複合汚染に続いて、読まねばならぬ、と手にした一冊。

1972年の本なので、認知症への認識や、介護に対する考え方など、現在とはかなり違う部分もありますが、老いてゆく父親を持った家族の心理状態の移ろい、老いへの怖れが表現されている一冊です。
しかし、三島を読んでいるときもそうですが、昭和の作家は、将来の社会をなんと正確に予測しているものだとつくづく思います。こんな警鐘が鳴らされているにも関わらず、問題を放置し、あるいは放置せざると得なかった現代人(わしも含む)の叡智とは、いかに底が浅いものかと思います。

作者プロファイル。

刊行は1972年、文庫化は1983年。
60s
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