祈りうた(でくの坊 水平線より)
水平線より 水平線より少しだけ上に顔を上げよう そうすれば 僕の瞳に僕の影以外のものが映るだろう 家に灯りがともり 人々が生きていることがわかるだろう ...
祈りうた(しあわせの歌 しんぱいしなさんな)
しあわせの歌 しんぱいしなさんな 1 「しんぱい」と「しんらい」 一字違うだけで心の向きはさかさまになる あしたは今日より先に来な...
祈りうた(しあわせの歌 クリスマスの灯)
しあわせの歌 クリスマスの灯 しの間際までほほえむ 頬は笑うためにあるのかもしれない あさの憂鬱と夜の不安 ふさがった心がその間をつないでいて...
祈りうた(でくの坊 夜明け・祈り)
夜明け・祈り 夜明けが静かだ 静かだから落ち着く 世界を独り占めしたよう 静かだからさびしい 世界に独りだけ残されたよう ...
祈りうた(命の喜 夜の旅)
夜の旅 1 夜よ 夜よ 眠れないわたしと もうしばらく いっしょに居ておくれ おまえの深さ おまえの静けさ おまえのまなざし おまえの愛で 心細ったわ...
祈りうた(命の喜 そのひとの名前を呼ぶと)
そのひとの名前を呼ぶと そのひとの名前を呼ぶと* 不安な夜明けが薄らいでいくようだ ...
祈りうた(命の喜 クリスマス四句)
クリスマス四句母と児といたみ分かちて聖誕祭 児は神、天からヒトとなってこの世界に来られた。神が人間に堕して、という「いたみ」を負って。母は処女、世界でだれも経験したことがない「処女...
祈りうた(命の喜 夜明け)
夜明け立ち上がるために夜明けが来るやさしく「おはよう」というための唇にっこり微笑むため...
祈りうた(命の喜 二〇二二・クリスマス)
二〇二二・クリスマス産声をシカトしているクリスマス棄てらるる聖菓見つめる飢餓の子等停電の床に寝かせて子をあやし 忘年会後の電車で眠りこけ 終着駅まで乗り過ごした酔客 厳...
祈りうた(命の喜 二〇二二・クリスマス②)
二〇二二・クリスマス②クリスマス偽りなきのひとと邂逅(あ)いあなたに居るだろう心にかける人あなたに居るだろう心にかけてくれる人そのひとを思うと息が深く吸える涙はぬぐわれ水平線よりす...