砂漠のレインメーカー

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【メディア不信】いい加減筆を折ってくれないか 金子達仁

2010-06-16 21:27:08 | メディア不信

何度かブログのエントリにあげているように、僕の反国家主義、反グローバリズムという考えから、ワールドカップにはアンビヴァレンスな感情を持っている。
いや、もう世界の悲惨な現実をみると、「パンとサーカス」によってそれを見えなくさせようとするワールドカップには批判的だ。
出来るだけ、見ないようにしようと思っている。

だが、どうしても言っておこう。
金子達仁。いち早くアトランタ世代の選手たちと密接な関係と築き、売れっ子作家となった人間である。
(作家と言えるんだなこの人。僕が尊敬する辺見庸、大江健三郎とおなじジャンル…)

で彼がこんなコラムをスポーツ新聞に載せたようだ。
「こんなにも悲しい勝利があるなんて」

殺意がわきそうになった。
(おっといけない、僕は平和主義者だった)

詳しく書く時間は無いが、金子はスポーツライター界きってのアジテーターだろう。
中田との密接な関係から、自らの名を売ってきた。そして、良質のアトランタのノンフィクション以降は、こういった人気選手との関係からアジテーターに成り下がった人間。
物事の実相を捉えよう、逡巡しよう、そのうえで批判しようというものとは別に、刺激が強いだけの記事を書くようになった。

思えば、僕も金子に騙された人間だ。彼がフランスワールドカップ時、加茂監督解任論の急先鋒だった。
出場決定後、岡田武史監督の経験の無さをいい、世界で一流の人物を選ぶべきだと語っていた。
(思えばこのころから、盛んに欧州の一流監督を連れてこいという声が大きくなりだしていた)
そんな彼が、このような人物こそ日本代表に相応しいと推薦していたのが、当時横浜フリューゲルスの監督に就任したレシャク氏。
レシャクは、スペインの名門FCバルセロナでコーチをしていた優秀な人物である。
しかしそんな彼も、フリューゲルスではシーズン途中に解任されている。

そして金子が当時ぶち上げていたのが、ジーコ監督論であった。
鹿島アントラーズの創設と、常勝軍団への発展に重要な役割を担ったジーコ。
世界的な名選手でもあった。

ジーコ監督論は僕も支持していた。
そして僕も期待したジーコの日本代表は。どうなったかは多くを語るまい。
僕の結論はジーコは、選手とクラブゼネラル・マネージャーとして優秀だったのであり、監督は彼の場所ではなかったということだ。

しかし2006年、ジーコ監督論をぶち上げだ金子は、自らの責任を棚に上げ、週刊誌の広告にこう書いていた「何もしてくれなかったジーコ」
バカバカしいことはよく分かっていたので、読む気はしなかったし読んでいない。
しかし、あきれる、あいた口が塞がらないとはこのことだった。
彼自身、自ら監督ジーコ論をぶち上げた責任は感じていないのか。逡巡した結果、文筆業を営んでいるのか…
主張は一貫していない。常に逆張り。刺激的、辛口、毒舌。このスタンスしかない。
矛盾したこと、二枚舌が平気で使える。
(そして自分に富をもたらしてくれた、中田英寿にはおべっかしか使えない)

かつてオウムを好意的に扱った、評論家や宗教学者がどういった道をたどったかそれなりに知っている。
良心的なマルクス主義者は、スターリニズムと社会主義の崩壊に直面し、自己批判と逡巡しながら新たな思想を構想しようとしている。
アメリカの良心的保守主義者は、怪物と化した自国に当惑を覚えて自己批判せざる得ない状況に追い込まれている。

たかがサッカーライターなのかもしれない。
しかし、自分が嫌いなもの、あるいは批判すれば飯のタネ、金づるなると思っているもには、平気で罵詈雑言を吐ける。
そんなスポーツメディア、そしてライターなど存在価値があるのか…

そして、これはスポーツメディアだけの問題ではないだろう。

マスメディア全体の問題。

自己矛盾することを平気で言い続ける政治評論家、ジャーナリスト、コメンテーター、などなどを、これまた平気で起用し続けるマスメディア。
自己批評、自己批判、批判空間など存在しないし、必要としないマスメディア。

金子達仁は、一スポーツライターにしかすぎないかもしれない。
しかし、金子の醜悪さは、同時にこの日本のすべてのマスメディアの醜悪さなのだ。
だから、言ってはいけないことを言いそうになる怒りとともに、このエントリをあげる。

この怒りの対象は、一サッカーライターではないのだ。

問題は、過去に自分の欠いたものに自己審問しない、書き手に、いや体の悪い三流から五流ぐらいに過ぎないアジテーターにいつまでも書き続けさせている、メディアだ。
そのメディアは、僕たちの似姿だ。

【追記】
(1)
最後にブログアップしていた文章は、いくら批判とはいえ常道を逸していたと思いましたので、削除しました。申し訳ありません。
(2)
金子達仁批判は、別にエントリをあげようと思っていたので、それと合体するかもしれません。
その場合、このエントリは削除対象になるかもしれません。その点はご了承ください。
(3)
またサッカーの話ですが、問題はマスメディア全体のものと考えているので、新しく「メディア不信」のカテゴリを作成し、こちらに分類しました。
(4)
金子達仁と、某都道府県知事H○S○IM○Oや、まだましだけど学者のM台あたりは、顔や風貌から醸し出す雰囲気は同じような感じがするんだよな。
アジテーターからはアジテーターの匂いがするということか…



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