ポートランド日記

米オレゴン州ポートランドでの生活模様

教会に行こう!①First Congregational United Church

2009年04月13日 | 教会へ行こう!
ポートランド、特に私が住んでいる“歴史地区”と呼ばれる地域は、名前の通り歴史的建造物が多く残されている地区で、我々の住む大学寮も築80年を越える外観は重厚なレンガ造り。また、犬も歩けばなんとやら、という頻度で、本当に多くの教会も点在し、それこそ数え切れないくらい。

海外に出るようになってから、日本の神社仏閣って、いわゆる日本人共通の文化遺産だなぁと思うようになった。特に重文や国宝、世界遺産に登録されるようなお寺や神社でなくても、今その建造物を再現しようと思っても、技術的にも予算的にもとてもムリだし、多くは住職や神主など管理人によってきれいに掃き清められ、境内はともかく庭先は誰でも入れたりと、今まで当たり前に近所にあったこの公的空間を、上手に利用しないテはないと思う。そういった観点に立って、特に地価の高い都心のお寺等では、境内をカフェとして開放したり、説話教室を開いて一般人の関心を高めたりと言った努力が行われているところもある。

というわけで、現地人にとっては見慣れどうということはない教会も、私にとっては、外観を眺め、内装はどうなっているのか確かめ、また各教会・宗派ではどんな活動をしているのか、知らないでいるのは勿体ない!と思い、早速近所の、見た目が立派な教会に足を運んでみた。


First Congregational United Church of Christは、アメリカを中心に120万人の信者を抱えるプロテスタントの宗派“United Church of Christ”に属している教会で、19世紀半ばに建築されたこの教会は、重厚な石造りの外観に、時報を告げる鐘を吊るしたタワー、美しいステンド・グラスが特徴的で、中に入ると、正面の壁のパイプオルガンが目に留まり、キリスト像はなく、木製の大きな十字が壇上の端に置かれ、建物自体は昔のままであるため重厚な印象だが、内装は至ってシンプル。

ここは年配の女性と中年の男性の2人の牧師さんがいる。ちなみに、女性の牧師さんが活躍しだしたのはここ20~30年ほどのことで、新しい流れとのこと。ちなみに現在では、多くのプロテスタントの宗派では妻帯が認められていて、夫婦で牧師を務める教会もある。なお、牧師さんの人柄によって教会そのものの“カラー”も決まるといって過言でないほど重要で、“前はよく行ったけど、牧師さんが替わってからは行かなくなった”という現地人も少なくない。

ちなみにこの教会は、聖書を文字通り実践しようとする“エヴァンジェリカル”と呼ばれる人々とは一線を画していて、“リベラルさ”がモットーという。

なお、この教会では毎日曜日、“サービス”と呼ばれる日曜説教があり(カソリックでないため、“ミサ”という言葉はあまり使われない)、誰でも参加することが出来る。外観と近さでたまたまこの教会を選んでみたのだけれど、なんと知り合いが通う教会であることが発覚、彼女に色々と教えてもらうことが出来た。この教会は市内でも活発な活動で知られているということで、説教も牧師さんが各季節に応じた内容を簡潔に話すだけで、後はコーラス隊とパイプオルガンに合わせて賛美歌を歌ったり、牧師さんの読む聖書の一説を続いて読んだりと、儀式めいたことは殆どなく、思ったよりカジュアルな雰囲気。ちなみに、ここのパイプオルガン奏者はオレゴン・シンフォニーの奏者ということで、かなりうまいらしい。レント(キリストの苦行に倣い肉食などを控える時期で、イースター行事の一環)期間のためか、出席者は50~70名程度で、やはり若い人はあまり教会に行かないのか、年配者が目立つ。

その日に話題となる題目や賛美歌などは冊子に書かれて、入り口で配られるから、賛美歌の歌詞を忘れたりしても大丈夫なようになっている。なお、この教会では地下に多目的ホールがあり、信者やその他の絵画を飾ってギャラリーにしたり、聖書の勉強会を開いたりしているそうで、本体のお堂でも宗教音楽のコンサートを開いたり、時にはジャズ・コンサートを行うこともあるらしい。

友人の彼女はかれこれ15年この教会に通って、様々な活動に従事しているみたいだが、古い人は子供の頃からずっと、という人もいて、かれこれ60年日曜礼拝に通っているおじいさんも紹介された。彼女の知り合いということもあって、私も牧師さんや信者のみなさんに暖かく迎えられ、教会の一日を垣間見ることが出来た。


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