goo blog サービス終了のお知らせ 

Humdrum++

ツリオヤジのダイアリシスな日々 ~ 知れぬ事は知れぬまゝに、たやすく知れるのは浅い事 (葉隠 聞書第一0202)

最高に笑える蟹工船ノート

2008-06-21 08:57:50 | 日々の雑感
最近読んだ本の御紹介でも。

先日、チホリさんの日記で、蟹工船がリバイバルしてるって話を聞いた。
蟹工船てのは、小林多喜二の作品で、プロレタリア文学を代表する作品。中学校の国語だか社会かの授業に登場した覚えがあります。発表されたのは1929年(昭和4年)。

で、さっそく本屋に行ってみたら。



何ですか?これは!?
こんなに蟹工船が平積みされたのは、有史以来初めてのことじゃないですか?^^;

試しに蟹工船でぐぐってみると、その理由についていくつかの記事がみられます。

http://mainichi.jp/enta/book/news/20080514dde018040019000c.html

http://sankei.jp.msn.com/culture/books/080514/bks0805140802000-n1.htm

ひとことで言うとワーキングプアの人達がこの本に共感しているそうです。
わしゃ蟹工船の背景にあった資本家の搾取と、現代の格差社会のワーキングプア問題はまったく異質で共通性もそれほど無いと思うけど...。
蟹工船の時代の資本家のような胡散臭いブームではあります(笑)。
でも、せっかくのブームなんで、読むには良い機会です。新潮文庫は400円でつり丸より安い(笑)し、蟹工船の他にも党生活者が収録されています。



本屋をぶらぶらしていて、タイトル買いした一冊。
作者が世界の(特に貧困な)あちこちの地域を訪れての随筆が主です。
タイトルの「最高に笑える人生」というのは、吉野川河口堰を巡る住民投票に冠する一編の中で、お役所判断と対比した筆者の判断の結果が、運がよければ最高に笑える人生を送ることが出来る、というもの。

曽野綾子は30代にうつ病を患ったんだけど、復活して精力的な創作活動を続けています。若い人には蟹工船よりもこっちがオススメだけどな。



こちらは当ブログではよく登場する安部公房。読むまでは、この本のテーマが「死」だということはわからなかった。安部公房の遺作でもあり、作者が意識した死が、前衛的な手法、というよりも、ユーモアをたっぷりとちりばめて語られています。
死へのシリアスさが全く感じられないところが超現実的というところでしょうか?(^^)。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ

4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (チホリ)
2008-06-21 17:14:06
蟹工船、まだそんなに山積みなんですね~
ワーキングプア云々って言うのはマスコミのこじ付けではないかと思う今日この頃。

ともあれ売れていることは事実なんですね。
頭でっかちで現実感が乏しすぎて行き詰まりを感じる時代に、
この手のドロドロの肉体感覚むき出しの物語が売れるのも必然なんでしょうね。
新鮮なんだろうな~・・・

曽野綾子面白そうですね、探してみます。
返信する
青空文庫で (たけ)
2008-06-21 23:33:43
蟹工船は版権がきれているとかで
http://www.aozora.gr.jp/cards/000156/card1465.html
↑で読めるみたいですネ
返信する
チホリさんゑ (calm)
2008-06-22 01:19:28
この山を本屋さんで見たのは4,5日前でしょうか。
新横浜なんで、都会よりもブームが遅れてるのかも^^;;。

現代の若者が共感する本だというのなら、ちょっと読んでみようかな、とか、そういえば昔読んだことがあるけど内容はいまいち覚えていないから読み返してみようか、のように考えてこの本を手にする"元若者"が購買層なんじゃないかな~。

チホリさんのおかげで、読書の機会がひとつ増えましたよ(^^)。
返信する
たけさんゑ (calm)
2008-06-22 01:24:27
へぇ~~~~~!!!
こんな活動(=青空文庫)があるとは、恥ずかしながらぜんぜん知らなかったですよ(@_@)。
そっか、版権が切れているのってここで読めるんだ。
こないだ蟹工船と合わせて買った、昔の教科書に出ていますシリーズ(笑)の田山花袋の"蒲団"も見つけましたよ^^;。

こりゃ便利ですね。
ディスプレイで長編を読みきれるかどうかという問題はあるけど、実際に本を買う前に触りを読んでみるとか、面白そうな本を探すとか、活用法はいろいろありそうです。

いやぁ、こりゃあためになりましたよ、どうもありがとうございました。
返信する