えー先日、某映画館の4本立てオールナイト上映に行ってきました。
オールナイト上映に行ったこと自体は、凄くいい経験なんだけど…
いや、映画館で映画見ながら、ブチ切れる、作品に腹をたてるなんて経験を初めてしましたよ。
腹を立てた映画はヴィム・ヴェンダース監督の『パレルモ・シューティング』
こんど詳しくレビューはすると思いますが、いくつか覚書的に。
最初に断わっておきますが、僕はヴェンダースが一番好きな監督。
そして、『パレルモ・シューティング』に関する酷評は、ヴェンダースの天才ぶりを高く評価しているが故であることを理解してほしいと思います。その点、ファンの方には誤解なきよう。
ていうか、僕自身が熱狂的なヴェンダース・ファンなんですけどね(ヴァンダース作品や彼自身を酷評しているレビューなり、評論なんかを読むと、激怒する人間ですから)
まあ直近でダルデンヌ兄弟の『ある子供』、アッバス・キアロスタミ『友達のうちはどこ?』という名作を見ているせいもありますが。
まあ、はっきり言いますが『パレルモ・シューティング』は駄作!!!(そのうち評価が変わるかもしれませんが?)
ヴェンダースでもこんなことやっちゃうんだ。なにこれ、ヴェンダース作品への悪意のあるパロディ?と言いたくなる内容。
唯一、考えることと言えば、ヴァンダースがフィルモグラフィー的に、この時代、この時期に「死への恐怖」というテーマを作品にしたというだけ。
僕は、ある映像作家の作品については、哲学史や思想史のように、「なぜAという作品の後に、Bという作品にCというテーマを込めて製作されたか。その意味は?」という感覚で鑑賞する(いわゆるコンテクストを読むと言うことです。そうすると小作品でも異常な意味が出てくる)。
だから、世間的にはそれほど高い評価ではない作品でも、個人的には激賞している作品があります。
典型が、ヴェンダース作品自体である『ランド・オブ・プレンティ』(そのうち、この作品への僕の激賞を詳しく書くかも)。
でも、今回はなんか悪い予感が当たったな~
もう見ている間中、「ヴェンダース監督、そうじゃないでしょ!!!」、「監督は、もっと凄い作品とれますって」、「お蔵入りにしてくれ」と心の中で叫んでいた。それぐらい、鑑賞中腹が立っていました…
音楽の使い方が卓越している監督なのに、今回は音楽の使い方が本当にうっとおしかった。
作中、ルー・リードが出てくるシーンがあるんですが、大失笑ものでしたよ(ヴェンダースが嫌いな人は爆笑ものでしょうが)。
とにかく、『パレルモ・シューティング』への詳しい酷評レビューを書くということを予告しておきます。
最後に、『パレルモ・シューティング』に関しては酷評だけれども、ヴェンダースの天才ぶりに関する評価は変わらないし、他の作品への僕の深い愛情は変わらない。そしてヴェンダース・ファンも辞めないことだけは、確かです。
あー、自分の好きな監督作品に失望するなんて…
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