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「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

2020年04月21日 | 読書


地政学については竹田いさみ 著「海の地政学 覇権をめぐる400年史」でシーパワーによる
アメリカの主権が世界に及ぼす影響に書かれていましたが、
本著書はラウンドパワーの覇権国ソ連が崩壊してロシアとなった、
ラウンドパワーの衰えがあったが、プーチンは共産主義から制限主権論による「帝国志向」にシフトしていった。
著者の小泉さんはロシア関連についての著者も沢山あり、「世界の艦船」にも記事を書かれています。
本書は東欧、中東、極東、北極について現状を分析されていて、
これらの状況からロシアのプーチン政権は軍部を完全に制御できているわけではなく、
軍事的に超えられてはいけない勢力圏があり、
それを超えた時には軍部を抑えることはできない事をウクライナで示しています。
中東での振る舞いは主権国としてロシアを国際的に示すものであり、復活を意識しています。
そして極東では中国と日本について的確に書かれていて、思わず納得してしまいましたが、
プーチンが述べている日本は主権がないと言明しているのに、なぜ安倍政権と協議しているのか、
不思議に気がしていますが、このことについて著者は何も言明はありません。
安倍政権が思っている中国脅威論を手小にロシアとの緊密化を図ろうとしているが、
中国とロシアは対アメリカ政策で一致していることが分かっていないのか、
外務省が分析できないのかとも思いました。
中国はロシアを教師して国家の安定を図る方法論を学んでいます、
それはソ連時代にロシア人を連邦国に移住させてロシア化させていくこととで、
今の中国でも同様の政策が進んでいます。
著者は北方四島交流事業で2度訪問してロシア化完了していることを確信されています。
北方四島の返還と安全保障条約の締結には日米安保条約の破棄しない限り無理ではないかと思いました。
最後は北極です、
北極にある資源についての主権をアメリカとロシアは今後争うこととなることを予想されています。
蛇足ですが、ビックコミックに゛かわぐちかいじ゛さんの『空母いぶき GREAT GAME』が連載されていて、
物語の場所は北極です。





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