電脳馬牧場-Electric Ranch

カタログ人間による本,映画,ジャズ,古本屋巡り,ニュース拾い

シンシティ SIN CITY (トラブルメーカースタジオ・ギャガ・2005年)

2005-10-21 10:19:36 | 映画・ドラマ
「チャーリーとチョコレート工場」に続いてこれまた判断の難しい映画。
A級、B級の話でいくと、こちらはB級っぽいA級半って感じ。
タランティーノのキル・ビルがB級っぽくてやっぱりB級なのと似てるような似てないような。

このテイストは…とパンフをたぐってみると、でたー!監督がロドリゲスじゃんか。
それでタランティーノがゲスト監督なわけね。ちょっと納得。
ただ、「レジェンドオブメキシコ」に比べると馬鹿馬鹿しさがたりなくて、A級っぽい仕上がりになっている。そこがちょっと不満。
(っていうか、A級とかB級ってなんなんだよ)

フランク・ミラーの人気アメコミを原作にしたバイオレンス映画。オムニバスと言えなくもないけど、ほぼ同時期のシンシティという一つの街を舞台に、一部の登場人物をダブらせながら主に3編の物語が描かれる。核にあるのはシンシティという街、世界観で、たしかに格好いいんだけど、これが例えばスターウォーズの世界観と同様の人気をえられるかは、正直びみょーに思えるけど。

結構描写がえげつないので、「たとえ画面上でも痛そうなのは勘弁」というかたはやめといたほうが無難かも。


公式サイト


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和田アキ子「free Soul」(テイチク・2004年)

2005-10-15 09:24:01 | JAZZ・音楽


ダサカッコイイって評価のしかたがあるのかどうかは知らないけれど、最近の(準)メジャーなところで言ったら、サンボマスターとかクレイジーケンバンドとか、単純にカッコイイわけじゃなくてちょっとズラしたようなカッコよさみたいなのがあるんじゃないかと思う(ファンには怒られそうだけど)。
車のオーディオで外に漏れるほどの大音量で聞いていて、やっぱりちょっと恥ずかしいかな?と思う瞬間があるアーティスト。
フュージョンとかマジェスティとかから聞こえてきたら、「あれ?」って思っちゃうようなやつ。

上述の旬なアーティストはともかく、どうしても今のテレビのイメージとか、70年代で歌謡曲くささが強いみたいなのがあって、和田アキ子となるとダサ9:カッコイイ1くらいで、カッコイイ!というにはちょっと気が引けてしまうけど、それでも僕はカッコイイ!と主張させていただくわけであります。

R&Bって結局なんなのかよくわかんないけど、日本ではそのジャンルで一線を走っていたらしいころのアッコの歌はガツンとくる。このアルバムはピチカートファイブの小西さんの選曲で、ピチカートの曲がカバーされてたりするんだけど、言われてみればピチカートっぽいくらいのもので、アキ子節全開。

歌が入ってるアルバムってあんまり持ってないけど、サラ・ヴォーンと同じくらいお気に入りで、ちょっと周りを気にしつつ、大音量で聴いている昨今です。

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当たり前といえば当たり前

2005-10-10 15:45:36 | つぶやき
もちろん僕みたいなのが書いているブログへのアクセス数ってのはたいしたことないんだけど,ちょっと驚いたのが,アルスラーン戦記の書評で,これを書いた後,しばらくアクセス数が倍とかになった。アルスラーン戦記への記事を探している人が結構いるのだ。

やっぱり書評を書くにしても売れる本について書くべきで,もっと今どきの話題について,センセーショナルなことを書くべきなのかしら。

しかし,それでアクセス数増えたからといってどうなるのって根本的な問題が残るのだけれど。
自己満足?それもいいけどね。

「靖国問題」(ちくま新書・2005年)読了!

2005-10-01 13:25:32 | 読了日記
オンライン書店ビーケーワン:靖国問題

高橋哲哉「靖国問題」(ちくま新書・2005年)読了!

つい先日も小泉首相による靖国参拝に対して違憲判決が出ていたけれども、僕は何となしに、一国の首相が特定の宗教法人に利する行為を行うのは憲法違反なのではないかと考えてる。もちろん、小泉さんが何を信じるのかは自由だということも一方にあって、何か説得力のあるロジックがあれば、案外、僕はすんなりと靖国参拝賛成へと転向してしまうのではないかとも実は思っていたりする。
でも、小泉さんが宗教としての神道なり、靖国なりに、確固たる信念を持っているのかどうかってのがよくわからなくて、持ってるなら悩むし、持ってないなら、別にそんなにこだわらなくてもいいのになとも思う。まぁ事はそんなに単純なものではないんだろう。

さて、最近は特に中国、韓国における反日感情の高まりや行動が盛んになっている(と伝えられている)中で、日本における対中国、対韓国、そして国内の親中、親漢への反発ってのが強まっているように受け取れる。

その一つのシンボルと言えるのが首相の靖国参拝問題で、中国、韓国がとやかく言うのはけしからんとか、それはともかく、反発を招くのは分かり切ってるのになんであえて参拝するのさ、みたいな意見が右からも左からも多数。

高橋哲哉氏による本書は、戦没者顕彰施設たる宗教法人の靖国神社を批判的にとらえるにのみならず、じゃぁ靖国神社でなければ、非宗教の追悼施設ならいいのか、問題あるんじゃないの?というところまで論じていく。

靖国神社での顕彰によって、夫や父、息子を亡くした「悲しみ」を「喜び」へと転換させる「感情の錬金術」ってあたりはネーミング(とロジックに)になるほどと思うし、神社の非宗教化は非宗教であるがゆえに、特定の宗教を越えて国家への統合を図る装置となりうる危険性などなど、いろいろ僕にとっては目新しい視点があってなかなか面白かった。

中国や朝鮮半島への感情も絡んで、実際以上に複雑になっている靖国問題の解決はそう簡単にいきそうもない。ただ、この問題を必要以上に単純化するのもそれはそれで怖い気がするのだ。論点や条件付けがいろいろとあるのだろうけど、新書である本書は、僕らの素朴な感情を煽るだけの論からは一歩引いて、考えるための格好のとっかかりとなるんじゃないだろうか、と思うのです。


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