映画「ナルニア国物語-第一章-ライオンと魔女」を観ました。
ネタバレにならない程度に感想を...とも思ったのですが、あちこちでレヴューがアップされているので、私はこの物語にまつわる思い出話をば...。
私が「ナルニア国物語」に初めて出会ったのは小学校1年の頃、英語教室の先生の自宅の本棚でした。
クラス開始時間前に教室(先生の自宅)に着いた子供たちは、クラスが始まるまで別室で本を読みながら待つように言われていたのです。
本棚には色々な児童図書がありましたが、その中でも特にこの「ライオンと魔女」、そしてもう一冊「魔術師のおい」というタイトルに心惹かれて手にとったことをよく覚えています。
多分「魔女」とか「魔法使い」といったものに興味があったのではないか、と(笑)。
当時このナルニア国シリーズの中で読んだのは上記の2冊だけだったと記憶していますが、本読みたさに早めに教室に行ったものでした。
ナルニア国シリーズ全7巻を読んだのは社会人になってからでした。
クイーン・ファンならご存知だと思いますが、ブライアン・メイが好きな作家としてこのCSルイスを挙げていたので...読もう読もうと思いつつも後回しになっていたのでした
高校時代に「指輪物語」を読み、その後リチャード・アダムスの「ウォーターシップダウンのうさぎたち」やピアズ・アンソニーの「魔法の国ザンス」シリーズを愛読していた私にとってこの岩波少年文庫は正直読みづらく、子供向けに書かれた本は小学生の頃にちゃんと全部読んでおくべきだったと痛感しました。
もちろん内容は英国ファンタジーの香りプンプンのとても面白いものなのですが、いかんせんひらがなが多すぎて...
クイーン・ファンの私が最初に読んだ「メンバーの愛読書」はヘッセの「ガラス玉演戯」でした。
ブライアン・メイが愛読書として挙げていたからです。
小学校だったか学習塾だったかでヘッセの小作品を授業で読んだことはありましたが...中学生がいきなり「ガラス玉演戯」を読んだのは無謀でした(苦笑)。
理解できないながらもその中に見える厳しさと優しさに強く惹かれ、出版されているものを片っ端から読み漁り、「荒野の狼」を読む頃にはヘッセを「心の師」と仰ぐまでになりました。
ヘッセの小説の中には私には難解なものもあります。
ロンドンの英語学校に留学中、ユーゴから留学中の大学生マルコとヘッセの話で意気投合したのですが、彼も「ガラス玉演戯」や「シッダールタ」は難しいと言っていました。
私が「5ページ読み進んで、わからなくなって2ページ位戻って読み直す、を繰り返した」と話すと、「どこの国の人でも同じなんだねー(笑)僕もまさにそうやって読んだよ」と言われて「よかった!私だけじゃなかったんだ!」とヘンな安心感を抱いてしまったこともありました(笑)。
今でも私がいちばん好きな小説家・詩人はヘッセで、愛読書はヘッセの「荒野の狼」です。
ヘッセに出会えたことでもブライアンに感謝しています。
ロジャーの愛読書「路上byジャック・ケルアック」も読みましたが、これはあまりピンときませんでした。
他にも、誰のオススメだったかは忘れましたが「彼方byJKユイマンス」やら「うたかたの日々byボリス・ヴィアン」「魔術師byジョン・ファウルズ」「猫のゆりかごbyカート・ヴォネガット」等々、たとえ本来の自分の趣味とは違うものでもとりあえず読んでみました。
一時期はアレイスター・クロウリーに興味を持って国書刊行会発行の「世界魔法大全」などというモノまで買ってしまいました...が、これは読まずに古本屋行き(爆)。
これらは皆、聴いていた音楽の影響です。
そういえば「指輪物語」も、ツェッペリンの「Stairway To Heaven」がらみで読み始めて嵌っちゃって、アニメ映画も観たし、北欧のキーボード奏者BO HANSSONのアルバム「LORD OF THE RINGS」を探しに新宿レコードまで行ったりしましたっけ...。
音楽を音楽として受け取るだけでなく、こうして世界が広がっていったことは、自分にとってとてもプラスになっていたと思います。
ナルニアから話がかなりそれてしまいましたが...
映画はさすがディズニー、(良くも悪くも)毒気が全くと言っていいほどありませんでした。
映画を観る時、自分も参加している気分になるものと、全く傍観してしまうものがありますが、私は登場人物の教授が子供の話を聞いているのと同じ気分でこの映画を楽しみました。
この物語自体がそういう設定で書かれたであろうことは別として...受け取り手が子供なら自分が主人公になった気分で楽しめるのかな、と。
やはりこういうお話はちゃんと子供の頃に接しておいた方がいいと思うので、お子様にはオススメです。