最近黒澤明を観直しているのだけど、「椿三十郎」とか「羅生門」とかレンタル中なのよねー。
タイミング悪し。まぁ現代劇も面白いのだ。というわけでコレを借りてみた。
高台の豪邸に住む製靴会社の常務権藤(三船)。株を買い占め、会社乗っ取りの目前、息子と間違われて運転手の息子が誘拐され、買収資金に匹敵する大金を身代金として要求される。
はじめは突っぱねる権藤。
財産のすべてをかけて、出世のため、自分の作りたい靴をつくるために必至で貯めた金を他人のために出したものか、その葛藤と特急を使った身代金の受け渡しまでを描くのが前半。
刑事たちが死にものぐるいで犯人を追いつめていくのが後半。
このままでは誘拐の15年にしかならない。死刑にしなければと証拠不十分だった殺人を再現させてしまうのはいかがなものかという感じだが、これは時代のなせるわざか。
モノクロだが、犯人が居場所を示してしまう場面に一部カラーが使われる。
このシーン、「踊る大捜査線theMovie」で青島刑事が「『天国と地獄』だ…」とつぶやくシーンに引用されてる。
最後のシーン。もっとガーーンという感じで終わっていたと記憶してたけど、案外引きずる感じだった。なんだか、こう、人間くさい感じ。
監督:黒澤明 1963年
<関連リンク>
Ahaha堂おばはん本舗「天国と地獄」