ポートランド日記

米オレゴン州ポートランドでの生活模様

教会へ行こう!⑥The Grotto

2009年10月31日 | 教会へ行こう!
Grotto(グロット)”とは元々洞穴という意味で、この教会はまさしく洞穴を有しているため、この名で呼ばれている。

ポートランド市街北東部に位置し、まだ町外れと呼ぶには相応しくない住宅地の一角に、鬱蒼と茂る針葉樹の林が見えてくる。この全域がグロットの敷地といわれ、その中には巨岩をくりぬいて作ったグロットや、礼拝所、ギフトショップ、また巨大な岩盤とその上にある展望台などがあると言われる。また、それら建物を取り囲むように林の中には、人工の滝が流れたり、キリスト教の聖人像が設置されたり、キリストが十字を背負ってエルサレムの街を歩いた故事にちなむ彫像がいくつも点在していたりする。

教会の歴史は意外と浅く、1923年、元鉄道会社所有のこの地を買い取り、カソリック教会として整備(ちなみにこの教会設立の際には、当時のローマ教皇直筆の激励の手紙が届いたのだとか)。何と言っても最大の観どころは、名前の通り“洞窟”。なおこの洞窟は自然にできた物ではなく、人の手により削り出されたもので、ミケランジェロのピエタ(=キリストの臨終とそれを嘆き悲しむマリア像)を模した彫像が安置されている。敷地の木々の間にはスピーカーが設置され、低音の宗教音楽が流れ、荘厳な信仰心、というより怨念に近い何かを感じさせる。

これら地層階にある見所は全て無料で、洞窟の背面に当たる断崖絶壁をエレベータで登る上階は有料らしく、そこからの市街の眺めは素晴らしいのだとか。今回は上階には行けなかったが、クリスマスのミサなどかなり盛大にイベントを行うらしいから、また機会があれば、ぜひ行ってみたい。

※写真はピエタ像の前に跪いて祈りをささげる男性。真剣そのもの。ちなみに、カソリックって(スペイン、イタリア、中南米など)、本当にマリアさまが中心で、どちらかというキリストさまはオマケ的な印象を受ける。

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