ポートランド日記

米オレゴン州ポートランドでの生活模様

Sam, Sam, Sam!!!

2009年02月06日 | 地元事情
今年1月5日にポートランド市長に就任したばかりのサム・アダムスが退却の危機に瀕して、オバマ新大統領と話題を二分するポートランダーの関心の的になっている。

45歳の同市長は、昨年5月のポートランド市長選挙で58%の投票を獲得して当選、全米30大都市では初めて、自身がゲイ(同性愛者)であると公表した市長が誕生した。(なお、この市長選の際サム・アダムスの最大の対抗馬となったのは地元ビジネスマンの日系人)

同氏の評判はといえば、完全に二分されている。支持者は、彼の州・市行政での業績、特に世界的に注目されているエコ・フレンドリーな公共交通の導入などの成功や域内のビジネス活性化を高く評価していている。

一方、私の周りにいる人々はどちらかと言えば否定的な人々が殆どで、表立って非難しないけれど、やっぱり自分たちの市長がゲイであることが生理的に受け入れられない人、彼のワンマンかつ他者に対する攻撃的な態度を批判する人、その他は、彼が市長であることで、ポートランドが活性化するのであれば、市長の個人的趣向や性格にはある程度目をつぶる必要があると思っている人、などなど。

1月13日に市長本人のスピーチに同席する機会があったが、機嫌の良い日だったのか、ジョーク(「ポートランドは“アウトドア”のファッションの中心」、とか)など飛ばしながら、同席者からの質問にも軽快かつ的確に応じていて、とにかく自信マンマンな政治家、という印象。

だったのが一転、その約1週間後に市長就任半月で辞職の危機に!
ことの発端は2005年、当時未成年(アメリカの成人は18歳、飲酒・喫煙は21歳)の州議会のインターンをしていた青年と知り合っていて、市長選前の2007年9月には、同青年とは性的関係はないと主張していたのに、今年1月19日、タウン誌に動かぬ証拠を捕まれたようで、同青年との間に性的関係があったことを認め、謝罪。

ポートランドには有料・無料、日刊・週刊の様々なタウン誌が発達していて、地元のみならず、全米のメディアもこぞって新市長のスキャンダルを報道。
市長は嘘をついたことについて謝罪すると共に、1月25日に辞任しない考えを表明。現在、市長職に復帰しているが、市長が相手の青年は当時18歳(成人)に達していたため未成年との性的関係はなかったとし、ただ2007年にウソをついたことのみに謝罪したのに対し、その後相手の青年がメディアに露出して当時自分は当時未成年だったと暴露したことから、現在も当局の捜査は続いていて、結果次第では本当に退陣に追い込まれる可能性も残されている。

ポートランダーの反応はと言えば・・・就任した時にある一定の支持をおいていた人も、ことの真相が明らかになるにつれて、かなり嫌悪気味。当初「サム、なんてバカなことしちゃったのかしら」と言っていた元カウンセラーの女性は、同人らが知り合った当時、市長はインターンだった青年のメンター(世話役)であったことが公になるや、「相手が未成年であろうとなかろうと、若年者を導く役割にある者が犯した社会的罪は重いし、そんな人間が市長続投なんてあり得ない」と一刀両断。また、「選挙前に事実関係を認めていれば、絶対彼は当選していなかった」という人も多いし、さらには、彼の対抗馬を押していた人々は、チャンス到来とばかりに嬉々として再選挙の準備に取り掛かっているという。

税金も払ってないし、市民権もないけど、今後の捜査と市長の進退の行方、多くのポートランダー同様、要注目です(笑)






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