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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

霧島連山・新燃岳噴火災害支援レポート

2011-02-17 17:43:49 | 情報・イベント紹介
※CODE↓(海外災害援助市民センター)
http://www.code-jp.org/
メーリングリストからのレポートです。

<霧島連山・新燃岳噴火災害支援レポートNo.8>

10日、そして13日に降灰と降雨の影響で土石流発生の恐れがあるとして、二度
「避難準備情報」が出され、一部地域では避難を始めたのですが、降雨量が少
なかったために14日午前8時過ぎに避難準備情報を解除された。住民には疲
労の色が隠せない。災害にはいろいろな顔があると言うが、ほんとに”意地悪だ”

 14日早朝、空路で神戸から足湯ボランティアが5名、農業被害調査で2名、大
分から3名が被災地高原町に入り、6日から活動している先発隊の吉椿さんと合
流し、それぞれの活動を開始した。
 今朝早速簡単なレポートが届いたが、灰との戦いで住民の心身の疲労はピー
クに達していることが容易に伺える。

 さて、以前このレポートで伝えた農業被害に対する支援ができないものか?と
つぶやいて見たが、現地は予想以上に厳しいようだ。農業被害の調査に入った
スタッフからの報告から一部を紹介したい。

{新燃岳 農業関係 情報}               
*人口9000人 JA組合員2000人強
*主要作物は、畜産・ほうれん草・白菜・キャベツ・飼料作物(牛)・千切り大根
用大根・米
*畜産と農業の関係は密接(飼料作物と牛の関係や、ブランド米の小清水米は
牛糞EM菌を使ったもの)
*小林の牛舎に避難させている牛が多く、そこも分散させていっている。23日の
競売で売りに出す農家も→畜産を辞めることを意味する
*灰がかぶった畑はまだ放置しているところがほとんど
*自宅の掃除などで手がいっぱい
*土壌の影響は2~5年のスパン
*石灰で中和させること(慣行農業)が重要だが、春からの繁忙期にどれだけ影
響が出るかは不明
*有機農家(小林・都城)は、土壌改良も無理にせず、柔軟に対応している
*小林・都城などの霧島連山近くの観光道沿いのアンテナショップや直売所の
売り上げは激減
*春になると風向きが変わり、小林方面に灰が降る可能性大(小林農家はそれ
を心配)
*営農資金援助や灰除去資金補助などの一時政策は出ているが、根本的問
題解決にはならない
*宮崎県での農被害は3億を超えている(経済的負担は増加する)

-農家の声
①自身の暮らしの復旧で精一杯(2月14日)。農業について、先行きは不明な
ため、特別な対策を打っているわけではない。まだボランティアセンターや行政
は何も言ってこない。とにかく不安に覆われている。
②避難勧告地域、花堂で地域住民と法人格をとって農を盛り上げようとした矢先
の噴火。2月13日にやっと直売所の掃除を組合員と行ったところ。在来種の小麦
を復活させようと奮闘して、やっと名産の焼酎などができたが、来年の出来がどう
なるかは不明、心配。
小麦畑は本当に大事なので、灰を少しずつ手作業で除去していっている。やる
気はとてもある。15年かけて確立した小清水米の生産にも影響があり、味が変化
するかも
③今は畑に手がつけられない若者の手があればなぁ。日本の農政は失敗ばか
りで、食が大事だということを忘れている!

と、このように農家や畜産事業主には、今回の噴火災害は大きな打撃となって
います。災害において、こうした生業支援策というものが充分でない現実を早急
に改善しなければ、私たちの食生活を支えて下さっている生業がダメになるとい
うことだけは避けなければならない重要なことだと思う。

先日、ある地方紙に「少々灰が残っていても、調理の際に洗い落とせばいいの
だから。”宮崎産”と書いた袋に入れて、こちらに出荷して下さい。そう伝えた
い。」と声があった。行政や国の手当てが間に合わないなら、被災地外の私たち
が手分けをして、できることをして行けばいいのではないか。でも私たちボラン
ティアには例えば仕入れる財力もない。例えば大手の企業が財政支援を申し出
てくれれば、私たちボランティアが販売呼びかけに協力はできる筈だ!
 手塩にかけて育てた牛を手放さなければならないという厳しい事態だけは、も
うこれきりにして欲しい!精魂込めて育てた野菜が灰に被ったまま息絶えていく
というのはもうこれっきりにして欲しい!

被災地NGO恊働センター
代表 村井雅清 (2011/2/15)

連絡先:神戸市兵庫区中道通2-1-10T
EL 078-574-0701
E-mail:ngo@pure.ne.jp
込口座:郵便振替01180-6-68556
口座名義:被災地NGO恊働センター
通信欄に「新燃岳」と書いて下さい。

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