砂漠のレインメーカー

夕暮れの 陰の廃墟に 病みを視る
宿す闇こそ 塩の道なり

Vs -Pearl Jam-

2011-01-30 12:30:26 | Rock Music

名盤レビューを。
僕の一番好きなロック・バンド、Pearl Jamの2ndアルバムである。
Pearl Jamは2005年にUSA TODAY誌上で行われた、「最も偉大なアメリカのロックバンド」というアンケートで、大御所Aerosmithや有力なMetallica、そしてRage Against The Machine、Nirvana、Green Day等を抑え堂々に一位に輝いている。
日本に来てくれないだろうか…
こんなに素晴らしいバンドなのに、日本での人気は絶望的に低い。
同時期に出てきた宿敵Nirvanaは日本でも異常な人気を誇っているのに…
これはカート・コバーンが自殺した悲劇性が多分に影響しているのかもしれない。
日本人が、ゴッホを好きなように。
誤解が無いように言っておくと、カート・コバーンもゴッホも素晴らしいアーティストだと思うのですが。
それとNirvanaの方がPearl Jamに比べて曲がキャッチーで入りやすいということはある。

自分がPearl Jamが好きな理由は、純粋に音楽が好きと言うこともあるんだけど、バンドがたどってきた歴史も影響している。
闇の底で自死を選んだカート・コバーン苦悩に最大限の共感を示しつつも、僕は生きたい、生き続けてこの世に生まれてきたこと最大限に享受し、生命を燃やし尽くしたいという渇望がある。生き続ける事を欲している(それは一つの倫理でもある)。
Pearl Jamは犬猿の仲だったカートの死を背負い、時代の代弁者・ジェネレーションXの代弁者というレッテルを張られ、しかしそのレッテルを引き受ける苦難の歴史だった。
それでもPearl Jamのメンバーたちは生き続ける事、そしてバンドを解散させることなく、長きにわたって音楽を作り続けている(メンバーもDr以外はデビュー当時のオリジナルメンバーのまま)。

その他にも、チケット販売を独占することによって不当な中間マージンによって利益をむさぼっているとチケット販売業者をアメリカ反トラスト委員会に訴えたチケットマスター闘争。反ブッシュ運動に傾倒していった2000年代etc
このバンドに深い共鳴を覚える理由は尽きない。

では名盤Vsの内容へどうぞ~!!!

★いくつ?:★★★★★

Pearl Jam "Vs"

紛うこと無き、90年代初頭アメリカンロックの名盤。
何度も言いましょう、名盤!名盤!名盤!名盤!名盤!
発表は1993年(もう20年近くもなるんだな…)。
発表当初、本国アメリカで売れに売れまくったのでレジクラッシャーと言われたほどである。
おそらくPearl Jamのディスコグラフィーで最もキャッチーで入り込みやすいアルバムだと思う。
僕が初めてPearl Jamを聞いたのは4thアルバムのNo Code。
当時ハードロック/ヘヴィメタル(以下HR/HM)に傾倒していたので正直No Codeはピンと来なかった。
それを知人に話すと「HR/HMファンならVsからPearl Jamに入ったらいい」と言われて聴いてみた。
はい一曲目のGoで打ちのめされました!!!
GoはジェネレーションXを代表するような歌詞、「俺を置いていかないでくれと」激しく叫ぶ。
その他、人間が狂気に落ちるAnimal。アメリカ銃社会を風刺するGlorified G。自分たちが共食いしながら生きることしかできない絶望を扱ったRats。それでも自由を得ようと叫ぶLeash。
(彼らが本当の意味で苦難の鎖を断ち切る(drop the Leash)のは、5thアルバムのYeld(ここで彼らはhuman being given to flyと叫ぶまで自分たちをふっ切ることになる)まで待つことになるんのだが)

バンドの地位を確立するとともに、その後の苦難の歴史に対し力強く乗り出す様なそんなエナジーとダイナミズムがこれでもかと詰まった2ndアルバム。
あー日本に来ねえかな…来ないなら(金ためて)アメリカまで行くしかないか?


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