<写真>GMは普通のデザイン
こんにちは!「工業デザイン相談室」の木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。
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◆普通の性能と普通のデザイン
203:【デザインのコツ・デザインのツボ100連発!】第3発 商品企画
1発目2発目に続き「性能とデザイン」のお話、完結編です。
1発目は性能が良くない場合、2発目は性能が凄い場合のお話でした。
今回は「性能が普通の場合のデザイン」についてです。
■「普通の性能」なんてない
「普通だ」というフレーズは良く使われますね。商品を見ていて「普通の商品だなぁ」なんて、私もついつい言ってしまいます。でも、本当は「普通の人」がいないように、「普通の商品」もないですよね。
もう少し、商品の「普通」について考えてみましょう。
実際、世の中に「性能・仕様が普通」という商品はないと思います。少なくとも作っている人はそう思っていない。
どこかに他社と差別化する要素がある。付加機能があったり、ターゲットを絞り込んでいたり、コストパフォーマンスが良かったり、販路が違ったり、なにかしら違うところがあるはずです。
ただし、その差がユーザーに伝わらなかったり、伝わっても良さがわかってもらえないために他社の製品に埋もれてしまう。それが、「普通だなあ」なんて感想になってしまいます。
■「普通のデザイン」はあるか?
実は、性能・仕様に較べると「普通のデザイン」というのは割合、明確に定義ができます。
いわゆる、「普及価格・低価格帯の商品デザイン」がそれにあたります。
大手の企業は、一般的に高価格・普及価格・低価格の商品ラインナップを持っています。
「高価格帯」の商品は、その企業のイメージリーダーモデルとして仕様・性能・デザインとも気合いをいれて開発します。
「低価格帯」の商品は、仕様は最低限に押さえ、性能も基本的なものとし、部品点数も減らし、低価格な素材を使うため、外観デザインで変化がつけられず、他社との差別化が難しくなります。
「普及価格帯」のデザインは、ちょうど高価格帯と低価格帯商品の中間になります。それでも、「低価格帯」よりはデザイン面で凝ることができます。
しかし、ここで、自社のラインナップ内での差別化という問題が出てきます。自社の商品でも一目見ただけで「高価格」「普及価格」「低価格」の違いが明確でなければ「高価格」商品の存在意義がなくなります。見た目での差別化はデザインが一番有効です。
そんな訳で、「普及価格・低価格帯の商品デザイン」は、なんとなくどこかで見た事があるような「普通のデザイン」になってしまいます。そして、「普及価格」「低価格」商品は、大量に生産されるため、目に触れる機会が多くなります。見慣れるとますます、「普通」になってしまいます。
これが、普通のデザインが存在する理由です。
■「普通のデザイン」は大企業のデザイン戦略
上記のようなわけで、「普通のデザイン」は、高価格・普及価格・低価格の商品ラインナップを持って、全てのターゲットを取り込める大企業の戦略だと言う事がわかります。
「普通の性能」「普通のデザイン」は、ターゲットを絞り込んで一点突破を狙う中小企業がとるべき戦略ではありません。
見慣れているからよく売れていると勘違いして、真似をすると痛い目に会います。
中小企業では、ターゲットや価格帯を定めて、仕様・性能・デザインを十分に検討するべきです。決して、「普通の性能」「普通のデザイン」をするべきではありません。
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1発目は性能が良くない場合、2発目は性能が凄い場合のお話でした。
今回は「性能が普通の場合のデザイン」についてです。
■「普通の性能」なんてない
「普通だ」というフレーズは良く使われますね。商品を見ていて「普通の商品だなぁ」なんて、私もついつい言ってしまいます。でも、本当は「普通の人」がいないように、「普通の商品」もないですよね。
もう少し、商品の「普通」について考えてみましょう。
実際、世の中に「性能・仕様が普通」という商品はないと思います。少なくとも作っている人はそう思っていない。
どこかに他社と差別化する要素がある。付加機能があったり、ターゲットを絞り込んでいたり、コストパフォーマンスが良かったり、販路が違ったり、なにかしら違うところがあるはずです。
ただし、その差がユーザーに伝わらなかったり、伝わっても良さがわかってもらえないために他社の製品に埋もれてしまう。それが、「普通だなあ」なんて感想になってしまいます。
■「普通のデザイン」はあるか?
実は、性能・仕様に較べると「普通のデザイン」というのは割合、明確に定義ができます。
いわゆる、「普及価格・低価格帯の商品デザイン」がそれにあたります。
大手の企業は、一般的に高価格・普及価格・低価格の商品ラインナップを持っています。
「高価格帯」の商品は、その企業のイメージリーダーモデルとして仕様・性能・デザインとも気合いをいれて開発します。
「低価格帯」の商品は、仕様は最低限に押さえ、性能も基本的なものとし、部品点数も減らし、低価格な素材を使うため、外観デザインで変化がつけられず、他社との差別化が難しくなります。
「普及価格帯」のデザインは、ちょうど高価格帯と低価格帯商品の中間になります。それでも、「低価格帯」よりはデザイン面で凝ることができます。
しかし、ここで、自社のラインナップ内での差別化という問題が出てきます。自社の商品でも一目見ただけで「高価格」「普及価格」「低価格」の違いが明確でなければ「高価格」商品の存在意義がなくなります。見た目での差別化はデザインが一番有効です。
そんな訳で、「普及価格・低価格帯の商品デザイン」は、なんとなくどこかで見た事があるような「普通のデザイン」になってしまいます。そして、「普及価格」「低価格」商品は、大量に生産されるため、目に触れる機会が多くなります。見慣れるとますます、「普通」になってしまいます。
これが、普通のデザインが存在する理由です。
■「普通のデザイン」は大企業のデザイン戦略
上記のようなわけで、「普通のデザイン」は、高価格・普及価格・低価格の商品ラインナップを持って、全てのターゲットを取り込める大企業の戦略だと言う事がわかります。
「普通の性能」「普通のデザイン」は、ターゲットを絞り込んで一点突破を狙う中小企業がとるべき戦略ではありません。
見慣れているからよく売れていると勘違いして、真似をすると痛い目に会います。
中小企業では、ターゲットや価格帯を定めて、仕様・性能・デザインを十分に検討するべきです。決して、「普通の性能」「普通のデザイン」をするべきではありません。
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