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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

第9回わかちあい祭り:ゲスト挨拶~福島ひまわりプロジェクト~

2019-05-12 13:46:16 | わかちあい祭り
※第9回わかちあい祭り!から
参加者のご挨拶を紹介します
ゲストの皆様ありとうございました!


NPO法人シャローム
福島ひまわりプロジェクト

http://himawariproject.com/whats.html

みなさん、おはようございます。
NPO法人シャロームというところで、
ひまわりプロジェクトを担当しております吉野と申します。
毎年参加させていただいています。
家族が2011年の7月からずっと京都の市営住宅に避難させてもらっています。
今は、家賃は自分で支払いながら、住まわせてもらっています。
その関係でゴールデンウイークとか、休みを使って家族に会いに来ていて、
このわかちあい祭にもいつも来させてもらっています。



福島の原発事故は、みなさん遠い昔のことのようにお考えかも知れませんが、現在進行形なのですね。
今一番目立つものは何かというと、汚染土壌の運び出しです。
仮置き場というところに、黒いフレコンバッグというものが沢山ピラミッドのように積み重なっていて、それを「2020までに片付ける」という指示が出ています。
オリンピックの開会式の前に、ソフトボールの開幕戦が福島市の県営あづま球場で行われます。世界の方々が最初にオリンピック行事として見るのが、福島市でのソフトボールの試合ということになります。

ということで、その県営あづま球場の隣にある、第2運動場に山のように積んである除染土壌を入れたフレコンバッグを2020までに全部きれいに片づけるという指示が出ていて、市の担当者が「今、大変なのですよ」という話をしていました。
フレコンバッグは全部、中間貯蔵施設というところに大きなダンプで3台くらい連なって、高速道路を使って運んでいます。そのときには「環境省除染土壌運搬中」というのぼりをダンプに付けて運んでいます。

ただ、今、道路工事の下の方に再生資源として低線量除染土壌を使っていこうという動きがあります。低線量といっても3000ベクレルくらいはあるのですけれど、、、。
南相馬市では、その試験をやるときに住民が「そんなのは再生利用という名前を冠にした最終処分でしょ」と反対しています。
同じようなことは二本松でも計画されていますが、国が実証実験をやろうとしてなかなか進んでいません。
「30年後には、すべて県外に運び出します。だから汚染土壌を置かせてください」と言ってきた約束を、再生利用という名前で県内・県外でこれから使っていく可能性が、実はあるのです。環境省は既にそういう話し合いをしています。



先ほど会場で避難者の仲間の方ともお話していたのですが、じゃあ群馬県のダンプがその砂を取りに来たならば、分からなくなりますよね、、、という話です。
だから、拡散されていく可能性のある汚染土壌の問題が(滋賀県でも以前に一度ありましたけれども) これから先、起こってくる可能性もあるということです。どの程度の健康影響があるのか、国はちゃんと計算しているのでしょうけれど、汚染土壌が行き先も分からないなかで拡散していく、その大元が福島から広がっていくということになると、住民はまた二重の被害を、三重の被害を受けてしまうので、すごく心配しています。

県内には、空間線量(放射線量)を計るモニタリングポストというのが立っているのですけれど、それを大部分撤去してしまおうという環境省の方針が出たときに、多くのお母さん方が「それは止めてくれ」という申し入れをしました。
なぜかというと、除染の効果も一定程度あるし、自然に放射線量も下がっていくので、空間線量は次第に落ち着いた数値になってきている。毎日落ち着いた数値であることを確認出来るのが安心材料なのだと、その点でも撤去してもらっては困るということなのですね。ただ、多額の経費をかけて維持しているので、何年も何年も巨額の経費を使えないということもあるようです。

今の放射線量は、だいたい0.1~0.15くらいまでの間におさまるくらいに、特に住宅街では落ち着いてきました。ただ、山の汚染はまだ残っていますし、残念ながら農地も土をかき混ぜてしまっているので、畑で計ると1mの高さで0.3~0.4という数値が普通に出ます。そういう中で生産された農産物からは、逆に検出されないくらいに下がってきています。だから、土の問題と農産物の問題は、また別なのですね。
農家の方の工夫もあって、ほとんどの農産物からは検出されないくらいに数値が下がってきています。ですが、それを生産する農家の方々は、実は少しずつ埃を吸ったり外部被ばくを受けたりして、被ばくしながら農家を続けていることも事実です。なので、若手の農家の方はこれから30年、40年とその農地で農業を続けていくことに、本当に大丈夫なのかなあという不安をもっていることも事実です。

放射能汚染の影響はまだまだ現在進行形ですし、解決が難しい面もある。一方、2兆円以上かけた除染も功を奏している面もあることはあります。改善傾向ではあるが、原状回復には程遠い、、、まだまだモラトリアム期間が続くという印象です。



放射能の影響で、障がいをもっている仲間たちと農作業をやってひまわり油を作ろうというプロジェクトの継続も難しくなってしまいました。そして困っているときに、全国の方々が「種を送ってくれれば、こちらで育てて花を楽しんだあと、実った種を送り返すよ」と言ってくれたのが、ひまわりプロジェクトの始まりです。
今年度、私が担当になってありありと感じるんですけれど、北海道から鹿児島県、長崎の世界遺産の教会のある島など、各地でたくさん手を挙げてくださって、幼稚園の花壇とか、プランターで育ててくれる方、大学の学生さんたちのボランティア、遊休農地の利用など…。

京都では桂中学校が、生徒会の活動で一生懸命やってくれていて、夏休みの水やりのボランティアを募集したら予定を大幅に超えて集まるなど、みんなで協力してくださっています。
そうして関わっていただきながら、「あぁ、福島はどうなっているのかなぁ」と関心をつないでいただく。

種を送り返していただくと、この会場でも販売してもらっていますが、ひまわり油「みんなの手」というとても栄養豊かな製品になって、またそれが全国に方々に広がっていきます。
福島を忘れないでいて下さる方々と栽培を通してつながっていく、これを細々ながら始めました。

細々ながら始まったこのプロジェクトも全国に広がり、このドネーションシップでも種を配布してくださいますけれど、一人の人がまた広げてくださることで、すそ野が広がり、今や500カ所以上で栽培してくださっています。
協力してくださる方々がこれだけいてくださることは、「ああ、忘れられていないな」と本当に大きな励みになっています。
この後も、会場の福島を紹介するコーナーに居ますので、詳しいことをお知りになりたい方は、どうぞいらしてください。ありがとうございました。



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