ワッハ上方が入居するビル。入館者数の目標達成は困難で、存廃問題が浮上する可能性も(大阪市中央区で)=諏訪部敦撮影
新世界の通天閣(大阪市浪速区)への移転の是非で揺れ、「年40万人の来場」を条件に現地存続となった大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方、同市中央区)の入館者数が、4月に吉本興業グループの運営で再出発してから半年で、約7万3500人にとどまったことが分かった。
橋下徹・前知事の掲げた存続条件の半分に満たないペースで、存廃や移転問題が再浮上する可能性が出ており、橋下氏の後を受けた松井一郎知事の判断が注目される。
「なんばグランド花月(NGK)を見に来て下さった方は、(ワッハの)入場料は無料。ぜひぜひ、遊びに来てください」
ワッハの目の前に立ち、年80万人が訪れる劇場・NGK。漫才が始まる前、ステージのスクリーンに、吉本新喜劇のタレントらがワッハをアピールする映像が流れた。座席には「世界で唯一のお笑いミュージアム」と記してワッハを紹介。無料招待券も置かれている。吉本側の担当者は「NGKの客はお笑いに興味がある人ばかり。ワッハに呼び込み、入館者増につなげたい」と意気込む。
お笑い界を巻き込んだ大論争の末、在阪放送局で作るNPOから運営権を引き継いで吉本側が指定管理者になり、現地で再出発したワッハ。橋下氏が2008年、賃料など府の負担額年約4億円を問題視したのが論争のきっかけだった。
橋下氏は一時、府の負担が4分の1になる通天閣への移転方針を表明。しかし、ワッハの入るビルを所有する吉本側が、年約5万人の来場者を40万人に増やす目標を掲げ、府の負担を賃料1億円だけに減額する案を示したことから、橋下氏は現地での継続を認めた。その際、橋下氏は「目標人数に届かなければ即、閉館」とも話していた。
入場者数8倍増の厳しいノルマを突きつけられた吉本側は、近隣飲食店でのポスターの掲示や、年間パスポートの発行、民放各局と連携してテレビ番組でのワッハの宣伝なども行った。その結果、9月までの6か月間の入館者数は前年(約2万人)の3倍超の約7万3500人に増加したが、10月末でも約8万8600人にとどまり、40万人ペースには遠く及ばない。
(2011年12月5日15時37分
読売新聞)
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