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Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

令和3年4月の骨董市と古美術品交換会(その3)

2021年04月19日 19時08分04秒 | 骨董市など

 昨日の「令和3年4月の骨董市と古美術品交換会」での戦利品の第3点目は「色絵 蓋付灰落し」です。

 これは、先ほども書きましたが、古美術品交換会では、「蓋付の湯呑み茶碗」として売りに出されたものです。私は、「灰落し」コレクターではないのですが、既に「灰落し」は7点ほど所蔵していますので(もっと多いかもしれません、、)、これは、「湯呑み茶碗」ではなく「灰落し」であると確信して落札しています。

 

 

「色絵 蓋付灰落し」

 

正面(仮定)

 

 

正面から右に約90度回転させた面

 

 

蓋を外したところ

 

 

本体を伏せ、蓋を裏返したところ

 

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代後期

サ  イズ : 本体口径;6.3cm 蓋口径;6.8cm 高さ(蓋共);8.4cm 本体底径;4.6cm

 

 

  ところで、この「灰落し」につきましては、帰宅して調べてみましたら、平成27年に、「火入れ」と「灰落し」をセットにして内蔵してある煙草盆を購入していますが、その煙草盆の中に入っている「灰落し」とそっくりであることを知りました(~_~;) 同じようなものを、また買ってきてしまったわけですね(~_~;)

 なお、その「灰落し」につきましては、その「灰落し」を内蔵した煙草盆と共に、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中で紹介しています。そこでは、「灰落し」の実際の使い方、「灰落し」と「湯呑み茶碗」との違いなども説明していますので、「灰落し」を理解するうえで有用かと思われます。

 そこで、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中のその紹介文を次に再度掲載いたします。ちなみに、その紹介文の中では、「灰落し」のことを「灰吹き」として紹介していますが、「灰落し」=「灰吹き」としてお読みください。

 

 

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       <古伊万里への誘い>

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*古伊万里ギャラリー250 伊万里色絵火入れと灰吹き(灰落し)(平成31年3月1日登載)

  

煙草盆の中の火入れ(左)と灰吹き(灰落し)(右)
煙草盆は新しい物であり、かつ、シンプルで安物
   

 

    火入れ                灰吹き(灰落し)
  

 

火入れ(正面と仮定)
 

 

火入れ(正面の裏側)
 

 

火入れの内側
釉薬は上の方にしか掛かっていない。また、底の方には使用されていた灰がこびりついて残っている。
 

 

 灰吹き(灰落し)(正面と仮定)
 

 

灰吹き(灰落し)(正面の裏側)
 

 

灰吹き(灰落し)(蓋を外したところ)
本体は、蓋をすることを想定して作られているので、内側の口縁付近には釉薬が掛けられていない。
従って、湯呑みとして使用するには適さない。

 

 

灰吹き(灰落し)の蓋の裏面
5本の窯疵のニューがある(雑な作りであることが分かる)
 

 

 煙草盆に用いられる火入れと灰吹き(灰落し)である。

 下手なものではあるが、一応、火入れと灰吹きとがセットになっている。
 もっとレベルが下がると、火入れは陶磁器で出来ているが、灰吹きは竹製となっていることが多い。

 そのことから考えると、この火入れと灰吹きは、まぁまぁなレベルの物なのだろうか。

 以前は、よく、骨董市などに登場したが、今では、このように、セットで、しかも、無疵のものはあまり見かけなくなった。

 

  江戸時代後期   <火入れ>  口径:9.9cm  高さ:7.0cm

           <灰吹き>  蓋径:6.3cm  高さ(蓋共):8.8cm

 

 

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*古伊万里バカ日誌177 古伊万里との対話(煙草盆) (平成31年2月筆)    

登場人物
  主  人 (田舎の平凡なご隠居さん)
  火入れ (伊万里色絵火入れ)
  灰吹き (伊万里色絵灰吹き)

煙草盆の中の火入れと灰吹き(灰落し)       火入れ(左)     灰吹き(灰落し)(右)

 

 

・・・・・プロローグ・・・・・

 主人は、今日は、元日とかの特別な日ではないので、いつものとおり、主人の所にやってきた古伊万里の順番に従って対話をしようと考えたようで、該当する古伊万里を押入れに中から引っ張り出してきて対話を始めた。

 

 


 

 

主人: お前達は平成27年の1月に我が家にやってきたから、もう4年が経過しているんだね。月日が経つのは早いもんだな~。

火入れ・灰吹き: そうですね~。ちょっと前に来たばかりかと思っていましたが、もう4年が経つんですね。もっとも、我々陶磁器の寿命は、人間の寿命とは違って長いですから、人間の感じる4年とは比較にならないんでしょうけれども・・・・・。
 ところで、私達は、古伊万里としてはポピュラーなもので、よく骨董市などで売られていますから、ご主人は、既に、もう、同じようなものを何点か所蔵されているんでしょうね。

主人: いやいや、煙草盆用の揃いのセットとしてはお前達が初めてだね。火入れと灰吹き(灰落し)はセットなわけなんだけど、実は、火入れと灰吹きを揃いのセットで購入したのは、お前達が初めてなんだ。灰吹きだけならば、既に3点所蔵しているんだがね・・・・・。(:実際には、もっと多く所蔵している)

火入れ・灰吹き: どうして、これまでセットで購入しなかったんですか?

主人: セットで購入しようとすると、木製の煙草盆なども一緒に付属してきてしまって、トータルでは結構な値段になるわけよ。
 私は、主として、鑑賞用の古伊万里を収集しているのであって、木製の煙草盆など必要ではないし、火入れ・灰吹きそのものだって、そもそも、鑑賞用としては優れたものでもないから、わざわざ高い値段を出してまで買う必要はないな~と思ってしまって、ついつい買いそびれてしまったわけだね。ただ、お前達の場合は、最近作られた木製の木箱に工作を施して作られたシンプルな安物の煙草盆の中に入れてあったので、トータルでも高くはなかったから買う気になったわけだ。

火入れ・灰吹き: 灰吹きについては、私達を含めて4点も購入しているのに、火入れについては、私達の1点のみの購入なわけなんですが、それには何か理由があるんですか・・・・・?

主人: それはね、火入れは、単独で香炉用として高く売れるものだから、煙草盆から火入れだけがバラされて売られているわけだが、所詮は、出自が火入れだからね、香炉としては格が落ちるし、鑑賞用としては、当初から香炉として生まれたものに比べると割高感を感じるんだよね。それで、ついつい買うのをためらってしまったわけさ。
 それに対して、灰吹きは、蓋を付けることを予定して作られているため、口縁付近の内側に釉薬が掛けられていないので、湯呑みにするには不適合で、実用的でもないし、また、鑑賞用とするほどのものでもないので比較的に安く出回っているので、手に入り易かったからかな。

火入れ・灰吹き: 今でも私達は市場に出回っているんですか。

主人: いや、出回ってないね。特に、火入れと灰吹きとのセットではめったに出て来ないね。たまに、火入れ単独で、灰吹き単独で出て来るときがあるくらいかな~。灰吹きなど、出て来るとしても、蓋を失った状態で出て来るね。

火入れ・灰吹き: どうして市場に登場してこなくなったのでしょうか?

主人: どうしてなのかね~。もう、保存状態の良いものは、ほとんどコレクターの所に収まってしまっていて、市場に出て来るような物は少なくなってしまったからだろうか。それに、古伊万里ブームが去ってしまっていて、市場に売りに出してもなかなか売れないからかな~。また、火入れや灰吹きは、お前達には悪いが、もともと、火入れとか灰吹きというような目的のために、つまり、日用雑器として作られたわけだから、下手な物が多く、値段も安いので、利幅が少なく、売ってもあまり儲からないわけで、業者も積極的に取り扱わないからかもしれないね。

火入れ・灰吹き: そうすると、私達は、これからは珍品に属するわけですか。

主人: 珍品とまでは言えないけれど、セットでは安くは手に入りずらいということかね。


令和3年4月の骨董市と古美術品交換会(その1)

2021年04月19日 13時10分45秒 | 骨董市など

 昨日は、私にとって、毎月1回の、定例の骨董市と古美術品交換会の日でした。

 昨日は、一昨日と打って変わり、朝から上天気でした(^-^*)

 お天気が良ければ、気分も上々です(^_^)

 ルンルン気分で、先ずは骨董市会場へ!

 コロナ禍も盛り返しつつありますが、皆さん、だいぶコロナ対応には慣れてきて、マスクを着用し、会場入り口での検温、手指の消毒を済ませての入場です。そして、ソーシャルデスタンスを確保しつつの探索が続きます。

 そうした中、先ずは、「伊万里 染付 蝶文 蝶形変形小皿」を発見!です(^_^)

 続いて、「伊万里 色絵 花鳥文 小深皿」も発見!です(^_^)

 それで、骨董市会場での戦果に満足し、続いての会場である古美術品交換会会場へと急ぎます。

 

 しかし、古美術品交換会の方は、最近、コロナの影響か、出席者が少なく、ちょっと低調です(~_~;) そのためか、競りに掛けられる品物も少なめでしたが、その中でも、古伊万里は多そうでしたので、ちょっっと期待が高まりました。

 しかし、実際には、江戸後期の物ばかりで、食指が動きません(><)

 そんな中で、「伊万里 色絵 蓋付灰落し」が登場してきました。

 競り人は、「これは蓋付の湯呑み茶碗だよ。蓋付だよ。湯呑み茶碗では珍しいよ」と呼びかけます。

 でもね~、私は知っているんですよね。これは、「湯呑み茶碗」ではなく、「灰落し」であることを、、、。

 案の定、皆さん、「湯呑み茶碗じゃな~、しかも一つじゃなな~、夫婦茶碗にもならないしな~、使い道がないな~」と思ったのか、槍を入れる者がいません。

 それで、私としては、特に欲しいわけではなかったのですが、「最近では、蓋付の灰落しも少なくなってきて珍しくなってきたから買っとくか」と思い、発句にプラスアルファーを乗せて槍を入れました。

 予想どおり、誰も続いて槍を入れる者がなく、あっさりと私の落札となりました。

 結果的に、安く買ったことになりますが、だんだん、「灰落し」ばかり増えてきてしまうんですよね(~_~;) これで、コレクションとしては8点目でしょうか、、、。もっと多いかもしれません。私は、「灰落し」コレクターでもないのに、、、(~_~;) しかも、平成27年に買ってきた「灰落し」とほとんど同じものでした(><)

 

 以上、昨日の戦果は、「伊万里 染付 蝶文 蝶形変形小皿」と「伊万里 色絵 花鳥文 小深皿」と「伊万里 色絵 蓋付灰落し」の3点ですが、これらを、次に、順次、紹介いたします。

 先ずは、その第1点目の紹介です。

 

 

「伊万里 染付 蝶文 蝶形変形小皿」

 

 表面

 

 

側面

 

 

裏面

 

 「染付 蝶文 蝶形変形小皿」は、延宝~享保頃までの長期にわたって作られているようですが、これは、享保頃に作られたものではないかと思われます。

 と言いますのは、延宝頃に作られたものは、造形的にももっと厳しく、ピーンと張り詰めた緊張感のようなものを感じさせますが、この小皿からは、それが伝わってこないからです。

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代中期(享保頃)

サ イ ズ : 口径;12.4×8.2cm 高さ;2.2cm 底径;7.7×4.5cm