旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

日記のススメ

2007年05月11日 | 旅行一般
最近、このブログの更新頻度を上げるにあたってやり始めた事があります。日記をつける事です。そしてそれをきっかけに思い出したのが旅行中の日記について。

旅するようになった頃の私は毎日日記をつけていたわけではありませんが、旅行中は必ず日記をつけるようにしていました。日記帳を持って歩いていたわけではなく、B5サイズのノートを半分丸めてウエストバッグに入れていて、そこにその日あった事や知った事、出会った人、考えた事、それから乏しい旅行資金をどう割り振るかなどを毎日記録していたのです。

これには様々な効用があって、例えば夕食の後で軽くビールでも飲みながらノートに日記をつけていると、私がノート上に書いている謎の文字を珍しがった人に話しかけられて、人との接点を増やす役割を果たしたりもしたもので、専ら人目につく場所で書いておりました。日本語がたいていの人には読めない事がこんな時に役に立つのですが、もしかするとタテ書きすればもっとインパクトがあったかもしれないと今気がつきました。

その日にあった事などを書いていると、その出来事があった時に自分が感じた事や考えた事がもう一度甦ってきたり、その時は意識していなかったけれど感じていた事、無意識に考えていた事を認識する事ができたりして、自分の感受性を高め、無意識に感じた事をもう一度考え直したりする事もできます。そして、無意識に感じ、考えた事がいかに多く無意識に忘れられていくかもわかって、日記をつけないのはもったいないと思えるようになりますので一度試してみてください。

日記がなかなか書けない人のために、簡単に書ける書き方をご紹介しておきましょう。これは過去の旅行中というよりも最近、私が採用している方法です。

まず、私が旅行中に使っていたB5ノートのような大きさは必要ありません。私が今使っているのは写真のような小さなメモ帳で、この小ささが日記を続けるのに役に立ちます。B5ノートだと1ページを埋められず、白紙が目立ってそのうち嫌気がさしてくるかもしれません。日記帳のブランドなどにも私はこだわっていませんが、このあたりにこだわりを持っている人もいるようで、私のように適当に選んでいるよりも、統一したメモ帳を使っていれば、何冊もになってきた時には格好が良いと思います。ただ、あまり高価なものだと気が引けて、書きちらかすような使い方で気がとがめそうな気もします。

さて、日記を書くために新しいページを広げたら、その日に起こった事を順番に箇条書きでも良いので書き出してみます。おそらくそれでほとんど1ページは埋まると思います。この時、このページにはその日の記録だけを記す事に専念するのが良いと思います。ここに自分の感想も書こうとすると、「○○した。楽しかった」というような小学生みたいな文章を羅列する結果になって、イヤになる原因となるかもしれません。

さて、一通りのその日の出来事を書いたら、それを眺めてみましょう。その出来事があった時に自分が感じた事、考えた事が甦ってくると思います。甦ってくるものがなければ、その日の日記はそれで終わり。何か思い出したら、記録のページにまだスペースが余っていたとしても一度ページを変えて、その思い出した事について新しいページに書き込んでいきます。思い出した事がいくつかあったら、その都度ページを変えて、それぞれに新しいページに書いていきます。こうやって1日に何ページかの日記を書く事ができます。人間の記憶というのは面白いもので、きっかけを与えてやると、それが引き金になって、どんどんと記憶が甦ってくるものです。最初に書く記録のみのページはその引き金として作用するわけです。

ちなみに私の経験では、将来的に記録ページがデータとして役に立つ事はほとんどありませんので記録魔になる必要はありません。それから、日記を後で見返す事もまずありません。むしろ、そこで感じた事、考えた事を無意識のままに放置せずに、一度意識できる所に持ってくるという作業が将来的に自分が何かを感じたり考えたりする時に役に立ったり、感受性を高めたりしてくれるのだと思います。

最初は記録のページだけで終わる事も多いかもしれませんが、慣れてくると1日に4~5ページの日記が書けるようになります。

たまに日記を書いている旅行者で上手なイラストや風景画を盛り込んでいる方を見掛けます。そういう日記を書ける方をいつも羨しく思い、いつかそんな事ができるようになってみたいなと思い続けています。


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