困った時こそお互い様

※先日あるところに書いた文章です。
少し手直してこの場でも紹介します。（さき）


◆困った時こそお互い様

友人の子どもの友だちが事故に遭って、重体なのだと聞いた。
―当たり前のように思っていた未来。当たり前じゃないんだ。―
という友人の言葉。

当たり前に今日の延長の明日があると思っているけれど、
実はそんなこと誰にもわからないのだと。
あらためてそのことを思い直しました。

阪神淡路大震災の時にも、同じようなことを思いました。
物的な繁栄っていかにもろいものなのか、
お金やモノを集めても何もならないのだということも身にしみました。
お金やモノにはかえられない、
目には見えないいのちや人のつながりが、いかに大事かってことも。

先日訪ねてくれた方と、そんな話をしました。
会社の歯車で奴隷のように働くことに心身ともに疲れて、
これから自分がどう生きていくのかを考え直したいと言っていました。
仕事をやめて受けた面接で、
一人の採用に１００人余りが応募していたそうです。
最終選考まで残ったけれど、
そのことを聞かされて、まさにイス取りゲームだと、
その仕組みのなかにいること自体のおかしさを感じたと言ってました。

敗戦後の日本がそこから復興するために、ただ生きるために、
必死でがんばってきた時代。
経済成長がこの地で生きる人の幸せにもそれなりに直結していた時代。
それはこの地で生きる多くの人にとって、
頑張れば報われるという希望や明日がみえた時代だったのかもしれません。
けれどもその幻想をおっかけているだけではもうやっていけないのだと思います。
明日が見えないのです。

強い者勝ちのイス取りゲームに巻き込まれながら、
先の見えないこの社会の閉塞感のなかで
本当に多くの人たちが生きることのしんどさを抱えています。

そうしたなかで３年前、
「ＮＰＯ法人ドネーションシップわかちあい」を出発しました。
http://donationship.org/
この社会のなかに、分かちあいと支えあいの関係をとりもどしていこう。
それをあたりまえのことにしていこう。
特別なことをするんじゃなくて、みんなの中にある気持、
＜人のやさしさ＞をドネーション（寄付）として役立てていこうと呼びかけました。

この３年間で皆様のわかちあいへの気持ちを集めた
寄付（わかちあい）の総額は4,533,200円になりました。
http://www.donationship.org/project.html

ドネに賛同していただいた皆様に心より感謝し、お礼申し上げます。
また日々の活動を応援し支えて下さっている皆様にも、ありがとう。

ドネがめざしているのは、今はまだない明日のくに、
誰も飢えることのない明日のくに、です。

そんなこと夢だと思うでしょうか。
地球規模の貧困や格差や紛争の現実を見た時に、
自分ひとりが、わかちあい（寄付）したってなにも変わらないと思うでしょうか。
自分だって大変なのにキレイゴト言ってられないと思うでしょうか。

明日は今日の延長上にしかないのだけれど、
必ずしも今日と同じように、当たり前のように明日があるのかどうか。
誰にもわかりません。
お金やモノにはかえられないものがある。
本当はみんな知っています。
分かちあうことや支えあうことが当たり前の世の中は夢ではない。
私たちがそれを願い、実現しようとするならば―。
そう思います。
一度きりのこの人生。
今はまだない明日のために、精一杯悔いなく生きたいと思うのです。

３年前に思いもよらない形でドネの代表理事を担うことなりましたが、
この場を与えてもらったのかなとも思います。

ドネにつながってよかった、参加したことが喜びや誇りになるようなドネを、
皆さんと一緒につくっていきたいと思います。
これからも応援よろしくお願いいたします。
また、わかちあいの趣旨に賛同いただければ、
是非とも会員になって下さいと呼びかけます。
「困った時はお互い様」という事務局ブログを開設しています。
http://blog.goo.ne.jp/donationship
こちらものぞいてもらえると嬉しいです。

困った時はお互い様、、、なんですが、
３年前との違いを感じています。
リーマンショックとかあって世の中がどんどん厳しくなっていくほど、
お互い様の余裕なんてないよ、というのも正直な実感だと思います。
でもだからこそ、「困った時こそお互い様」なのだと、、しみじみ思っています。

入院中のお子さんの回復を祈ります。