臨済宗相国寺(しょうこくじ)派管長で金閣、銀閣両寺住職の有馬頼底(らいてい)氏(78)が、大阪国税局の税務調査を受け、2009年までの3年間に掛け軸などの揮毫(きごう)料として得た個人所得約2億円の申告漏れを指摘されたことがわかった。
追徴税額は消費税や過少申告加算税などを含め約1億円とみられ、有馬氏は修正申告したという。有馬氏は揮毫料について、「お布施のようなものと考え、税務申告は必要ないと思っていた」とし、意図的な課税逃れを否定している。
有馬氏の説明などによると、有馬氏は東京都内の美術品販売会社など3社の依頼で掛け軸や額などに揮毫し、1作品につき約5万円を受け取っていたが、税務申告していなかった。禅僧の墨跡は茶室に飾られるなどの需要があり、3社は一般に販売していたという。
宗教法人が受け取ったお布施は原則非課税扱いだが、同国税局は、「宗教法人に入金されておらず、個人所得にあたる」と判断したとみられる。
読売新聞の取材に対し有馬氏は、「揮毫料で古美術品を購入し、相国寺内で展示している。国外に散逸しそうな貴重な文化財を守るための資金に充てたもので、個人的に費消したわけではない」と話している。
(2011年2月17日
読売新聞)
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