砂漠のレインメーカー

夕暮れの 陰の廃墟に 病みを視る
宿す闇こそ 塩の道なり

【甘口映画レビュー】さすらい

2011-06-11 21:32:32 | 映画


さすらい

★いくつ?:★★★★

レビューの前に、この映画でグロいシーンを指摘しておかないと。
それは映画冒頭、ブルーノがトレーラーのなかで全裸でいるとこ。
序盤、ブルーノがトレーラーから降りて野○ソするとこ。
終盤、ローベルトが立○○ンするとこ。
もちろん、映っちゃいけない部分にはボカシが入ってますが、知らずに視ると確実に引きます(+_+)

ヴェンダースファンとしても、「監督、写実主義といってもええんですかいな!?」とツッコミを入れたくなる。

ではレビュー本編へ

※※以下ネタばれ注意※※

イッセー尾形が自分の一人芝居の登場人物を、こう表現していたはずだ。
「どこにでもいそうで、いない、普通の人」

この映画も、同じような話だ。
「ぜったいにありえない、ありそうな話」

話は妻に捨てられたローベルトが車で河に飛び込むところから始まる。
一人トレーラーを駆りながら、各地の映画館の機材修理などの仕事をする映写技師ブルーノ。
ローベルトをほっとくわけにはいかず、二人の奇妙な旅が始まる。

「ぜったいにありえない、ありそうな話」
それはこういことだ。
女に捨てられた男なんて山ほどいる。
孤独な男なんて山ほどいる。
そんな二人が旅をする。

(一応僕は愛と、恋は分けている。だがここでの愛は恋とほぼ同義だ)
愛のないやつは孤独になる。
孤独なやつは愛がない。

そんなやつらがどうもがいて生きているか。
そして、愛しき人なきことにどう決着をつけるか。

「ぜったいにありえない、ありそうな話」
だと思っている。

採点は僕の思い入れが強い分★4つに留めておく。

以下印象にのこったセリフ等
ローベルトに勧められ、最初は気乗りのしなかったブルーノの故郷・生家訪問の際のブルーノ
「来てよかったよ。俺にも人並みの過去があったんだ…」
(現代社会ってやつは、その過去から皆を引っぺがす)

ローベルトがブルーノとの別れる際の書置き。
「変化は必然だよ。また会おう。ローベルト」

ブルーノ
「ああ、おれも努力する」

【追記】
今回、数年ぶりに再鑑賞したのだが、思い入れが強い分、視ていて何度も辛くなった。
視るものを辛くさせると言うことは、その分映画としての完成度が高いということだと思う。



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