「生協だれでも9条ネットワーク」

日本国憲法と平和主義、民主主義を守る活動を進める生協関係者のネットワークのブログです

【参加報告】11/18(木)小林節さん講演会「憲法改正:問題の本質を見極める~主権を奪われないために~」その3

2021-12-01 00:57:39 | 参加報告

<Mより発信>
主婦連合会主催の11/18(木)小林節さん講演会の参加報告記事を3回に分けてアップいたします。
※主婦連サイトに録画した講演会の様子をYouTubeにて2か月ほどアップしているとのことです。そちらもどうぞご覧くださいませ。
小林節さん講演会(2021年11月18日) – YouTube
【参加報告】11/18(木)小林節さん講演会「憲法改正:問題の本質を見極める~主権を奪われないために~」その3
(その1は→こちら。その2は→こちら
《主な質疑応答》
Q1:改憲派はどうして戦争をしたがるのでしょうか?
A1:権力者は、「自分や家族は戦争に行かないで済む」という認識の上で国家の誇りを守るためにとか机上の空論で考えている。1万人死んでも国が残ればよいという感覚で、戦争ができるというオプションを握っておきたい。自分も娘が生まれたことで一人の命に向き合ってから考えが変わった。軍需産業に携わっている人間はそれで戦争や戦争準備で儲けるのが仕事。
Q2:自粛警察の人たちは緊急事態宣言との区別のつかない国民に対し、緊急事態条項を憲法に加えるべきと、混乱に乗じて改憲をすべきと言い出している。12条、13条の問題だ。
A2:コロナの感染拡大に乗じた動きへの言及を忘れていた。質問に感謝する。感染拡大防止はやる気があればできるのにしなかっただけ。公共の福祉という概念は自由に平和に共存共栄できる社会をつくるための条件。例外条項を付けた上で規制をするのは現行憲法で十分できることだ。
Q3:自民党の岸、佐藤、安倍の系譜は、アジアの平和のためにアメリカの代わりに日本が役割を果たすということで日米で裏で話ができているのではないか?
A3:自分は30代はハーバードで40代はケネディロースクールで学んで仕事をしたが、同僚たちは政権の次官クラスだった。アメリカというのは自己都合国家。日本にとってのアメリカはと違い、アメリカにとっての日本は200ある国の1つにしかすぎず、日本列島は都合のよい前哨基地。ジャパンハンドラーと言われる人々は日本研究の専門家で、どちらの政権になろうが日本を手なづける仕事をするのでお金くださいの人々。民主党政権に交代したらジャパンハンドラーをはずした外交をすればよかったのにそうしなかった。アメリカには正論を言う表とずーずーしい裏がある。上院議員をロビーしてもう少しまともな隣人としてつきあうようにできればよかった。岸信介は戦争推進の背広組の戦犯だったが、日ソ対立激化で日本を立て直すヒマがないので天皇教の日本人には天皇制を残して旧体制の一部を許して使う方が早いということで許されたことで総理大臣にまでなってしまった。
Q4:立憲民主党は共産党と組んだのが間違いで野党共闘は失敗だったというマスコミを挙げたネガティブキャンペーンが喧伝されているが、共産党は候補者をおろして統一候補を応援し、支持者のほとんどが立民に投票したのに立民の支持者は3割が維新に流れて可哀想だった。先生は以前は左は支持できないがまともな保守を求める人の受け皿を目指されたが、今後はどうしていったら良いとお考えか?
A4:野党共闘に体制側がかなりの危機感をもって本気で攻撃してきたのに対して野党側が非力だった。立民は選挙に失敗したら責任取れオレにやらせろの利害集団。共産党は長く埒外に置かれてきて遠慮があるがまとも。共産主義というのは悪いことなのか?暴力革命への批判にはもっときちんと反論すべき。志位さんが長いと批判があるが結党の自由がある。新自由主義は不道徳な資本主義で、管理をしてまともな資本主義をやってみせますよと言っている。
Q5:横浜のカジノ反対運動での街頭宣伝行動で先生のスピーチに行列ができた!
A5:正しいことを分かりやすい言葉で訴えていただけだ。それと同じように憲法改悪反対運動もやればよい。

※冒頭の写真は主婦会館プラザエフのロビーの掲示板に貼られたポスター。

【参加報告】11/18(木)小林節さん講演会「憲法改正:問題の本質を見極める~主権を奪われないために~」その2

2021-12-01 00:28:13 | 参加報告

<Mより発信>
主婦連合会主催の11/18(木)小林節さん講演会の参加報告記事を3回に分けてアップいたします。
※主婦連サイトに録画した講演会の様子をYouTubeにて2か月ほどアップしているとのことです。そちらもどうぞご覧くださいませ。
小林節さん講演会(2021年11月18日) – YouTube
【参加報告】11/18(木)小林節さん講演会「憲法改正:問題の本質を見極める~主権を奪われないために~」その2
(その1は→こちら
3.自民党改憲4項目=我々の前に出てくるのはコレであり、全能力を上げて分析、説明する
②「緊急事態条項」:
大規模災害時に首相が行政権に加えて立法権、財政権、自治体への命令権も握り、国民は公の命令に従う義務を負う。ナチスの全権委任法と同様
●人権は本来、公共の福祉という共存共栄のための条件でしか制限を加えることができないが、それを立法に代わる政令で制限できるようにする+財政権は予算制定権であり立法府から権限を奪い、地方分権を奪う。
●大災害時には自治体の首長に権限を委譲すべきで、中央政府はバックアップに回る方が実効性高。
③(参院選)合区解消:「一人一票」の原則を否定する、世界の非常識
●国会議員は人の代表であり畑や橋の代表ではない。少数意見尊重をしないで数で押し切るもの。
④教育の充実:法律と予算でできる、「憲法事項」ではない
●行政法で根拠法をつくればいいだけ
●民主党政権でやりかけたのを自民党がつぶした
●維新=地方の権力集団へのリップサービス
4.自民党の憲法観:憲法を「権力者が国民を縛る規範」だと考えている?!
●2012年草案102条(1)国民は憲法を「尊重」する義務がある。(2)権力者は憲法を「擁護する」義務がある。3条(2)国民は国旗・国歌を尊重する義務がある。
議席は利権につながり、欠点を知らずに勢いで出してくるだろう。→憲法は哲学論争!
5.大阪都構想反対運動に学ぶ:自民改憲案の真実を理解した者が、それを周りに知らしめれば、主権者国民大衆はこの異常な改憲案を否決するしかないはずである。
●巨額なお金をつぎ込んだ大宣伝に対して、駅頭などで手書きのビラを配る動きが広がった。それで都構想提案を否決する世論が逆転した!
その3へ続く