今回は、「染付 牡丹唐草文 小皿」の紹介です。
これは、3日前の4月16日(日)に、骨董市で買ってきたものです。
なお、この小皿は、売っていたときは、汚れが酷く、真っ二つに割れていたのですが、買ってきたから、漂白剤の中に漬けて綺麗にし、割れ部分を接着剤で接合したものです。
表面(接着剤での接着後)
全体的にかなり歪んでいます。
側面(接着剤での接着後)
かなりの歪みがみられます。
裏面(接着剤での接着後)
この小皿は、骨董市では、次のような状態で売られていました。まるで、二つの陶片が売られているような状態ですよね(~_~;)
左:陶片A 右:陶片B
陶片Aの表面
陶片Aを断面が見えるように立てたところ
陶片Aの断面の拡大
素地に不純物が入っていることがわかります。
不純物が入った所は強度が弱いためか、衝撃を受けた時に
そこを中心に割れたことが分かります。
陶片Aの裏面
陶片Bの表面
陶片Bの断面の拡大
素地に不純物が入っていることがわかります。
不純物が入った所は強度が弱いためか、衝撃を受けた時に
そこを中心に割れたことが分かります。
陶片Bの裏面
陶片Bの表面の上方部分の拡大
陶片Bには、他にも、以前に割れた部分を補修した跡がみられます。
陶片Bの裏面の上方部分の拡大
陶片Bには、他にも、以前に割れた部分を補修した跡がみられます。
陶片Bの上方部分に、既に補修されている痕跡があることから考えて、この小皿は、以前、真っ二つに割れ、そこを焼継ぎで補修したのか、接着剤を使用して補修したのかは分かりませんが、その真っ二つに割れた所を補修したようです。
その後、その補修箇所の一部を残して、再度、真っ二つに割れてしまったわけですね。でも、捨てるにしのびなく、骨董市で売られることになったのでしょう。
しかしね~、骨董市で売るにしても、もう少し大切に扱って売るべきでしょうよね。これでは、まるで、陶片扱いで売っているんですものね。この小皿に失礼ですよね。
ところが、値段だけは立派で、2,000円の値札が付いていたんです。
それで、私としては、「これじゃ、まるで、陶片でしょうよ。半値にして!」と店主に申し出たわけです。それに対して、店主は私の申し出をこころよく受け入れてくれたものですから、結局は1,000円で購入できました(^_^)
そんなことがあったものですから、店主としても、この小皿に悪いことをしたと思ったのでしょう。私にこの小皿を渡す際、2個の陶片をセロテープで張り合わせ、一応皿の形にし、新聞紙に包んで渡してくれました(^-^*)
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代中期
サ イ ズ : 口径14.3~14.6cm(歪みがあるため) 高さ2.8~3.0cm(歪みがあるため)
底径9.1cm
焼継ぎをするほどですから、大事にされていたのですね。
その理由は、やはり花唐草模様でしょう。この品は、普通の花唐草(地模様)よりもリアリズムがかった花唐草ですね(^.^) デザイン化される前の花唐草でしょうか。珍しいので大切にされていたのだと思います。
案外、古い伊万里は、見事に割れるものが多いような気がします。
素地が違うんでしょうかね。
新しい伊万里の場合は、細かに、粉砕されたかのように割れますものね。そのため、欠損する箇所が生じてしまいますものね。
その点、この小皿も、見事に割れ、欠損した部分がほとんどないものですから、接着剤で接着しても、ほとんど疵跡が目立ちませんね(裏面は目立ちますが)。
多分、以前、真っ二つに割れた時、焼継ぎして直したのだろうと思います。
大切にされたのでしょうね。
大疵物ですが、まぁまぁ、鑑賞には耐えられるのかな~と思っています。
古美術品交換会では昼食代として1,000円を支払いますが、その交換会が無かったため、その1,000円分がこの小皿に化けたわけですね(^-^*)
昼食は食べると無くなってしまいますけれど、それに代わってこの小皿が残ったわけなので、それを考えると、安い買い物だったかもしれません(^-^*)
キレイに割れているんで、鑑賞に耐える状態に補修できますが
割れた断面を見て不純物の影響を考察するのはなかなか出来ることではありません
さすがにドクターさんです。
あと、半値に値切る交渉が切り出せるのも、ドクターさんの長い経験のなせる業ですよね。
結果は、見込み通りで、まぁまぁの皿になりました(^-^*)
断面に不純物が残っているケースには、初めて遭遇しました。
やはり、そんなところに弱点があり、そこから割れるんですね。
長くやっていますと、だいたい、最大でこれくらいまでには値切れるかなとの感が働きます(笑)。
それで、最初から、ズバリ、その値を提示しますと決まりますね。気合いでしょうか(笑)。
驚きました。2分割で売られていたのですね。それを買われてくっつけるなんて
お見事ですね。
立派な皿になりました。
値切りも年季が入っているからできることですね。素晴らしいです。
そこを、私がクレームに利用したわけです(~_~;)
「なにこれ! まるで陶片を売ってるのと同じことじゃないの」と、、。
まっ、値切りのための因縁付けのようなものですね、、、(笑)。
値切りのためのテクニックのようなものですね(^_^)
確かに、これ、年季が入ってないと出来ないワザですね。
下手にやると、相手は怒り出し、売ってくれなくなりますから、、、。
綺麗に洗って、割れたところを接着剤で貼り付ければ、まぁまぁ見られるように復活するのではないかと予想しましたが、予想通りになりました(^-^*)
二回目の割れは焼き継の部分は避けていますね。やはり強いのでしょうね。
真っ二つに割れた際、不純物の一部が剥落し、その分だけ欠落し、欠損してしまい、少し隙間が生じてしまったようですね。
昔は、今のような立派な陶磁器接着剤などありませんでしたから、焼継ぎが一番綺麗な仕上がりだったのかもしれませんね。
鎹留めも鎹が目障りですし、漆の補修も漆部分が黒く残ってしまいますものね。
漆直し部分も強いようですが、焼継ぎ直しの部分も強いようですね。
この小皿の場合、2度目の割れの時にも、焼継ぎした部分の一部を避けていますものね。