不登校が輝く日

子供2人中学時不登校でした。

byウパリン

推し、燃ゆ

2021-02-14 16:18:00 | 日記
宇佐見りんさんの芥川賞受賞作

『推し、燃ゆ』を読んだ。

他の人が普通にできることが自分には出来ないと

生き辛さと劣等感を感じる女子高生が

アイドルを「推す」ことに全身全霊をかける話。


【 】は引用

【保健室で病院への受診を勧められ、ふたつほど診断名がついた。薬を飲んだら気分が悪くなり、何度も予約をばっくれるうちに、病院に足を運ぶのさえ億劫になった。肉体の重さについた名前はあたしを一度は楽にしたけど、さらにそこにもたれ、ぶら下がるようになった自分を感じてもいた。推しを推すときだけあたしは重さから逃れられる。】


以下、ネタバレになってしまうことご了承ください。

主人公は高校中退してしまいます。

【父は理路整然と、解決に向かってしゃべる。明快に、冷静に、様々なことを難なくこなせる人特有のほほえみさえ浮かべて、しゃべる。父や、他の大人たちが言うことは、すべてわかり切っていることで、あたしがすでに何度も自分に問いかけたことだった。
「働かない人は生きていけないんだよ。野生動物と同じで、餌をとらなきゃ死ぬんだから」
「なら死ぬ」】

そして、『推し』の突然の芸能界引退宣言。

最後は、ちょっと希望が見える終わり方。

現代によくある、本当によくある話だなと思った。

芥川賞受賞作だけあって文章表現が素晴らしいのは言わずもがな。




次男は薬を増量した翌日

副作用のせいか、コンコンと眠り続けた。

この小説にもあるように、病名がつくのは一時的に本人を楽にするのかも知れない。

「病気なんだから仕方ないよ。今は療養することが大事だよ」

と私も次男に言い聞かせられる。

療養がいつまで続くのかは誰にも分からない。