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ツリオヤジのキドニーケアな日々 ~ 知れぬ事は知れぬまゝに、たやすく知れるのは浅い事 (葉隠 聞書第一0202)

行動学入門 - 三島由紀夫 (文春文庫)

2021-07-31 05:17:11 | 読書メモ

Twitterに書いたように、迷惑オリンピックは「観ない」「読まない」「話題にしない」の3ない対応で過ごしていて、その代わりと言うわけでもないですが読書の時間が増えています。
本棚から拾ってきて読み直してみたのがこちらの一冊。

内容紹介を読んでわかるように、若者向けの内容です。
 1.行動学入門
 2.おわりの美学
 3.革命哲学としての陽明学
と、三部に分かれています。行動学入門はポケットパンチOh!に連載されたもので、口述筆記の軽い文体、おわりの美学は女性自身に連載されたもので、半分ふざけている(本人談)コミカルな文体、革命哲学としての陽明学は諸君!に掲載されたもので、これも口述筆記。

1,2は内容も軽くてさらりと読めるのですが、3がけっこう難解です。陽明学や朱子学の概要を調べながら読まないと内容が頭に入ってこないので、30頁ほどのページ数の割に時間が掛かりました。

「文化防衛論(ちくま文庫)」とともに三島の行動への理解を深める上で助けになる一冊だと思います。
また、陽明学の「知行一致」については、他の三島作品でもみられる思想で、例えば短編小説「月澹荘綺譚」では、認識と行動が乖離した人間の破局が描かれています。

しかしながら、この本で行動を理解したつもりになっても、それ自体の意味はたいして無いのです。それはあとがきで作者がこの本のエッセイについて挙げた共通点が「何かによってしか証明されないものを別の不適当な方法、例えば言語手段によって証明しようとしたもの」と概括していることからわかります。

話はそれますが、知行一致で思い浮かぶのは、北大路魯山人の「料理の第一歩」という一編です。魯山人もまた料理については行動(実行)が大事と言っています。

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p.s. 炒飯や焼きそばで塩分オーバーだけど、炎天下歩いて汗かいたからいっか。



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