レンタル版はパッケージが違っていて、主演のペ・ドゥナのアップ。
そんなジャケットに惹かれて借りてみた。
証券会社に勤めるヘジュ以外は定職に就かず、実家の風呂屋を手伝ったり、日々の生活に疲れたり、道ばたでアクセサリーを売ったり。
ヘジュも高卒のため単なる雑用係。
それぞれにやりたいことがあるようなのだけどうまくいかない。
高校生の時にはあんなに仲良しで楽しかったのに、社会に出てみるとなんだかぎこちなくなり…という展開(ま、原因はヘジュなのだけれど)。
男尊女卑とか社会の底辺みたいなところも描かれていて、なかなかヘビー。
恋愛色も薄くて、大騒ぎする女の子たちを描きつつも、浮ついたところの少ない青春劇。
最後、テヒとジヨンは旅に出るのだが、「カッコーの巣の上で」のラストシーンと重ねちゃうのは…ちょっと無理があるかな。
監督:チョン・ジェウン 2001年 韓国映画
とっても面白いコメディ。
細かいところに違いはあるけれど、ストーリーはほぼオリジナル版「Shall we ダンス?」を踏襲する作り。
多くの人が指摘しているだろうけど、大きく違うのはリチャード・ギア演じる主人公の妻が、キャリアウーマンで、なにやら大きくクローズアップされているところ(あとジェニロペの二の腕が草刈民代と違ってかなり立派なところとか)。
正直、主人公の満ち足りた中で感じる不安とか、何かが足りない感じとかってのにはまだ共感できない。だから表面上の動きやセリフから引き起こされる笑いでしか、この映画を楽しむことができないのだけど、それでも十分。
そして魅力的な登場人物。オリジナルの渡辺えり子になんだかそっくりなリサ・アン・ウォルター。竹中直人ばりにラテンを踊るスタンリー・トゥッチ。ダンス教室の先生役のアニタ・ジレットも草村礼子に似て見える。
うーん、なんだかみんなオリジナル版にそっくり。それだけ周防さんのキャラクター造形(と俳優たち)が素晴らしかったってことなのかな(原日出子とスーザン・サランドンはまるっきり違うけど)。
面白い。笑える。そしてみんな幸せになる。
監督:ピーター・チェルソム 原作:周防正行 2004年 アメリカ映画
細かいところに違いはあるけれど、ストーリーはほぼオリジナル版「Shall we ダンス?」を踏襲する作り。
多くの人が指摘しているだろうけど、大きく違うのはリチャード・ギア演じる主人公の妻が、キャリアウーマンで、なにやら大きくクローズアップされているところ(あとジェニロペの二の腕が草刈民代と違ってかなり立派なところとか)。
正直、主人公の満ち足りた中で感じる不安とか、何かが足りない感じとかってのにはまだ共感できない。だから表面上の動きやセリフから引き起こされる笑いでしか、この映画を楽しむことができないのだけど、それでも十分。
そして魅力的な登場人物。オリジナルの渡辺えり子になんだかそっくりなリサ・アン・ウォルター。竹中直人ばりにラテンを踊るスタンリー・トゥッチ。ダンス教室の先生役のアニタ・ジレットも草村礼子に似て見える。
うーん、なんだかみんなオリジナル版にそっくり。それだけ周防さんのキャラクター造形(と俳優たち)が素晴らしかったってことなのかな(原日出子とスーザン・サランドンはまるっきり違うけど)。
面白い。笑える。そしてみんな幸せになる。
監督:ピーター・チェルソム 原作:周防正行 2004年 アメリカ映画
僕が以前大学の先生が開いた鑑賞会で観た黒澤作品は東宝だけで、おそらく黒澤明が亡くなってしばらくして東宝からビデオのセットが出たのだろう、そのうち「生きる」から「赤ひげ」の会に参加して、まぁ必要かつ十分なところだと思っていて、おそらくそんなに間違っていないんだと思う。黒澤作品が(そして日本の映画が)エンターテインメントとして最も優れていた時代で、実際面白い映画が多いから。
これで満足しておけばいいんだろう。僕は別に黒澤明の信奉者でも研究家でもないんだから。
ただ、「羅生門」がなければ、後の黒澤は存在できなかったという友達もいて、確かに国際的に認められたってことは、後の作品を製作するためにも大事なことだっただろう。
原作は芥川龍之介の「藪の中」。
藪の中で死んでいる男とその妻、男を殺した盗賊・多襄丸。それを目撃した木こり(杣売)。
役人に捕まった多襄丸、妻、殺された男(が乗り移った巫女)がそれぞれ事件について語っていくが、それぞれに言い分が異なり、それぞれが自分が殺したと言い張る(死んだ男に至っては自害したと言う)。
原作はここまでで、真相は藪の中。が、この映画では続きが描かれる。木こりの目撃談だ。
単なる死体の第一発見者であった木こりは、実は事の始終を見ていた。
そこで描かれるのは、先の証言にあったようなそれぞれが己を美化したやりとりではなく、自分勝手で、ちっとも格好良くない、震える手に持つ刀での斬り合い(ともいえないような)、一言で言えば人間くさいやりとりだ。
実際に見ていない旅法師はともかく、木こりはすべてを見ていながら、はじめに「わかんねぇ。」とつぶやく。出来事がわからなかったということではなく、自分勝手な人間という存在がわからない、信じられないということなのだろう。
そして、その木こりすら、ウソではないが、真実を語っていなかった。すべてが自分勝手で信じられない人間たち。
ラストシーン、それを覆そうとする。徹底的に人間の存在を落とし込んだ割にはあっさりしすぎているような気がするけど、志村喬の表情はいいよ。
太陽の光を顔に当てるような演出とか、モノクロだからかなり活きている。
面白おかしい映画ではない。「人間」を描いた芸術的な映画かな。
監督:黒澤明 1950年 ベネチア国際映画祭金獅子賞
最近黒澤明を観直しているのだけど、「椿三十郎」とか「羅生門」とかレンタル中なのよねー。
タイミング悪し。まぁ現代劇も面白いのだ。というわけでコレを借りてみた。
高台の豪邸に住む製靴会社の常務権藤(三船)。株を買い占め、会社乗っ取りの目前、息子と間違われて運転手の息子が誘拐され、買収資金に匹敵する大金を身代金として要求される。
はじめは突っぱねる権藤。
財産のすべてをかけて、出世のため、自分の作りたい靴をつくるために必至で貯めた金を他人のために出したものか、その葛藤と特急を使った身代金の受け渡しまでを描くのが前半。
刑事たちが死にものぐるいで犯人を追いつめていくのが後半。
このままでは誘拐の15年にしかならない。死刑にしなければと証拠不十分だった殺人を再現させてしまうのはいかがなものかという感じだが、これは時代のなせるわざか。
モノクロだが、犯人が居場所を示してしまう場面に一部カラーが使われる。
このシーン、「踊る大捜査線theMovie」で青島刑事が「『天国と地獄』だ…」とつぶやくシーンに引用されてる。
最後のシーン。もっとガーーンという感じで終わっていたと記憶してたけど、案外引きずる感じだった。なんだか、こう、人間くさい感じ。
監督:黒澤明 1963年
<関連リンク>
Ahaha堂おばはん本舗「天国と地獄」