羊蹄学園大学社会学部講義集

北の大地に突如としてできた架空の大学。
かつてないテーマで綴る社会学とは?

教育遊戯・第19回~主軸~

2009-01-24 00:00:23 | 教育遊戯
こんにちは。

先日、この講義集立ち上げに際してアドバイスくださった方から「最近のは頑張っている、面白い」と感想をいただきました。
ありがとうございます。

と同時に、「では以前のはつまらなかったのか」ということになるのですけど、というよりはこの方は塾や教育業界に縁もゆかりもない人、そういう人から見れば少し前の内容は専門的過ぎた、という話でした。

ここで思うのは、誰を相手にやっているかということ。
何かの役に立ちたいと思うのは当然ですが、それが何なのか。
思えば、開設当初は小中学生の保護者が多く見るのかなぁと思ったものですが、塾関係者ばかりです、実際は。
それは悪いことじゃないし、別に構わないのですが、と同時に見ているにもかかわらず会社のこともあって仕方ない部分もあるにせよ、コメントの類も少ないことに、塾関係者というのは陰気って思われても仕方ないだろう、これじゃ…と思ってしまいます。
コメントあってもあんな感じだし…ねぇ?

そして更に思うのは、我が子の塾選びにチラシやCMで安直に決める保護者の多いこと!
我が子の勉強不足の前に親がそもそも勉強不足…これじゃあ、成績なんて上がらないよなぁ…というトホホな心境があります。

ま、それにもめげず頑張るわけですが…

さなるの話を改めてしよう、と思ったのは、前回も冒頭でお話ししたように、三島進学ゼミナールとの提携話があったからです。

以前紹介したように、静岡の大手塾は大井川を境に東を秀英、西をさなるが占めてきました。
ところが同じ東でも一番東端の県東部は微妙でした。
富士市は秀英が、沼津市はかろうじて「さなる」が、そして三島市は三島進学ゼミナールが占めていたからです。
つまりさなるも秀英も同じ静岡県内でありながら縁の薄い地域ゆえ地場の大手塾である、三島進学ゼミナールがなかなか頑強に君臨していたのです。

では、なぜ三島進学ゼミナールはさなるとの連携を決断したか。
三島進学ゼミナールではこう言っています。

先に述べたように現状のゼミナールにはなんら問題はありません。しかし、これから10年あるいは20年先を考えたときにインターネット、パソコンを使っての在宅学習がさらに発達することが予想されます。そのような中で私たちが今メインとして行っている集団一斉授業の形も、いろいろな学校から意欲ある生徒が集まって切磋琢磨する塾本来の姿として維持していくと共に、新しいIT技術を取り入れた効率的効果的な指導を取り入れたものに進化していくことも必要です。
そして、そのようなシステムやソフトの開発には私どもゼミナール単独では成し得ない技術開発力や資本力が必要です。それらを考えたとき、今回の佐鳴予備校との業務提携も一つの選択肢であると考えるに至りました。
 佐鳴予備校代表の佐藤イサク氏と前塾長谷澤秀行とは27年以上におよぶ盟友であり、これまでも互いに良い意味でのライバル心を燃やしそれぞれ理想の塾の実現を目指し競い合ってきました。その結果、佐鳴予備校は業績では全国ナンバー1の塾となり、三島進学ゼミナールは限られた地域の中での集客力や信頼度では業界ではナンバー1と称される塾となりました。授業方法や経営手法は違っていても、理想の教育を目指すという根本理念では共通したものがあります。
 前述のような情報化社会の中で新しいメソッドを開発し、従来の塾の持つ良さをさらに発展させていくために、お互いがこれまでに蓄積したノウハウを提供しあうことがベストの方法であると両者で意見が完全に一致し、今回の業務提携が実現しました。


うがった見方をすれば今後の拡大の目算が立たない、と見ることもできるような…。

同様にさなる側は…

これまで互いに指導技術の練磨に努め、それぞれが独自の発展・成長を遂げてまいりました。ところが昨今、文科省主導の「ゆとり教育」の煽りを受けて全国的に学力低下の危機が叫ばれ、また首都圏と地方では歴然たる教育格差の現実が存在するなど、教育界は混迷を極めています。生徒のニーズも多岐に渡り、これまでの一斉授業だけでは対処しきれない場面も少なくありません。佐鳴予備校では個別学習指導の体制を強化し、また自律学習のシステムを新たに開発するなど、指導形態を多様化してまいりましたが、まだまだブラッシュアップの余地があります。同様の問題意識を持っていた谷澤前塾長からこのたびお話があり、教育の更なる高みを目指すべく議論を重ね、今回の業務提携の実現に至りました。これより三島進学ゼミナールはさなるグループの一員となり、志を同じくして地域の理想の教育実現に向け、邁進することとなります。互いに学ぶべきところは多大であり、双方に大きなメリットのある提携であると確信しています。
生徒たちのために佐鳴予備校に通われているお子様にとって、これまでの指導形態になんら変更されるところはございません。互いに「他塾」の垣根を取り払い、たとえば入学金を重複して支払うことなく一方の塾の生徒がもう一方の塾で特別コースを受講できるシステムなど、どちらに所属する生徒も双方のいいところを享受できるような連携指導の方法は検討しておりますが、基本的な校舎の運営そのものについて、これまでと変わるところはありません。


という感じです。
これを元にここから話を膨らませていきますが…それはまた次回ということで。