中央公論12月号(中央公論新社・800円)
これまで立ち読みもしたことないけど、山田昌弘の短い論文と岡部幸雄インタビューが載ってたので買ってみた。
山田先生はパラサイトシングルで名を上げた家族社会学者。今回は「非婚社会」が特集だったのでご登場(あるいは持ち込みか?)。
今回の論文というかエッセーのタイトルは「結婚難に陥る男の事情、女の本音」。
そこで山田先生があげる未婚者増の原因は以下のようなもの。
1.女性が、結婚後、男性(夫)に家計を支える責任を求める傾向が強い。
2.若い男性の収入は減っている。
3.結婚生活に求める生活水準が高い。
高い生活水準、経済的な力を持つ男性を求めるものの、男の収入は減る一方。
結婚したくなるイイ男は少ない。経済力のない男は結婚相手としてみなされない。少ない金持ちの奪い合い。あぶれた女性は結婚できない。下層男性は結婚したくても相手にされない。
よって未婚者が増える、という理屈。
女性がそうした意識を持っているのかどうかは知りもしないが、それは僕にも実感できたことだ。僕だって結婚することに吝かではないが、今の生活水準を落としたくもないし、かといって将来の収入に希望があるわけでもない。その気概もない。僕の父親の頃ならばなんでも右肩上がりで、はじめは四畳半でもいつかは…なんて希望もあったろうけど、今じゃとてもとても。親元で可処分所得を使い切る生活を止められるはずがない。
だったらダブルインカムでと思うけど、せっかくなら収入がいい女性がイイじゃない、それなら。専業主夫になりたいよ、オレも(だけど収入の多い女性を捜すのは、その逆より難しいよな、今でも)。
家事は頑張らなきゃいけないけど、それさえやってしまえばあとは本読んで暮らせるわけでしょ。ぜったいそっちがいい。やっぱりなりたい専業主夫。
問題は「養われる」僕の自尊心。「女に養われてる自分」とどう折り合いをつけるかだけど、「あえて主夫してる社会的マイノリティのオレ」を頼りに行くしかないか。
そう考えると主婦の人たちってどうやって自分を保ってるんだろう。家事?子ども?強いなー女の人って。
さて、山田先生が提出する対策はというと、収入は上げられないし、今更生活水準への期待も下げられない。よって経済的な責任を男性に求める意識を女性が変えるしかない、という。そのために女性が働きやすい環境を整えるべきだと。
意識を変えるのもなんか難しい気がするけど。まぁ男女ともに働きやすい環境を整えるのはいいことかも。一方的に経済性を求められているらしい男としては、男だろうが女だろうが働きたい人間が働ける環境になっていくのは悪い話じゃないからね。是非相対化されてほしいよ。