旅のウンチク

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ナマズを食べる

2018年02月26日 | 旅行一般
ナマズを食べる
ナマズを食べる

 数日前の事。私がE&Gの空き時間に時々(というか結構頻繁に)副業(?)しているとある厨房で、ベトナムからはるばるやってきたナマズの切り身が調理されていました。実はスーパーでも”白身魚”の冷凍として店頭に並んでいることもあるこの魚の身、結構きれいな白身なのですが、ナマズであります。

 日本ではあまりメジャーではありませんが世界的にはナマズはけっこうメジャーな食用魚で、東南アジアでは魚はナマズか雷魚が主体ですし、アメリカの南部でもナマズのフライを食べるエリアがあります..ただ、アメリカでは”貧乏人の食べ物”的な地位でもある感じですが。

 実は私の故郷の滋賀県の一部では”ナマズを食べると下の病気を患う”という言い伝えがあるようで、釣り好き少年だった私はこれを祖母から聞かされたものでしたが、それでもナマズの仲間のギギという魚はかば焼きにして食べられていましたし、クセがなくておいしい魚だと思います。サンマやサバを焼いたときみたいな何日も台所に残る、独特の匂いもありませんし、ある意味、特に嫌いになるほどの個性も無い魚だと言えます。

 さて、ナマズの肉の話、先に挙げた厨房での話。

 ナマズの肉を調理しながら、調理師さんが私に話しかけます。”この頃ではナマズ肉もスーパーの冷凍コーナーに並んでるよね”。
 
 答えて私。
 ”フィーレになっているんじゃなくて、ナマズ1匹そのまま並んでてほしいですよね。”
 調理師さん
 ”いやそれじゃあ絶対買わないでしょ”
 私
 ”そうかなぁ。ウナギみたいに見た目気味が悪くもないし、第一、ナマズってなぜかいつも笑顔でしょ?”

 調理師さん
 ”確かにナマズって笑顔だな。でも普通は食べたくないでしょ。”

 周りにいた調理補助の女性陣も口をそろえて”ウナギよりナマズの方が気味が悪い”と。ただ、ナマズがなぜかいつも笑顔である事だけは皆さん合意してくれたのでした。

 私
 ”ニュージーランドからレンタルバイク屋の夫婦が来日したとき、浜松に行ったと言ってたからウナギを食べたか聞いたら、そんな気味の悪いもの食べるわけないだろう”と言ってましたよ。”

 と少し挑戦してみたものの、この会話、旅した事のない人との会話と割り切る段階に達したことを悟った私はナマズが笑顔である点だけで笑いを取って適当に終結させたのでありました。

 日本でも普通にナマズを食べる地域がありますし、埼玉県でナマズの天ぷらを食べた時は”なんて上品な味の魚なんだ”と感動したものです。切り身を見ても、透き通るような白身。見た目も笑顔。それと比べればウナギはほぼヘビ。どちらが気味が悪いかと言えばウナギじゃないのかなぁ。

 いつの頃からか、旅した事のない人と話す際の引き際を覚えた私。少し大人になった自分を意識しながら、海外に行ったことはあるけれど旅した事がない人を毎度残念に思うわけなのでありました。

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 2018年3月9日は第7回旅行好きの夕べ
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