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ツリオヤジのダイアリシスな日々 ~ 知れぬ事は知れぬまゝに、たやすく知れるのは浅い事 (葉隠 聞書第一0202)

名人戦共催は疑問手か?

2006-09-21 23:39:52 | 日々の雑感
名人戦問題、もうちょっと引っ張ります。
耳を疑った毎日の回答、共催を受け入れるとはかなりびっくりした。

毎日新聞も朝日新聞も揃って、将棋の発展に寄与したいのコメント発表。もうなんか、よく歯が浮かないもんだと心配しちゃった。ほんとに新聞社の言うことは信用できない。お互い、腹の中は苦虫を噛み潰しているはず。

テレビで考えれば、例えばワールドカップの決勝を、6chと10chで同時に流すようなもの。ありえない、ゆく年くる年じゃあるまいし。スポンサーも分断される、別に2局で放映したからといって、視聴者が増えるわけでもなし、視聴者は分断されて、それぞれの局の視聴率も下がる、良いこと無し。

当然ながら新聞社は会社だ。広告収入で食っている。広告収入を高くするのは発行部数。名人戦を独占すれば発行部数は伸びる、かもしれない。しかし共催で何が良いことがあるか?否だ。

多くの人に名人戦の棋譜が見てもらえる?そんなことは期待できない。将棋に興味ある人は有限だ。それが増えない限り、名人戦を掲載しても発行部数の伸びにつながらないし、棋譜を読む人も増えない。将棋に興味ない人は名人戦も朝日プロTの棋譜も無視する。

これまでの流れから、朝日は共催を持ちかけたが、本音は嫌だったに違いない。まさか毎日が共催を承諾するなんて思わなかったかもしれない。今は、契約金を下げていかに出費を抑えてやろうかと必死に考えているかもしれない。

毎日だって同じだ。単独主催案が否決された時点で、既得権はすべて消えた。これから将棋のコンテンツを充実させるには、王将戦のブランド向上や、新棋戦の創設の手しか無い。あるいはきっぱり将棋から手を引くかだが、それは朝日はじめ、読売、産経、さらには日経までも棋戦をスポンサーしている以上、自社だけそこから外れるには相当の決断が必要だ。優柔不断な毎日ではそれは無理。

毎日は米長のかつての教えに従った行動をとった。いわゆる泥沼流だ。不利な時は、最善手を指すのではなく、相手が一番嫌がる手を指す。今回の名人戦問題で、相手の朝日が一番嫌がる手は、共催の承諾だ。
私はこの手(共催承諾)だけは使わないだろうと思った。しかし、よくよく考えれば、相対的なダメージをもっとも少なく済ますのは、相手(朝日)のメリットを奪う共催承諾は、勝負手として成立しているような気がしてきた。

2つの新聞社に対して連盟は万々歳だ。顧客に対して、ひとつの商品を提供するだけで済むからだ。まさに一粒で二度美味しい。朝日プロトーナメントは消滅するだろうが、それを補って余りある収入が名人戦によってもたらされるだろう。仕事が減って収入が増える、こんな良い話はない。

この結果を改めてみてみると、毎日は大損、朝日は骨折損、連盟は大喜びの一人勝ち。将棋=連盟だとすると、まさに将棋の発展に寄与したことになる。これを最初から見越して動いていたとすれば、米長の経営手腕は恐ろしい。今回の名人戦問題は、将棋の一人者は、経営の一人者に成り得るのだろうと考えてしまう出来事だった。
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