今回は、「染付 菊花流水文 小皿」の紹介です。
表面
時計の針の2時の方角から8時の方角にかけて、真っ二つに割れています。
裏面
生 産 地: 肥前・有田
製作年代: 江戸時代中期
サ イ ズ : 口径;14.2cm 高さ;3.2cm 底径;8.5cm
現在のところ、「古伊万里」を様式区分する方が多いようです。「柿右衛門様式」の古伊万里とか、「古九谷様式」の古伊万里とか、「柿右衛門様式」の古伊万里や「古九谷様式」の古伊万里のどちらにも属さない「古伊万里様式」の古伊万里というように、、。
特に、染付の場合は、それらを簡略化して、染付の柿右衛門様式のものを「藍柿右衛門」と、染付の古九谷様式のものを「藍九谷」と、そして、藍柿右衛門や藍九谷に属さないものを「染付古伊万里」と呼んでいます。
そもそも、以前は、「古伊万里」は「古伊万里」であり、「柿右衛門」は「柿右衛門」であり、「古九谷」は「古九谷」であり、それぞれは全く別な焼物として取り扱われてきました。
しかし、その後、伊万里焼の研究が進み、「柿右衛門」も伊万里焼の一様式にすぎないことが分かってきましたし、「古九谷」も伊万里焼の一様式にすぎないことも分かってきて、それぞれが、「柿右衛門様式」の古伊万里とか、「古九谷様式」の古伊万里と言われるようになってきたわけです。
ところで、そうした、様式区分を前提としてこの小皿を見たとき、この小皿は、どの様な様式に区分されるべきでしょうか、、?
特に、「柿右衛門様式(藍柿右衛門)」に区分すべきなのか、或いは、「古九谷様式(藍九谷)」に区分すべきなのか、なかなか迷うところです(~_~;)
そのように、現実の様式区には困難さが付きまといますし、様式区分には限界も感じられるわけです。
それで、最近では、「もう、柿右衛門も古九谷も古伊万里の一様式になったのだし、全てが「古伊万里」なのだから、昔の「柿右衛門」とか「古九谷」という呼称を引きずる必要はないのではないだろうか。もう、いっそ、様式区分を止めてはどうか」という意見が多くなってきたのではないかと思われます。
そんなこともあり、私も、最近では、極力、様式区分を止めているところです。
昔の名前で出ている私としては、藍柿的藍九谷の名称で呼びたいと思います(^^;
裏の3つ並び模様がかわいいです(^.^)
なるほど、「藍柿的藍九谷」ですか(^-^*)
様式区分も、工夫すればなんとかなりますかね、、、(^_^)
「伊万里」も研究が進み、骨董の世界から学問の世界に進みつつありますね。
だんだんと、「古伊万里学」となり、私のような骨董からの出身者には手の届かない存在になってしまうのでしょうか、、、(~_~;)
裏文様の3つ並び文様は、何と言うのかわかりませんが、可愛らしいですよね(^_^)