まずは手近にあった店で、小麦粉を練った物に肉を挟んだ饅頭らしき物と、春巻状の物の購入に挑戦する。
「コレ、一個ね!」
私は二つの品を指差し日本語で言うが、何故か店のオバサンは二本指を立てる。
「いや、一個でイイから」
オバサンは中国語で何かをまくし立てて来る。どうやら隣に佐野が居るので、
「二人なら、饅頭は二個でしょ!」
とがなっているみたいだ。
「もう、じゃあいいよ二個で」
日本人特有の押しの弱さで、オバサンの提案を受け入れることにする。
「春巻も二個でしょ!」
さらにオバサンが喚くので、さすがに私も激しく拒絶する。
「一個だよ、一個!わかんねぇオバはんやなぁ!」
「一個かい?」
「一個だよ!」
日本語と中国語でのやり取りだが、意思の疎通は出来ているはずだ。
「いくら?」
「5元よ!」
「ハイよ!」
佐野が脇から金を支払い、無事に初めてのお買物に成功する。
「これだけじゃ足りないよ」
続いて佐野と一緒に中ほどまで歩き、一軒の店の前で立ち止まる。
「ここは?」
「ああ、この店の飯はなかなか美味いよ」
店の斜めになった台には巨大な飯物の写真メニューが貼り付けられている。
「ほぉ、なんか石焼ビビンバみたいのがありますね」
「それは結構オススメだよ」
「これにしちゃおうかなぁ…」
私はじっと店の巨大写真メニューを見つめる。その私と佐野に向かって、『柴咲コウ』に似た店員の女の子が、中国語と英単語で話かけて来る。
「これはビーフよ」
「佐野さん、この石焼ビビンバは牛だって言ってますけど…」
「ああ、何だか知らないけど中国人は、こっちが日本人だって分かると、やたらと『牛』を勧めるんだよ」
「そうなんですか、別にそういうこだわりは無いけどなぁ…」
私は他のメニューも見る。
「これは鶏ですよねぇ」
「チキン、チキン!」
中国の柴咲コウが、すぐに英単語で反応する。
「ふーん、じゃあこれは?」
「ポーク!ポーク!」
どうやら豚らしい。
「じゃ、俺はこれを一つね」
メニューに記載されている15元(約225円)を支払い、席に戻る。
石焼ビビンバらしき料理が出来るまでに、まずは佐野と一緒に饅頭らしき物と、春巻らしき物を食す。
「お、この饅頭みたいな奴、見た目よりもボリュームがありますね」
「この春巻みたいな奴のほうが美味いよ」
二人でそれを食べていると、店員の柴咲コウが何かを大声で叫んでいる。
「お、なんか呼んでますね」
私は佐野と席を立つと、店に向かった。
「コレはアナタのよ!」
柴咲が怪しい英語で叫びながら、ジュウジュウと音を立てているトレイに乗った石鍋を手渡してくれる。佐野も鶏の石焼ビビンバを受け取る。
「おいおい、スプーンがプラスチックだよ…」
席に戻ってかき混ぜようとすると、スプーンがプラスチックなのが判明する。
「ちょっと変形した気がするなぁ」
熱々の石鍋をかき混ぜると、プラスチックのスプーンはちょっとだけ反ってしまったが、機能的には問題ない。
「おおっ、これ美味いよぉ!」
米の味は微妙に異なるが、味付けは絶妙だ。
「日本で食べるよりも美味いかも!」
「でもこれ、韓国料理だよな」
遅れて清水も熱々の石鍋を持って来る。
「これはねぇ、牛だよ」
「新垣さんは?」
「僕は焼きそば」
「ちょっと味見させて下さいよ」
「このビビンバ、なんかボリュームが凄くない?日本の1.5倍はあるよね!」
ビールと合わせて日本円で四百円程度の金額で、我々は腹が一杯になったのだった。
「コレ、一個ね!」
私は二つの品を指差し日本語で言うが、何故か店のオバサンは二本指を立てる。
「いや、一個でイイから」
オバサンは中国語で何かをまくし立てて来る。どうやら隣に佐野が居るので、
「二人なら、饅頭は二個でしょ!」
とがなっているみたいだ。
「もう、じゃあいいよ二個で」
日本人特有の押しの弱さで、オバサンの提案を受け入れることにする。
「春巻も二個でしょ!」
さらにオバサンが喚くので、さすがに私も激しく拒絶する。
「一個だよ、一個!わかんねぇオバはんやなぁ!」
「一個かい?」
「一個だよ!」
日本語と中国語でのやり取りだが、意思の疎通は出来ているはずだ。
「いくら?」
「5元よ!」
「ハイよ!」
佐野が脇から金を支払い、無事に初めてのお買物に成功する。
「これだけじゃ足りないよ」
続いて佐野と一緒に中ほどまで歩き、一軒の店の前で立ち止まる。
「ここは?」
「ああ、この店の飯はなかなか美味いよ」
店の斜めになった台には巨大な飯物の写真メニューが貼り付けられている。
「ほぉ、なんか石焼ビビンバみたいのがありますね」
「それは結構オススメだよ」
「これにしちゃおうかなぁ…」
私はじっと店の巨大写真メニューを見つめる。その私と佐野に向かって、『柴咲コウ』に似た店員の女の子が、中国語と英単語で話かけて来る。
「これはビーフよ」
「佐野さん、この石焼ビビンバは牛だって言ってますけど…」
「ああ、何だか知らないけど中国人は、こっちが日本人だって分かると、やたらと『牛』を勧めるんだよ」
「そうなんですか、別にそういうこだわりは無いけどなぁ…」
私は他のメニューも見る。
「これは鶏ですよねぇ」
「チキン、チキン!」
中国の柴咲コウが、すぐに英単語で反応する。
「ふーん、じゃあこれは?」
「ポーク!ポーク!」
どうやら豚らしい。
「じゃ、俺はこれを一つね」
メニューに記載されている15元(約225円)を支払い、席に戻る。
石焼ビビンバらしき料理が出来るまでに、まずは佐野と一緒に饅頭らしき物と、春巻らしき物を食す。
「お、この饅頭みたいな奴、見た目よりもボリュームがありますね」
「この春巻みたいな奴のほうが美味いよ」
二人でそれを食べていると、店員の柴咲コウが何かを大声で叫んでいる。
「お、なんか呼んでますね」
私は佐野と席を立つと、店に向かった。
「コレはアナタのよ!」
柴咲が怪しい英語で叫びながら、ジュウジュウと音を立てているトレイに乗った石鍋を手渡してくれる。佐野も鶏の石焼ビビンバを受け取る。
「おいおい、スプーンがプラスチックだよ…」
席に戻ってかき混ぜようとすると、スプーンがプラスチックなのが判明する。
「ちょっと変形した気がするなぁ」
熱々の石鍋をかき混ぜると、プラスチックのスプーンはちょっとだけ反ってしまったが、機能的には問題ない。
「おおっ、これ美味いよぉ!」
米の味は微妙に異なるが、味付けは絶妙だ。
「日本で食べるよりも美味いかも!」
「でもこれ、韓国料理だよな」
遅れて清水も熱々の石鍋を持って来る。
「これはねぇ、牛だよ」
「新垣さんは?」
「僕は焼きそば」
「ちょっと味見させて下さいよ」
「このビビンバ、なんかボリュームが凄くない?日本の1.5倍はあるよね!」
ビールと合わせて日本円で四百円程度の金額で、我々は腹が一杯になったのだった。