりするが、
一ヶ所ホースが違う方向を向いていたため、そこから接近。
発煙筒を撃ち込んだりするが効果なく、はしごをかけて4人の海賊が乗り込んでくる。
この事態に、船長は船内に放送。
海賊が乗り込んできたが、連中は船内の構造を知らないという強みがある。
照明を消して、隠れていろと指示。
事態が解決した場合は「食事の時間だ」と言う。それ以外の呼び掛けには答えるなと。
海賊は柵の鍵を銃で壊して簡単に侵入。ブリッジに乗り込んでくる。
船長がアイルランド系である事から、アイリッシュと呼び、
銃を突き付けたりして、身代金を要求すると言う。
船長は金庫にある3万ドルを渡すと言うが、海賊は300万ドルを要求。
以前、ギリシャの船を乗っ取り、100万ドル近く手に入れたと言うのだ。
彼らが漁師だと知った船長は、国で漁をしろと言うが、
大国が魚をさらってしまい、俺たちの魚は残っていないと言う海賊。
他にも船員がいるはずと、船内を探すと言い出す。
船長は時間稼ぎをしようと別の場所に誘導するが、
海賊はずばりエンジンルームを見たいと言う。
やむなく、エンジンルームは暑いから、水を取ってから行こうと、何とか時間を稼ぐ。
その会話を無線で聞いたエンジンルームの連中は、このままでは見つかると、
あわてて配電盤みたいな所へ行ってエンジンルームの電源を切り、真っ暗にする。
その際、船員は船長らにニアミス。
船長に着いてきた海賊の1人(少年)が裸足である事に気付く。
急いで戻った船員は仲間に知らせ、入り口付近に割れたガラスをばらまく事に。
作戦は成功し、少年はガラスをふんずけて負傷。
船長は真っ暗の室内には誰もいないと言うが、
もう1人の海賊(リーダー)は納得せず、探そうとする。
だが、少年は深手だったようで、騒いだものだから、
船長がブリッジへ連れていって治療する事に。
1人はエンジンルームに残るが、潜んでいた船員たちも、
1人なら何とかなると考えて取り押さえる。
無線でブリッジの海賊に連絡し、
人質となっている船長と、海賊のリーダーを交換する事に。
船員らの抵抗に動揺する海賊に対し、船長は3万ドルを渡すから、国へ帰れと言う。
乗ってきたボートは壊れただろうから、救命艇を譲ると言う。
海賊たちはこの話に乗る事にするが、
簡単に立ち去る訳ではなく、船長に案内しろと言う。
救命艇(カプセルみたいな船)に乗り込んだ船長は、操縦方法を教え、
貨物船に戻ろうとするが、海賊は救命艇を離脱させてしまった。
救命艇は航行するが、船長とはぐれまいと貨物船は追跡。やがて米海軍が到着する。
シールズとかが救命艇を捕捉したため、貨物船には立ち去らせる。
米軍は交渉を求めるが、海賊は再び高額な身代金を要求。
ソマリア人の通訳はすぐには無理だと言い、様子を見る事に。
救命艇の中は換気が悪く、暑い状態。
海賊たちは内輪もめしたり、船長に八つ当りしたり。
船長は少年の足を心配し、治療するが、思わしくない。
思い立った船長は、小便がしたいと言って外へ出ると、
海に飛び込み泳いで逃げようとする。
だが、軍もすぐには気づかず、結局海賊に捕まってしまう。
軍は、ソマリアの長老を呼んだので、
身代金の交渉のため、リーダーに戦艦まで来るよう要求。
海賊内部で罠だともめるが、リーダーは大金をせしめてくると乗り込む事に。
救命艇は曳航され、軍は救命艇に水などを差し入れ。
船長に服が濡れたろうと、赤いTシャツに着替えるよう指示。
普通のTシャツだと、海賊は船長に渡すが、これは明らかに軍が目印にするためだ。
救命艇にはマイクがつけられ、中の会話は筒抜に。
軍は船長に、家族に言いたい事はないか聞くと、
解決したらいつもの15番の座席に乗って帰る等と言う。
実は船長が座ってる席が15番なのだ。
これで船長の位置も把握し、軍は海賊を射殺する用意。
3人のスナイパーがそれぞれ海賊を狙う。
確実に捕捉すると、モニターが緑になるが、捕捉できないと赤に。
全員緑になるまで行動を起こすなと言う上官。
戦艦に到着したリーダーは、長老に会いたいと言うが、
なぜか足止めさせられ、状況がわからない。
軍が海賊を射殺する気だと考えた船長は、
少年に両手を挙げれば撃たれない等と話すが、少年には何の事か理解できない様子。
残る海賊はまたも内輪もめ。長老なんか来てない、だまされたんだと言い出す。
高まる緊張感の中、船長は近くにあった紙に遺言を書き始める。
危険だからよせと言う少年。
気づいた残る海賊が船長を立たせて、何してやがるとどなる。
一同激しく動いたため、3人とも赤の状態に。
緊張感が極まり、もう耐えられないと叫ぶ船長。その声は戦艦も捕らえていた。
救命艇内がやや落ち着き、3人が緑の状態に。
指令が出て、たちまち3人は射殺され、船長は彼らの血を浴びて血だらけに。
戦艦にいるリーダーは逮捕されるが、まだ事情がわかってない様子。
船長は戦艦に収容され、検診を受ける事に。だが、まだ放心状態だ。
看護士は体のあちこちを触るが、たいしたケガはしていない様だ。
体についた血を見て、これはあなたの血ですか?と聞くと、
違うと思うと答えつつ、緊張感がとけた船長は泣き叫ぶのであった。
その後、フィリップスは1年ほどで船長職に復帰し、
逮捕されたリーダーは30年の刑で収監された。
と言うわけで、この物語は、大きく3つのフェイズに分かれていた。
1は貨物船を乗っ取らせまいとする船長の奮戦。
2は貨物船を乗っ取った一味と船員の攻防。
3は救命艇に乗った一味と海軍の攻防。および人質にされた船長の奮戦。
見る前に予想していたのは1と2。3がウェイトを占めるはちょっと想定外だった。
ソマリア沖を航行するのは、海賊との戦いだと考えていた船長は、
海賊防止用の柵を確認したり、訓練したり警戒に余念がない。
ありがちな、ちょっと油断していた、と言う話ではないようだ。
一味はソマリアの漁師で、今日の漁に出る者を集める感覚で、海賊を募る。
グリーングラスお得意の揺れるカメラで、この後大変な事になりそうと予感させる。
最初2隻のボートで迫るが、船長が軍が近くにいるような演技をしたため1隻は退散。
だが、残り1隻の連中は諦めず、最終的に追いついてしまう。
一味(4人)はまずブリッジを制圧。
船長は3万ドル渡して退散させようとするが、
それでは足らないと引き下がらない一味と船員の攻防があり、一味の少年が負傷。
混乱する中、3万ドルを受け取り、救命艇で帰国すると言う、
船長のアイデアに乗ったかに思えた。
ところが、一味はここで船長を人質に取り、救命艇で貨物船を離れてしまう。
海賊にとってこれは最悪の決断で、ただちに米海軍が救命艇を包囲。
もはや誰の目にも、一味が射殺されるのは明らか。
そこにある選択肢は、船長も死ぬか否かだ。
一味もそれはわかっていて(認めたがらないが)、
自棄になれば船長を道連れにする可能性もある。
そんな中でも船長は、一味に同情的になっていて、
負傷した少年だけでも救えないか考える。
そんな船長の気持ちも知らず、一味は船長を脅し続けて、緊張感は最高に。
最終的に、一味は射殺され、船長は無事救出。
米海軍にとって最良の結果となるが、
船長にとっては必ずしも最良とは言えないものだった。
なるほど、この第3フェイズこそ、
本作の描きたかった部分であると言うのは理解できる。
ただし、ボーンシリーズみたいな攻防は2フェイズまでなので、
そういうのを期待していた向きには、ちょっと物足りない結末かも。