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「生協だれでも9条ネットワーク」

日本国憲法と平和主義、民主主義を守る活動を進める生協関係者のネットワークのブログです

【情報提供】2/19「平和とくらし」埼玉第6回公開講座『大韓民国』の今!「ソウルの市民民主主義 日本の政治を変えるために」

2019-02-11 20:32:22 | 情報提供

<管理人より>
 「生協だれでも9条ネットワーク」と行動をともにしている「生協九条の会・埼玉」が共催される講座の情報です。こちらでもご紹介します。
 冒頭の写真は講師の白石孝さんの著書『ソウルの市民民主主義 日本の政治を変えるために』の表紙です。今回の講座の基調講演も同じタイトルです。毎月の19日行動で国会前行動でこの本を紹介するチラシを配っている方がいて受け取って読んだところ、市民運動出身の朴元淳ソウル市長の原著作ということが分かり、「これは読まなければ!」と生協の宅配のブックショップで買っていました。韓国の生協運動の講演の中で朴元淳市長が「協同組合都市-ソウル構想」を策定していることが分かっていたためです。
 19日行動と連続参加できる時間帯の企画です。多くの皆様のご参加をおすすめします。
※『ソウルの市民民主主義 日本の政治を変えるために』の情報は→こちら

【情報提供】2/19「平和とくらし」埼玉第6回公開講座『大韓民国』の今!「ソウルの市民民主主義 日本の政治を変えるために」
基調講演:ソウルの市民民主主義 日本の政治を変えるために
講  師:白石 孝氏
(NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長)

と き:2月19日(火)14:00~16:30
ところ:浦和コミュニティセンター第14集会室
共 催: 「平和とくらし」埼玉
     生協九条の会・埼玉
参加費:500円

【情報】2018/11/03「生協だれでも9条ネットワークの集い」その7:全国の生協のヒバクシャ国際署名の取り組みについて

2019-02-07 22:54:32 | 情報提供

<管理人より>
 昨年11/3に開催された「生協だれでも9条ネットワークの集い」の報告その7です。Yさんからご報告いただきました。冒頭の写真は、facebookの「ヒバクシャ国際署名」の2/4付けの記事で、キャンペーンリーダーの林田光弘さんがアップされたものです。「おおさかパルコープさんにお邪魔してきました。集めた署名の見える化、『あと一筆で〇〇人分!』とヤル気に繋がる工夫だそうです」とありました。
【情報】全国の生協のヒバクシャ国際署名の取り組みについて
 日本生協連では、「ヒバクシャ国際署名生協ニュース」を発行し、各地の署名活動の取り組みの紹介、おしらせなどをしています(2018年5/30までに16号まで発行。)
 生協の取り組みでは、9/20付で署名数を集約し、全国の45都道府県223生協・連合会から2,045,479筆の署名数が集約されています。全国のとりくみでは9/30で8,300,403筆と報告されています。

<北海道の取り組み>
 過半数の都道府県で地域連絡会が設立され、生協や核兵器廃絶に賛同する多様な団体などに声をかけて連絡会(名称は様々です)を結成しているところで署名数が伸びているようです。
 北海道では、北海道生協連が中心となって「ヒバクシャ国際署名を進める北海道民の会」を設立、今年4/21現在で118賛同団体、76名の個人が参加している。とりわけコープさっぽろは全事業所一丸となって取り組み、職員学習会や店内BGM放送のよびかけで2週間で22万筆が集まり、9/20現在では32万筆となっています。北海道全体では、道民過半数を目指し、現在55万筆です。

<知事をはじめとした自治体首長へのはたらきかけ>
 連絡会では自治体首長へのはたらきかけを重視しています。9/10現在全国で20府県の知事を含む1188/1741の自治体首長が署名をしています。長野県では県知事を含む県内78名の全首長が、埼玉県では県知事を含む県内60名/64名の首長が署名をしています。
 茨城県つくば市では市の公式サイトで以下のように案内されています。「平成2年に「つくば市非核平和宣言都市」を決議しており、加盟する平和首長会議では、本署名活動に取り組んでいることから、市民の皆さまにも以下の通りご案内いたします。」

<生協の署名集約目標について>
 全国組合員活動委員会にて、ヒバクシャ国際署名の2018年度の目標を200万人分に再設定しましたが、署名の取り組みがさらに広がったこともあり早期の目標達成となりました。今後の取り組みとして2020年NPT再検討会議にむけて、生協では引き続き「ヒバクシャ国際署名」を最重点に進め、300万人分の署名集約を目標として取り組みます。



【情報提供】2/2 市民連合新宿東南口街宣のお知らせ

2019-02-01 23:59:59 | 情報提供

<管理人より>
 2/2(土)に「市民連合」が野党各党と街頭宣伝を行うという情報です。facebookの記事より引用して以下、ご紹介します。直前の情報提供ですが、ご都合のつく方はどうぞご参加ください。
【情報提供】2/2 市民連合新宿東南口街宣のお知らせ
 市民連合は、2/2に野党各党と街頭宣伝を実施いたします。通常国会が開会しましたが、統計不正など問題は山積みです。そのような中で、本国会をどのように闘うのかについて、野党各党から語ってもらう予定です。ぜひご参加ください。詳細は以下の通りです。
【日時】2/2(土)14:00〜15:00
【場所】JR新宿駅東南口
【主催】安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

(追記)
2/3付けの菱山南帆子さんのfacebookの記事によると以下のような登壇者だったようです。
「昨日は新宿で市民連合の街頭宣伝がありました。新年初めての街頭宣伝です。
立憲民主党からは有田芳生さん
日本共産党からは笠井亮さん
社民党からは福島瑞穂さん
自由党から野沢哲夫さんが
駆け付け、発言されました。
市民連合からは山口二郎さん、総がかりから私がスピーチしました。
ポカポカして暖かい街頭宣伝でした。こんな天気のような未来にしていくためにも、今年は大勝負の年になりますね!
頑張ろう!
川島さんが動画を撮ってくださったのでリンク、貼り付けます。
こちら

※生協労連もライブ動画配信されています。→こちら

【情報】2018/11/03「生協だれでも9条ネットワークの集い」その6:沖縄と地位協定について考える~日本の戦後が終わらない④(大久保厚)

2019-01-31 23:59:34 | 情報提供

【情報】沖縄と地位協定について考える~日本の戦後が終わらない~:大久保厚④
①は→こちら ②は→こちら ③は→こちら

5)地位協定に関する問題点について
【空域問題】~前記「関連法令の範囲内」問題を参照。
【排他的管理権】~前記【1951 年 1 月ダレス第 4 次草案】③参照
【第一次裁判権放棄について】
①日本側の裁判権放棄について
行政協定案:「米国は米国安全保障軍が利用する日本国内のすべての施設・区域・区域に対して、排他的管理権を有し、かかる施設・区域内にある米国政府の人・軍属・その家族に対して、また日本人を除く前記施設・区域内にある全ての他者に対して排他的管理権を有する。日本当局は、前記の区域外において罪を犯した米国の軍人・軍属・その家族を米国に引き渡すものとする。
②行政協定(第 17 条 3 項 a)
「日本の当局は、米軍基地の外での犯罪については、米軍関係者を逮捕ることができる。但し、逮捕したあとはすぐにその身柄を米軍に引き渡さなければならない。」
③裁判権放棄(53 年10月28日)と身柄引渡(53 年10月22日)の密約
「日本側は著しく重要な事件以外は裁判権を行使しない。」→(1957 年までに第一次裁判権を有する約 13000 件のうち 97%を放棄)
「米軍関係者による犯罪が公務中に行われたどうかわからないときは、容疑者の身柄を米軍に引き渡す」→2011 年発生の米軍関係者による「一般刑法犯」の起訴率は、13%(沖縄 22%)であり、全国平均 42%に比べ大幅に低い。
④「公務」の定義「56 年3月合意」
「行政協定(第17条3項 a)ii にいう「公務」とは合衆国軍隊の構成員又は軍属がその認められた宿舎又は住居から直接に勤務の場所に至り、また勤務の場所から直接その認められた宿舎又は住居に至る往復の行為を含むものと解釈される。但し合衆国軍隊の構成員又は軍属がその出席を要求されている公の催事における場合を除き、飲酒した時は、その往復の行為は、公務たる性格を失うものとする。
【防衛負担金(558 億円)廃止後の負担分担】
⑤「日本国は、第2条、第3条に定める全ての施設・区域並びに路線権(飛行場及び港における施設・区域のように共同で利用される施設・区域を含む)をこの協定の存続期間中合衆国に負担をかけないで提供し、かつ相当の場合には施設・区域並びに路線権の所有者及び提供者に補償を行うことが合意される。」→上記以外は、すべて米国もちであることが明記された。
【沖縄返還時の「その他費用」の負担】
⑥「日本政府は、この取り決めにおいて、とくに定めがない限り、返還された日から 5 年以内に基地の移転費用及び返還に伴って米政府の予算支出を必要とするすべての項目について、合意された物品と役務によって 2 億ドル相当を提供する義務を負う。」→最終的な金額は、修理、保守、修繕、改造、拡張、増築、修正及び米国が許可した施設の新築費用として 6450 万ドルを要求、これを地位協定第24条の解釈の幅を持たせることで支出するよう求めた。
【インフレ及び円高による米軍基地日本人労務費用分担】
⑦「77 年12月、日本側は、法定・任意福利費及び労務管理費の負担、及び賃上げ分の負担(62億円)で合意した。総額 1000 億円の在日米軍基地従業員労務費の 6%に相当した。
⑧「78 年12月、10%の格差給、語学手当、国家公務員水準を上回る退職手当、格差給と語学手当の他の諸手当の参入分を負担する(140 億円)ことで合意した。
【地位協定24条に対する特別措置協定】
⑨その後も日本側の分担額は、80 年:147 億円、81 年:159 億円、82年:164 億円、83 年:169 億円、84 年:180 億円、85 年:193 億円、86 年:191 億円と増加の一途を辿った。そして 87 年1月、米軍基地で働く日本従業員に対する調整手当・扶養手当・通勤手当・住宅手当・夏季手当・年末手当・年度末手当・退職手当の支払いに要する経費の一部を̶̶その二分の一に相当する金額を限度として̶̶負担する特別協定が締結された。
⑩91 年には「新たな特別の措置」協定が結ばれた。その第1条には、以下の全部又は一部を日本側が負担するというものである。
a)基本給、日雇い従業員の日給、特別期間従業員の給与、時給制臨時従業員、劇場従業員の給与
b)調整手当・解雇手当・扶養手当・遠隔地手当・特殊作業手当・夏季手当・年末手当・寒冷地手当・退職手当・人員整理退職手当・人員整理按分手当・通勤手当・転換手当・職位転換手当・年度末手当・夜間勤務手当・住居手当・単身赴任手当・時間調整手当・時間外勤務手当・時給制臨時従業員の割増給、祝日給、夜勤給、休業手当及び時給制臨時従業員の業務上の傷病に対して認められる日給
c)船員の有給休暇末付与手当、危険貨物手当、機関部手当、機関作業手当、消火手当、外国船手当、外国航路手当、出勤手当、小型船手当、油送船手当、引き船手当及び船長・機関長手当。また第2条では、「公益事業によって使用される電気・ガス・水道・下水道、前記を除く「暖房用、調理用、又は給湯用の燃料」に関わる代金または代金の支払いに要する経費の全部と一部を負担することが規定された。
⑫2015 年までに労務費2兆 8663 億円、水道光熱費 6153 億円が予算化された。また 2016 年度から 2020 年までを有効期間として、平均で1893 億円を負担する特別協定が合意された。
【日米合同委員会~密約製造マシン】
⑬ダレスの安保協定案には、日本が 50 年7月にマッカーサーの命令で設けた警察予備隊とは別に軍事組織を創設し、それらの軍事力が有事には米国人司令官による「統合的指揮下」に入るという「集団的防衛措置」があり、日本側は反発した。
⑭日本政府は、条文の削除を要請したが、それは秘密にしてほしいという要請であった。それまで主として、基地の設定、米軍の特権などの関わる準則の設定を想定したが、委員会は、再軍備や「安全保障」計画の策定という日米安保条約に関わるすべての業務へと役割が拡張、機密化することとなった。
⑮55 年の合同委員会の論議は。a)空軍基地 滑走路拡張b)演習場その他の基地をめぐる紛争c)米軍の法的地位と特権d)米軍に雇用される日本人労働者の問題などであった。
⑯c)「米軍の法的地位と特権では、53 年 10 月~55 年 3 月までの米軍人の国内犯罪総数は、9416 件でその内の起訴率 215 件(2.28%)に過ぎない。
⑰d)「米軍に雇用される日本人労働者の問題」では、「保安解雇」の討議はかなりの数に及んだ。つまり労組活動を重大な脅威として、解雇することを指した。そのなかに労組委員長に決定後にその仕事上の能力を理由で懲戒解雇した三沢駐屯軍事件がある。また「第六あけぼの丸」も討議されていた。
⑱合同委員会に提出された 1972 年沖縄返還時に作成された 5・15 メモは、1997 年になって漸く公開された。政府の拒否理由は、a)非公開が前提の討議であり、忌憚のない協議と意見交換が可能である。b)基地をめぐる諸問題には、日米間の国家全体、日本の国内諸勢力、それに基地が所在する地域社会といったさまざまなアクターの利害が複雑に絡みあっており、公表を前提とした協議では、その調整が難しい。

6)地位協定をめぐって~日本の戦後が終わらない~
 沖縄は、占領下のもとで統治権を自らの手によって獲得し、日本政府の主権回復を 72 年自らの自決権を獲得すべく本土復帰を果たした。日本は、52 年に「独立」したというが、その主権は占領時代の米軍の駐留支配を安保条約と行政協定に置き換えたに過ぎない。その統治構造に対する闘争は、1957 年の「日本本土の地上部隊の撤退」の到達点のうえに 60 年安保改定阻止闘争をピークに達した。その後の日本の統治に関する闘争は、64 年以降のベトナム反戦運動と 70 年安保、72 年沖縄返還以降、日本本土では基地を抱える地域を除けば、大きな運動となることはない時代を過ごしてきた。
 地位協定は、52 年「独立」の負の象徴である。民主憲法の体系どころか、政府が自ら指揮・管理できない米軍に自らの安全保障を委ねるという世界に類を見ない奇形な「統治」形態を 65 年以上続けており、地位協定はその象徴に他ならない。
 地位協定27条は「両国はいつでもいなかる条文の改定を要請できる」とする条文をもつ。しかし、この協定は一度も改定された過去をもっていない。それどころか、自衛隊予算の着実な増加という流れになかにあっても、24条の基地費用負担条項を拡大解釈し、77 年以降二度にわたる「特別(措置)協定」を結び、「思いやり」を遙かに超える負担肩代わりのみが貫かれる構造下にある。
 さらに日米合同委員会は、極めて高度な秘密組織であり、対米密約の製造機に他ならない。ここにも、日本はその歪な統治構造を内包する国家であることを晒してきた。
 2018 年 7 月 27 日、全国知事会は、日米地位協定改定の提言をまとめ発表した。変えても変えなくとも役割の変わらないという改憲などをしている暇はないはずである。
 地位協定は、まさに戦後歴代政権の「レジューム」そのものであり、戦後占領政策をそのまま継承する隷属性の強い「レジューム」:「地位協定」の改定からまず着手すべきである。
 日本の戦後は 99 年経っても(永久に)終わらない。

[参考文献]
『沖縄戦後民衆史』:岩波現代全書(森宣雄)
『日米地位協定その歴史と現在』:みすず書店(明田川融)
『沖縄と海兵隊』:旬報社:野添文彬・山本章子他

【情報】2018/11/03「生協だれでも9条ネットワークの集い」その6:沖縄と地位協定について考える~日本の戦後が終わらない③(大久保厚)

2019-01-30 23:58:09 | 情報提供
【情報】沖縄と地位協定について考える~日本の戦後が終わらない~:大久保厚③
2.日米地位協定について
1)日米行政協定
①旧安保条約第 1 条(1952 年4月 28 日発効)
・平和条約及び安保条約の効力が発生すると同時に米軍を日本国内及びその
周辺に配備する権利を日本は認め、アメリカは受け入れる。(基地権容認)
→「その配備の内容は、行政協定で決定する」
②行政協定(1952 年4月 28 日発効)
・具体的な内容は、日米合同委員会で定める。
→基地以外の外でも必要な権力をもつ。具体的には日米合同委員会で協議する。

2)日米地位協定条文
①1960 年 1 月 19 日改定された日米安保条約の第 6 条(基地の提供)に基づき、以下の 28 条からなる。(協定は「基地」を「施設・区域」と表現する)
1 条 定義(軍構成員・軍属・家族)
2 条 日本全土で基地の使用が認められる。(自衛隊を含む)
3 条 基地の排他的管理を持ち、自由に出入りできる。
4 条 基地返還の際に米軍は原状回復・補償の義務は負わない。
5 条 民間空港・港湾・高速道路に出入りできる。利用料は免除。
6 条 航空管制の優先権を与える。
7 条 日本政府の公共事業、役務を優先利用ができる。
8 条 日本の気象情報を提供する
9 条 旅券なしで入国・出国できる。
10条 日本の運転免許なしで運転できる。
11条 関税・税関検査を免除する
12条 物品税・通行税・揮発油税・電気ガス税を免除する。
13条 租税公課を免除する
14条 身分証明を有する指定契約者は、免税などの特権を与える
15条 基地内の各種サービス施設を設置でき、日本税法を除外する。
16条 日本法令の遵守、とりわけ政治活動を慎む。
17条 「公務中」の事件・事故で第一次裁判権を有す。
18条 被害者補償は「公務中」で米国が 75%支払う。「公務外」は示談。
19条 日本政府の外国為替管理に従う。
20条 ドル表示軍票の基地内使用と金融管理機関を設置できる。
21条 米国軍事郵便局を設置できる。
22条 米国市民の予備役団体活動を認める。
23条 米軍関係者の財産の安全を確保するための措置を講ずる。
24条 基地費用を負担。(思いやり予算に援用。)
25条 日米合同委員会を設置する
26条 両国政府の国内法により承認し、交換公文をもって発効する。
27条 両国はいつでもいなかる条文の改定を要請できる。
28条 協定は、相互協力・安保条約が有効である間、有効とする。

3)「日米行政協定」の成立過程(「日米地位協定~その歴史と現在」より)
【1951 年1月ダレス第4次草案】
①米国軍隊主体に組織される「国連保障軍」は占領終了時に占領軍の管理下にある施設に駐屯することを通例として、占領軍が要求した施設または区域はすべて安全保障軍の管理下に維持される。
②安全保障軍は、平時においても、日米両政府の同意を経て、軍事演習、集結拠点・射爆撃城・中継飛行場などの用に供するため適切な規模と位置の地上及び沿岸区域を追加しようする権利を有する。
③米国は安全保障軍が使用する日本国内のすべての施設及び防衛、それらのなかにある軍人・軍属・それらの家族に対して排他的な裁判管轄権を有す。
④日本区域において有事が生じたと米国政府が判断した場合、日本にある全ての同盟・協力国軍、警察予備隊、及び日本の他の軍事力は、日本防衛にコミットする政府と協議したのちに米国政府が指名する最高指令官の総合的指揮のもとに置かれる。
【ダレスの危惧と日本の対応】
⑤ダレスの危惧:米国が「日本国内の望む場所に、望む期間、望む数の軍隊を駐留させる権利を獲得できるのかどうか」であり、「じっさい、米国にそのような特権を許与する政府は、日本の主権を毀損することを許したとして、非難の的になるだろう」
⑥ダレスが懸念したことは実際にはそうならなかった。日本側の最初の段階(51 年 1 月 30 日)で、「対外的な安全保障は軍隊の駐留といった適切な方法により、国連、とくに米国との協力によって確保することを希望する。」旨を申し出た。(吉田茂「我が方見解」)
【全土基地方式】
⑦「このようにみてくると米国は日本の本土を基地とするとは書いていないと思われるかもしれないが、これらの行動を行うにあたり、「最高指令官」は̶̶日本のしかるべき代表者と「協議する」との但し書きがついているものの̶̶「敵対行為または敵対行為の急迫した危険が生じたときは、その必要と思われる日本区域内の地上地区、便益及び施設の使用並びにその必要と認める軍事力の戦略的及び戦術的な配備を行う権限を有す」と規定されている。
【不平等協定の論理】
⑧豊下楢彦氏は、ダレスが演説において、「米軍の駐留は日本側の要請に応えて、米側が「同情をもって」与える「恩恵」なのであり、したがって日本側がその貢献(再軍備)を果たすまでは、米側に日本を防衛する義務はなく、自らの判断で何時でも軍隊を撤退させる「自由」をもつという“論理”を獲得したことを重視する。この理論が米国内の”安保タダ乗り論“へと発展し、のちの再軍備要求、「応分の貢献」論、「おもいやり予算」、そして、不平等な地位協定に代表される日米関係を大きく規定する論理となったという重要な指摘を行っている。
【条約と協定の棲み分け】
⑨当初は、安全保障に関わる取り決めは、ひとつの「協定」にすることで、交渉が進められたが、米軍の特権や日本の再軍備が同協定に明記されることを拒んだ日本側の要請により、大綱的部分を「安保条約」に実質的部分を「行政協定」として締結することとなった。
【「関連法令の範囲内」規定】
⑩原則として施設・区域内においてそれらの設定、運営、警備及び管理のために必要なすべての措置は米国が行い、施設・区域の隣接地、近傍地、領水、空間においては、米軍の出入りの便を図るのに必要な措置は、日本政府が米国の要請により合同委員会を通ずる両国政府の協議のうえ、関連法令の範囲内で行うことを規定することになった。但し、これらの措置は、合同委員会を通ずる両政府による協議のうえ米国もできる旨の一項が置かれ̶̶米側について「関連法令の範囲内で」という限定は付いていない。
【条件付き空域設定】
⑪52 年6月合意:「一時的な措置として、我が国の自主的な実施が可能となるまでの間、日米間の意見の一致を見た時に、日本側が航空交通管制に関する全責任を負うことして、米軍は軍の施設で行う管制業務を利用して、民間航空の安全を確保する」ことが定められた。「空の主権回復」は条件付きだったのである。」

4)日米地位協定への移行過程(行政協定と変わらない)
【59 年 6 月合意】
①米軍に提供している飛行場周辺の飛行場管制業務、進入管制業務を除き、全て日本側において運用する。
②防空任務に従事する軍用機に対しては、交通管制上、最優先権を与えること。
③これらの軍用機の離着陸に際しては、その迅速な行動を可能ならしめるために予め定められた一定の空域をあけるよう他の航空機の管制がおこなわれること。
④防空上緊急の必要があるときは、防空担当機関は、保安管制を行うこと。
などに改定された。
【排他的管理権に関する密約(新原昭治氏)】
⑤日本国における合衆国軍隊の使用のため、日本国政府によって許与された施設・区域以内での合衆国の権利は、1960 年1月 19 日にワシントンで調印された協定第3条1項の改定された文言のもとで、1952 年 2 月28 日に東京で調印された協定のもとで変わることなく続く。
【関連法令の範囲内規定(新原昭治氏)】
⑥このあとに「関係法令の範囲内で」という文言に関して、現に効力のある法令が不適当であることがわかった場合、日本における米国軍隊の防衛責任が満足にできる形で果たせるようにするため日本の法令の改正を求めることの望ましさまたは必要性について、合同委員会は論議する」と続いている。