金融庁は25日、インサイダー取引に対する規制の強化策を正式にまとめた。証券会社などが企業の内部情報を外部に漏らすことを罰則の対象としたほか、関係した証券会社の役職員の氏名を公表するなど、証券会社などに情報管理態勢の整備を強く促したのが特徴だ。
一連の上場企業の公募増資を巡るインサイダー取引問題では、大手証券会社から情報が外部に漏れるケースが相次いだ。証券会社は、増資を行う企業の内部情報を漏らすことで、資産運用業者などの顧客をつなぎ留め、多くの利益を得ていた可能性がある。
このため、情報を漏らした証券会社への課徴金は、情報を与えた相手から証券会社が受け取る売買手数料の3か月分をめどとすることにした。金融庁によると、課徴金は1000万円を超えるケースも想定されるという。
規制が過剰になると、証券会社が外部の人と必要な情報をやり取りしにくくなる恐れもあるため、罰則の対象は、インサイダー取引をさせる目的で情報を漏らし、情報に基づいた不正取引が実際に起きた場合に限ることにした。このため、「立証のハードルが高く、実効性が乏しい」(田島優子弁護士)との指摘もある。
(2012年12月26日
読売新聞)
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