★いくつ?:★★★★★
以前から、見たいと思っていた映画「アンダーグランド」。
エミール・クストリッツア監督以下スタッフが、旧ユーゴに捧げた極めて寓話的かつエンターテイメントな映画である。
(1995年カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞)
旧ユーゴ紛争のニュースは、僕に人間や国家や国際情勢を考えさせる切っ掛けとなった。
僕が衝撃を受けたのは、昨日まで友人や親族であった人々が、セルビア人かクロアチア人かボスニア人かムスリム人かマケドニア人かという民族によって血で血を洗うような内戦を始めたことである。
大きな衝撃を受けざるえなかった。こんなことがあっていいのだろうか?、と。
(東欧の悲劇的歴史が、それまで東北アジアの愛国少年であった僕の考えや感覚を、自身で問い直す持つ切っ掛けとなった)
前置きはおいて、映画について。
(細かなストーリははしょります)
旧ユーゴの対独・ナチスへのパルチザン闘争と、旧ユーゴ紛争(ユーゴの矛盾?)への鎮魂の映画である。
それが素晴らしいエンターテイメントとして成立している。
まず、音楽が素晴らしい。最初のシーンから、その音楽と映像の展開が極めてエキサイティングである。
語る必要はあるのだろうが、語る必要なくとにかく楽しかった(悲劇が撮られているにもかかわらず)。
悲劇を胸に刻み込むことで、悲劇を乗り越える意志が貫徹されている映画だと思う。
南スラブの悲劇に鎮魂の花を。
南スラブの過去・現在・未来の栄光に乾杯。
映画を観終わったあと、そう叫びたくなる映画なった。
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