中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

閑話休題その2

2008-06-25 20:07:00 | Weblog
 やっぱり、野球がやっていないと寂しい。顔を洗う、歯を磨く、メシを食うとい

うのと同じレベルにあるから、どうも体に変調をきたすのだな。シーズンオフなら

ともかく、シーズン中に2日以上試合のない日があるのはいかん。衛生上好ましく

ない。今は仕事柄そうではないが、野球がすべてだった高校、大学の頃なら、間違

いなく発狂していただろう。好きなチームが負けたことで、何回かラジオをぶっ壊

した経験がある。若気の至りとはいえ、ラジオには気の毒なことをした…。

 連休中で、何もすることがない。読書で時間を潰していたとき、野球関連のニュ

ースが飛び込んできた。日本プロ野球機構と選手会の話し合いで、現行9年のFA資

格取得年数を、2007年以降に入団した大学生・社会人に限り、7年に短縮する

ことで合意したという。23歳で入団した選手は、30歳でFA権を取得できるとい

うわけ。これには付帯条件があって「国内移籍に限る」とある。メジャーに挑戦す

る場合は、やはり9年待たないといけないのである。

 双方が合意したというのであれば、それはそれでいい。ただ、この問題に関して

いつも思うのは、選手側に「日本球界を発展させる」という気持ちがあるのかとい

うこと。己の権利を主張するのは文句ないが、自分だけがよければそれでいい、と

いうのであれば「それはどうか?」と言いたくなる。これまでの経緯を見ると、メ

ジャーに挑戦したいから、FA取得年数を短縮してくれ、という風に思えて仕方なか

った。メジャーに行くことが日本球界の発展につながるのであれば、それはそれで

いいが、そうじゃないだろう。空洞化が叫ばれる昨今、もう少し危機感を持って選

手会も考える時期にきているのではなかろうか。

 朝、衛星放送でメジャーの中継を見ることがある。イチローが出ていた。チーム

がクソ弱く、物憂げな表情を見るにつけ、「それでいいの?」と思ってしまう。夢

の3000本安打を日本で達成すれば、どれほど盛り上がることか。テレビではな

く、ナマのイチローを我々日本人は見たい。松井秀喜もそう。松坂だってそうだ。

FA取得の年数が短縮され、その恩恵に与る選手たちがどんな生き様を見せるか。

注意深く見ていくことにする。