何度目かの「昼寝屋」からの帰り道
脇のベンチにかけているおばあさんが
こちらを見ている事に気づいた。
にこにこと柔らかい知り人の様な笑顔に
思わず会釈をすると
すっと手を伸ばしロウソクを握らせる。
「あふれた時に使いなさい」
曖昧に頷きバックの底にロウソクを沈めると
それっきりおばあさんと一緒に記憶から消えてしまった。
相変わらずの毎日を弾むようにこなし
時に自分の笑い声に驚きながらも
張りつめたロープをわたる軽業師のように
立ち止まる事のない日々をやり過ごす。
いつもと同じ様に寝る前には風呂に浸かり
いつもと同じように息を吐き
いつもと同じように汗を掻いたはずだった。
ただ少し違っていたのは
いつの間にか深いため息になっていた事。
汗が頬を伝う滴となり
やがて幾筋もの跡を残し
後から後から溢れてくると
「あふれた時に使いなさい」の囁きが蘇る。
そろそろと湯を上がり
バックの中からロウソクを取り出し
そっと火を着ける。
ぼうっと暖かな灯りがゆらゆら揺れだすと
灯りの向こうにゆらゆらと影が見える。
会いたいのに会えない人の面影が
ロウソクの灯と一緒に揺れている。
すっぽりと抱きしめられたような心地のまま
ロウソクが固まりになるのを見届けた時
「分かってる...」
と声を残し煙と一緒に消えて行った。
脇のベンチにかけているおばあさんが
こちらを見ている事に気づいた。
にこにこと柔らかい知り人の様な笑顔に
思わず会釈をすると
すっと手を伸ばしロウソクを握らせる。
「あふれた時に使いなさい」
曖昧に頷きバックの底にロウソクを沈めると
それっきりおばあさんと一緒に記憶から消えてしまった。
相変わらずの毎日を弾むようにこなし
時に自分の笑い声に驚きながらも
張りつめたロープをわたる軽業師のように
立ち止まる事のない日々をやり過ごす。
いつもと同じ様に寝る前には風呂に浸かり
いつもと同じように息を吐き
いつもと同じように汗を掻いたはずだった。
ただ少し違っていたのは
いつの間にか深いため息になっていた事。
汗が頬を伝う滴となり
やがて幾筋もの跡を残し
後から後から溢れてくると
「あふれた時に使いなさい」の囁きが蘇る。
そろそろと湯を上がり
バックの中からロウソクを取り出し
そっと火を着ける。
ぼうっと暖かな灯りがゆらゆら揺れだすと
灯りの向こうにゆらゆらと影が見える。
会いたいのに会えない人の面影が
ロウソクの灯と一緒に揺れている。
すっぽりと抱きしめられたような心地のまま
ロウソクが固まりになるのを見届けた時
「分かってる...」
と声を残し煙と一緒に消えて行った。
今回も引き込まれてしまいました
もしdekochinサンが作家なら 私は全て読ませていただく事でしょう(*^_^*)
これからも期待しております
でも…今回…何だか切なくなってしまいました
ナゼカシラ…
こんにちは。
泣けました。
こんな風に心に沁みる文章を読めるとは思いませんでした。
ありがとうございます
いつの間にか『妄想ワールド』のカテゴリーができてる～
また何かが温まったら…次作を楽しみにしています
ありがと
これね、「投稿」押す時めっちゃ勇気いるの～
だったら書くなって感じだよね
でも、てんさんに励まされると嬉しい
こう言う気分もあるよね？
あくまで「妄想」ですが...
読んでくれてありがとう
そしてコメとっても嬉しいです
毎日が辛い訳ではないけれど
時にはこんなプレゼントがあると良いな と...
masakoさんにもね
なんだかドラえもんのポッケ化してますね...
ハハハ気づきました？「妄想ワールド」
次回があるかどうかも分かりませんが
調子に乗ってしまいました
mariさん、嬉しいコメありがとう
幻想・・それでもいいですよ・でも何かほんと切ない気持ちになり消化不良起こしてしまいそうです。意味深ですし後は余韻が残ってます。
ろうそく＝ひと粒の涙。キャンドルナイトなんてロマンティックな夜ではないのが寂しげです。
センチメンタルな夜を・・
ヽ(~-~(。。 )ゝ元気だしやぁ～！
☆~~ヾ^-^) マタネッ♪
dekochinさんから発信される言葉には重みがあります
蝋燭の見方が変わりそうよ
蝋燭を見る度に、dekochinさんワールドを思い浮かべます♪
ありがとうございます
いつもは面白おかしく生活しているのに
時々気が抜ける時がありまして...
でも、すぐに立ち直るんです
励まし、心に沁みました
ロウソクの炎って時に妖しい事がありますよね
ひよこさんが綴られている文も
いつも素敵ですよ
ひよこさん、ありがとう