Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

天啓赤絵 群馬文 小皿

2020年12月07日 13時55分16秒 | その他の古陶磁

 今回は、「天啓赤絵 群馬文 小皿」の紹介です。

 先日(2020年12月4日)、「伊万里 染付 双馬文 輪花形中皿」を紹介しましたところ、馬を主文様にしたものには人気があるのか、好評でした(^-^*)

 それで、気を良くし(笑)、また、馬を主文様にしたものを紹介しようと思ったわけです(~_~;)

 ところが、我が家には、古伊万里としては、先日紹介しました「伊万里 染付 双馬文 輪花形中皿」以外には存在しませんので、古伊万里ではありませんが、この「天啓赤絵 群馬文 小皿」を紹介することになったわけです(__;)

 

 

天啓赤絵 群馬文 小皿

 

表面

 

 

上段の左側の馬の拡大画像

 

上段の右側の馬の拡大画像

牛のようにも見えますが、多分、馬だと思います(~_~;)

 

 

下段の馬の拡大画像

 

 

 

裏面

 

製作年代: 中国明末・清初

サ イ  ズ:    口径;16.5cm  底径;6.8cm

 

 

 なお、この「天啓赤絵 群馬文 小皿」につきましては、これが「古伊万里」でもないのにもかかわらず、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中でも既に紹介していますので、次に、再度それを紹介することで、この「天啓赤絵 群馬文 小皿」の紹介に代えさせていただきます。

 

 

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              <古伊万里への誘い>

 

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*古伊万里周辺ギャラリー4 天啓赤絵の想い出 (平成14年8月筆) 

 

    

 

 昭和56年10月のことであるから、およそ20年前の話である。

 その時、天啓赤絵群馬文小皿1枚を購入した。補修もひどく、そんなに自慢できるような代物ではないが、私にとっては想い出深い小皿である。

 当時、コレクションを始めて10年程になっていたので、その対象もほぼ古伊万里にしぼられてきていたが、それでも、時折、古伊万里以外の気に入った物に巡り会ったりすると食指を動かしていた。特に、古染付や天啓赤絵については、古伊万里の先輩格にも相当するので、強く興味をそそらされていたものである。

 私がその小皿を買うことになったおよそ1ケ月前の頃だったと思うが、馴染みの古美術店に、あるコレクターがジャンルを鞍替えするために手離したいという品が2~3点展示してあった。その中にくだんの天啓赤絵群馬文小皿があったのである。

 その小皿をチラチラとながめては食指を動かし、「ほしいなー。」と思ってはみたものの、何せ先立つ物がない。しかも、くだんの古美術店には相当額のローンも滞っており、いくらなんでも新たな借財は言い出しがたい、という状況下にあった。

 そうこうしているうちに、どんな風の吹きまわしか、講演会で講師をしてくれないかという話が舞い込んだ。これまでも、たまに、講演会の講師ほどではないが、「話をしてくれ。」とたのまれる程度のことはあったので、軽い気持で引き受けた。

 しかし、200人ほどの聴衆の前での講師ということになれば身を引締めて準備もしなければなるまい。ということで、真剣に準備にとりかかった。ところが、その後、依頼者に確認をとったところ、私の後に弁護士さんも講演をするとのこと。ということは、この講演会の目玉は弁護士さんの方であって、私はその前座を務めるにすぎないのだということがわかったのである。

 どうも話がウマスギルとは思ったが、今さら引くわけにはいかない。まあ、恥をかかないように、笑いものにならないようにやるしかない、との思いであった。

 そういうことで、急に、準備にも力が入らなくなってしまったが、まあ、なんとか役目を果たすことはできたようである。依頼者からは見え透いたお世辞ではあろうが、一応、講演は好評であったとの“お言葉”まで頂戴した。そして、遂に、最後には講師謝礼なるものを差し出されたのである。

 丁寧にお礼を言い、退場してからこっそりとその額を見てびっくりした。今までにも、お話しをして、その謝礼にと雀の涙ほどの薄謝をいただいたことはあったが、今回はさすが「講師謝礼」。桁がちがうのである。依頼者としては、私の後の本命の講師の弁護士さんとの均衡も考えたのであろう。私のような者への謝礼の額としては破格のものであった。

 私は、その謝礼を握りしめ、その日の夕方にはくだんの古美術店へと直行であった。幸い、天啓赤絵は、まだ売れずに残っていたので、無事私のものとなったのである。

 高額な(?)講師謝礼なるものをもらったのは、後にも先にもその時だけであり、その謝礼の生まれ変りがくだんの天啓赤絵なので、私にとっては大変に想い出深いものなのである。

 その後、ある本を読んでいて、この小皿との同類が(もっとも、こちらは完品ではあるが。)東京国立博物館に収蔵されていることを知ったが、いまだに同館でその現物を見たことがない。また、その本も、通勤電車の中に置き忘れ、紛失してしまっているので、今となっては、その真偽を確かめるすべもない。

 天啓赤絵群馬文小皿    口径 : 16.5cm


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2 コメント

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Dr.Kさんへ (遅生)
2020-12-07 15:14:20
天啓赤絵、ここにあり!
ギュッと、天啓赤絵の良さが凝縮した皿ですね。
馬の躍動感がすごいです。
それに比べると、我が伊万里の馬はおとなしい(^^;
Drも講師として引っ張りだこの躍動期でしたね。
自分も、昔の品を引っ張り出して眺めていると、己の姿をほのかに感じることがあります(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2020-12-07 18:30:08
我が家の馬もそうですが、この天啓赤絵の馬に比べると、伊万里の馬は温和しいですよね。
やはり、島国を駆け回る馬と大陸を駆け回る馬とでは勢いに違いがあるのでしょうか、、。

これ、陶片に近いものですが、にわか講師、しかも前座の講師の謝礼では、この陶片に近いものを買うのが精一杯でした(^-^*)

私は、たまに、ちょっと話す機会があったという程度で、残念ながら、講師として引っ張りだこの期間はありませんでした(><)
そんな期間があったなら、もっともっと古伊万里のコレクションも充実していたんですが(笑)。

でも、昔買った物を引っ張り出して眺めていますと、遠い昔の自分の姿を思い浮かべますよね(^_^)
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