今回は、「伊万里 染付 柳に鷺文変形小皿」の紹介です。
これは、昭和60年に(今から35年前に)、東京の骨董屋から買ってきたものです。
表面
表面の右半分の拡大画像
裏面
裏面の側面に描かれた文様部分の拡大画像
この様な文様が全体で3カ所描かれています。
製作年代: 江戸時代前期
サ イ ズ : 長径;17.4cm 短径;12.0cm 底長径;11.3cm 底短径;7.4cm
これについても、既に、今では止めてしまっている拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中で紹介していますので、次に、それを再度紹介し、この小皿の紹介に代えさせていただきます。
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<古伊万里への誘い>
*古伊万里ギャラリー13 古九谷様式染付柳に鷺文変形小皿(平成13年12月1日登載)
この小皿は、昭和60年に購入したものである。購入のいきさつについては、「古伊万里バカ日誌3」に記したとおりであるが(注:「古伊万里バカ日誌3」に記されているそのいきさつは下記の<注>のとおりです)、初対面は、正に、「美しい」の一言であった。「こんなものが、こんなところにあっていいの!」の思いであった。また、「私のようなものが購入してもいいの!」の思いでもあった。
柳の枝の伸びやかな線、ゆったりとくつろいでいる二羽の鷺の手馴れた描写、左上方に空間を配置しながらもなお全体のバランスを崩させないための枝の伸び・・・・・一見、無造作な様に見えながら、緻密に計算され尽くされた配置がある。
高台は付け高台で繊細であり、これに色を付けたら色絵古九谷そのものであろう。
その後、平成2年に「初期伊万里から古九谷様式」(小木一良著 創樹社美術出版)が刊行されたが、その中の図170で類品が紹介されている。美しいものは、誰が見ても美しいということだろうか。
江戸時代前期 長径17.4cm 短径12.0cm
<注> 主人: 私は、安月給取りだから、一流の立派な店なんかに行かない(「行けない」とするのが正確な表現であろうとの陰口あり。)のは知っているだろう。まあ、ハーモニカ長屋みたいな店があったと想像してくれ。そのような店の中の一軒でおまえを見つけたわけだが、その店の主人が不在で、買おうにも買えなかったわけだ。やむなく隣の店の主人に話したら、鍵は預かっているので、見せることはできるが、値引きはできないときたもんだ。私も安月給取りのコレクターとして、定価どおりには買わないことを信条(?)としてきているので、これにはまいった。しかし、この機会を逃がすとおまえを逃がすかもしれないとの焦りも手伝い、遂に、信条を捨てて定価どおりに買うことにしたわけだ。まあ、あまり自慢のできる話でもないので、誰にも話してないのだから、内緒にしておいてくれ。
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なお、上の「古伊万里ギャラリー13 古九谷様式染付柳に鷺文変形小皿」の文中にある「初期伊万里から古九谷様式」(小木一良著 創樹社美術出版 平成2年発行)の図170というものは次のようなものです。
図170
柳に鷺文変形小皿(1650年代) 長径 17.4cm