引越以降、実は我が家にテレビが無い。
これは結構いいことで、世の中の状況に疎くはなるが、喧騒から外れることで、かなり心の平穏を得ている。
とはいえ、どうせ今日はAKB48の「総選挙(?)」で(マスメディアを含め)世の中一色になるだろう。これにプロテストしておきたい。
という意図で、このエントリ
(ちなみに、僕の押しメンは篠田麻衣子さんです。どうでもいいっすが(苦笑))
この話題については、自分独自の視点があっていつかは独自に論じたいのだが、現在のところその精神的な余裕も時間的な余裕もない。
(と同時にこのアイドルグループのPV制作に関わった、某有名映画監督にはファンだっただけに大いに落胆させられた。このことも記録に残しておきたい。この件で映画監督も芸能人・芸能関係者の一人なのだなと、失望と同時に理解し、彼に過剰な役割を担わせていたのかなと自己反省もしている)
そこで、この件についてほぼ完全に同意できる意見に代弁してもらう。
まず一つは、経済学者の金子勝氏のブログ。
≪炎上日記再び:AKB48にはついていけない≫
http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/archives/1260891.html#
金子氏はこのアイドルグループは、貧困ビジネスだと喝破している。
まさにその通りだと思う。
このサイクルに、社会の貴重な経済資源が巻き込まれていると気づかされると、本当に気分が悪くなる。
重要なのは、グループメンバーもファンも(非自覚的な)社会的被害者であるということである。
次は、ジャーナリストの青木理氏のニュース解説。
青木氏は、「総選挙」結果のフリップを「見せたくもない」と言っていたが、僕も「見たくない」。
両氏の意見の紹介と共に、僕自身のコメントをいくつか。
このアイドルグループの「恋愛禁止」というルールについて。
この問題(ボーイフレンドや合コンの写真流出)で、メンバーが脱退、芸能活動の休止等に追い込まれている。
僕は、「アイドルとはいえ、生身の人間じゃないか。その生身の人間が、恋愛をしたりすることのどこに倫理的な問題があるんだ。それによって、彼女たちが芸能活動を休止することに追い込まれることは、極めて理不尽じゃないか!!!」と、大きな怒りを感じている。
ファンは、このことに何も感じないのだろうか?
ファン達の間から、このことの矛盾を問う声が起こり、問題となったメンバーを擁護する人が出てきてもいいのではないか?
次にスキャンダルが起こるたびに、謝罪を繰り返すスタッフ、特にプロデューサーの秋元康氏について。
この姿勢には、本当に言いようのない疑問がある。
彼は自らが育てた教え子たちを、擁護し守るということを、ここまでしないのか。
世間というファシズムや、芸能ビジネスという経済論理に個々まで従順なのか。
悪辣で戦争をひき起こす政治家、軍人、死の商人などよりもよっぽどたちが悪いと考えるのは僕だけだろうか?
三つ目に、昨年のこの騒動で1位になった前田敦子さんの発言について。
(「総選挙」なんていうのが嫌になってきた。選挙は民主主義を構成する重要なものなのに、こんな無批判なメディアイベントに使っていい言葉なのか?)
彼女は、壇上で「私のことは嫌いになっても、AKBのことは嫌いにならないでください」と涙を流しながら語っていた。
だが、僕の意見はまったく逆だ。
AKBに参加している全メンバーを嫌いになることはほぼないだろう。
だが、彼女たちやファンたちを巨大な矛盾の渦の中に引き込む、この「AKB48」というシステムだけは、絶対に好きなることはない。
ほぼ徹底的に嫌悪している。
最後に
アイドル=Idolとは偶像という意味でもある。
世界中の多くの宗教において、偶像崇拝は禁止されている。
それは真実ではないものが、人びとを支配し、大きな矛盾に落ち込ませ、人びとを苦しませるからという、宗教的・哲学的・倫理的思想から論じられているのだ。
この現象は、日本における重大な、偶像崇拝現象ということだと考えている。
幻想を崇拝し、人々のリアルな生を虚無的な空間なかに捨て去る社会現象ではないだろうか。
自己の生を、よりリアルに生きるということが問われていいはずだ。
(だからこそ「たかが芸能騒動」と切り捨てられかねないこの現象に、僕は以上に過敏で嫌悪しているのだ)
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一時的な現象かと静観する気持ちもありましたが、大成功のビジネスモデルとか持ち上げて、ある時期からNHKまでがすり寄る醜悪さに、そら恐ろしい気持ちになりました。
背後にうごめくファシズムの影、悪魔的システムに乗せられる無知な若者を救い出す手立てはないのだろうか。
暗澹たる思いが募るばかりです。