四川地震レポート ～CODE海外災害援助市民センターから

CODE海外災害援助市民センターのメーリングリストから
四川地震のレポートNo５

20日8時02分に四川省雅安市で発生した地震では、雅安市の各県に被害
が及んでいる。
22日16時現在、死者189人（蘆山県76人、宝興県24人、邱?県4人、天全
県3人など）、負傷者11460人、倒壊家屋2万8000戸（蘆山県内）という被害
が出ている。
　中国政府は、自国で救援できると判断し、外国からの支援を断った。だが、
先ほどロシアの198人の救援隊が外交部2名の同行付きで現地入りをしたと
の報道があった。

被災地では、政府の救援隊や官製ボランティアなどが懸命の救援活動を
行っているが、民間のボランティアも救援物資を車に積めるだけ積んで現地
に向かっている。だが、被災地へ続く一本道は政府の救援部隊、ボランティ
ア、被災した友人や親せきを訪ねる人々の車で渋滞を起こしているという。一
人ひとりが助けたいという思いで現地に向かっているのだろうが、険しい山間
部の一本道に、岩や土砂が崩れた状態に車両が殺到する状況が救援活動
をより困難な状態にしている。

　昨日、政府は救援車両を優先させるべく、交通規制を開始した。民間のボ
ランティアはおろか被災者の親せきでさえも許可者がないと通行できないと
いう。
　だが、蘆山県で最大の避難所になっている蘆山中学では、テントの教室が
開設された。そこで教えているのは成都の西南財経大学のアメリカやカナダ
の留学生たちだ。いつの間にか現地でボランティア活動を開始しているので
ある。また、中国人の民間のボランティアたちは、検問が通れないことから
バックパックを担いで山を歩いて越えているという情報もある。山奥の被災地
では、たったひとりのボランティアを待っている人がいるかもしれない。人を救
おうという気持ちは、検問や山、国さえも越えていく。

2008年の四川大地震では、直後に中国全土から駆け付けたボランティアは
170万人（1年間で300万人）とも言われるが、その60％は民間の個人ボラン
ティアであった。それぞれが微博（中国版ツイッター）で情報を交換しながら
広大な被災地各地に散らばって活動した。2008年のボランティア元年から5
年、越境していくボランティアを政府がどのように活かしていくかが、再び問
われようとしている。
（吉椿雅道）

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