
北海道博物館。札幌市厚別区厚別町小野幌。
2022年6月23日(木)。
続縄文時代後半には、北海道全域に後期北海道式薄手土器の略称である「後北式土器」が広がり、この土器はさらに、東北地方や新潟県にまで広がった。このころは東北地方北部にも、続縄文文化が広がったと考えられている。
鈴谷(すすや)式土器はアムール河口部の古金属器文化と北海道の続縄文文化との2つの土器系統の融合によって成立したと考えられており、これら2つの文化の交流を示す資料とされている。
鈴谷式土器が出土するのは主にサハリン中部以南から北海道北端部にかけてであり、この土器は道東部へ客体的に搬入されたものとみられる。口縁部の文様や尖底などサハリン北部と共通する特徴を色濃く持ち、道東部とサハリンとの直接の交渉の可能性をも示唆する資料となっている。